劇場公開

2022年10月 1日 (土)

3つの鍵

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 イタリア & フランス
 ドラマ & コメディ
 監督 : ナンニ・モレッティ
 出演 : マルゲリータ・ブイ
      リッカルド・スカマルチョ
      アルバ・ロルヴァケル
      アドリアーノ・ジャンニーニ
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 ある晩、アパートに車が衝突した際、巻き込まれた女性が亡くなる。
事故を起こしたのはアパートの 3 階に住む裁判官夫婦、 ヴィットリオ と ドーラ の息子アンドレアだった。
事故が起きた夜、 2 階に住む モニカ は陣痛が始まったため、一人で病院に向かう。 一方、1階に住む ルーチョ と サラ 夫婦は向かいの老夫婦に娘を預ける。
 
 あまり ナンニ・モレッティ 監督作品は得意じゃあねぇんだけれども、奇しくもイタリア、家族譚、公開時も同じくしてとなった先日の 「 靴ひものロンド 」 と見比べてみるのも一興かと思え、それならばってぇことで張り切って観に行ってきた。
 
 ある交通事故をきかっけに 3 つの家族、個々の 10 年間にわたる感情の交錯、崩壊と再生をムダなく淡々と描き、随所で見せる感情や事象のリアルさ、かなりシリアスな展開なのにそれを感じさせないつくりなんかは確かにオモシロく興味深くもあったけれども、とかく 自分勝手 な面々が多く、男連中にいたってはほとんどが自業自得、責任転嫁のクセに人に怒りをぶつけてくる様に辟易させられた。
 また、終盤では大団円ではないけれども個々が納まるべきところに納まったのだから OK からの 「 まだ続くんかいッ! 」 のさらなる展開に集中力がプッツリ… それでも登場した女性たちの今後を観ると邦題の通り長い時間閉ざされていた扉の鍵を開けて前に進むの希望ある爽やかな終わり方だったんで良しとするかなぁで、結局のところ個人的には 「 靴ひものロンド 」 に軍配といったところ。
 
 「 靴ひものロンド 」 で病んだ母親役の アルバ・ロルヴァケル は本作でも同様の役柄で、この女優さんに関しては良くも悪くももはやこのイメージで固まってしまった感じがなきにしもだけれども、裏を返せばそれだけ巧いというこだしね。
ほかにもキャストが重なっている俳優さんがいるんで、その辺も見比べてもまた一興かと。

2022年9月24日 (土)

LAMB / ラム

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 アイスランド & スウェーデン & ポーランド
 ミステリー & ドラマ & ホラー
 監督 : ヴァルディマル・ヨハンソン
 出演 : ノオミ・ラパス
      ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン
      ヒルミル・スナイル・グドゥナソン
      イングヴァール・E・シーグルソン
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 アイスランド の山間で羊飼いをしている夫婦 イングヴァル と マリア 。
ある日、出産した羊から羊ではない何かが生まれ、二人はその存在を “ アダ ” と名付けて育てることにする。
子供を亡くしていた二人にとって、 アダ との生活はこの上ない幸せに満ちていたが、やがて夫婦は破滅への道をたどることになる。
 
 予告トレーラーを観る限りではオモシロそうなんだけれども、雰囲気だけであとはひたすらに淡々とし過ぎてオモシロくねぇんじゃあねぇかの、言わば丁半博打のヤバさを感じなくも… それでも北欧の隠滅としたサスペンスホラー、そして 「 A24 」 の魅力には抗しきれるワケもなく、玉砕覚悟で張り切って観に行ってきた。
 
 「 羊 = キリスト 」 を象徴するし、ポスター等のデザインも 「 幼子イエスを抱くマリア 」を思わせることもあって、宗教色の濃いものかと勝手に思い込むも、フタを開けてみれば寓話的なつくり。 取り立てて難しい内容でもなけりゃ、これといって山場らしい山場のない限りなくフラットな展開で、何かにつけて感性や価値観を問われるというか、求められるというか… まぁ何にせよ 【 好きキライ 】 で割れること間違いなしなんじゃあなかろうかと。
 ストーリーはもちろんとして 「 ミッドサマー 」 や 「 ボーダー 二つの世界 」 を彷彿させる徹頭徹尾、北欧ホラー特有のただひたすらに漂う隠滅とした空気感、底知れぬ狂気と不安も最高だった。
まぁそんなこんなで、確かにツッコミどころ、ナゾも多々あれど、オモシロかったしオレ的にはかなり好きな作品といったところ。
 
 誰ひとり共感できる者がいない中にあって、当初は異質な存在がゆえに気持ち悪さの感情の方が勝った アダ が、中盤以降からひたすらに可愛く思えてきて、ラストでは可哀そう、どちらが彼女にとって幸せ? と強く肩入れしてしまった。
そういった意味では人間の俳優さんよりも ワンコ、お母さんヒツジ と動物たちの存在感の方がはるかに強くあった気がしなくも…。

2022年9月18日 (日)

ザ・シスト / 凶悪性新怪物

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 アメリカ
 ホラー & コメディ
 監督 : タイラー・ラッセル
 出演 : エヴァ・ハーバーマン
      ジョージ・ハーディ
      グレッグ・セステロ
      ジェイソン・ダグラス
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 1960 年代。 小さな町で病院を開く ドクター・ガイ は、レーザー技術を駆使した オデキ 除去用の機械 ゲットゴーン の開発に没頭していた。 1 度目の特許審査が失敗に終わったことに焦る ドクター・ガイ に、看護師の パトリシア は ゲットゴーン の準備不足と危険性を指摘して開発中止を訴えるが、彼は全く耳を貸そうとしない。 やがて ゲットゴーン は暴走を始め、被験者の肉体から オデキ のモンスターを誕生させてしまう。 モンスターは段階的に姿を変えながら、人々に襲いかかる。
 
 巨大化した人喰いオデキ、膿汁 だけでも十二分に魅力的なのに、「 生理的嫌悪指数 200 % 」 のキャッチコピーにさらに煽られて… といことで、張り切って観に行ってきた。
 
 60 年代のモンスター作品を意識した作りもさることながら、ストーリーをはじめクリーチャーの造詣 ( CG ではなく着ぐるみってぇのが実にイイ。 ) と全体的にイイ感じにユル~く、ドクターの気持ちがイイまでのクズっぷりと、看護師の パトリシア を筆頭に登場したキャラたちもイイ感にサイコパス。 中盤ナゾに思えた行動のひとつがラストで見事に回収、おまけにクレジット後には NG 集もありと、「 エクストリーム 」 配給だから 【 安定の低品質 】 かと高をくくっていれば、よもやよもやの出来のイイ作品で、「 TOCANA 」 & 「 エクストリーム 」 配給作品の中でも 「 サイコ・ゴアマン 」 と並んでオモシロい作品だった。
 
  「 生理的嫌悪指数 200 % 」 のワリには全然不快じゃあねぇんだよな、むしろ愛嬌すら感じる。
まぁこの会社の詐欺まがいのキャッチコピーは何時ものことだから別に何とも思っちゃあいねぇ… 逆に期待すらしている今日この頃なんで別にイイっちゃあイイんだけどね…。

2022年9月17日 (土)

ザ・ディープ・ハウス

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 フランス & ベルギー
 ホラー
 監督 : ジュリアン・モーリー & アレクサンドル・バスティロ
 出演 : ジェームズ・ジャガー
      カミーユ・ロウ
      エリック・サヴァン
      アレクシス・セルヴァース
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 世界各地の廃虚映像を配信する、 YouTuber カップルの ティナ と ベン 。
湖に沈む屋敷を撮影しようとフランス郊外を訪れた彼らは、湖畔で出会った ピエール の案内を受ける。湖に潜って屋敷内を探索するうちに、不思議な現象や幻影に襲われる二人。 酸素量も少なくなったことから屋敷から出ようとするも、知らぬ間に出口がふさがれて慌てる彼らに、さらなる怪現象が降りかかる。
 
 【 家屋 & 廃屋 】 が題材になっているホラー作品は傑作が多い気がする。
その 家屋 & 廃屋 が水の底に沈んだものとなれば、ホラー的な怖さだけではなく、水圧 & 酸欠の効果も手伝って恐怖の上乗せは間違いなしだから期するところが大きくありってぇことで、張り切って観に行ってきた。
 
 舞台となる廃屋を水中に沈めただけで、ゴーグル越しの視界の悪さ、夜とは違った暗さ、コイなどの淡水魚の気持ち悪さ、そして減っていく酸素の残量への焦りといったものが加わり、ごくごくありきたりの筋立てとオチのものが、目新しさも手伝ってこうもオモシロく感じられてしまうのだから、本作のアイディアはかなりものと素直に感心させられる。
 その反面、追う方も追われる方も動きが極めてノロい、水圧でそう簡単に開くはずもない扉が簡単に開く、家具調度品の状態がすこぶるイイ、つる性植物が育っていたりと 「 水中だから、なのに 」 ゆえの制約や粗が気になり、アイディアはオモシロくあるのに怖さは いまいち になってしまったのがやや残念といったところ。
何にせよ毎度思うのだが、再生率に囚われたごく一部の YouTuber と称する連中の 無節操 さのほうが、悪霊や悪魔よりもはるかに怖いし始末に悪いような気がしてならない。
 
 主人公の ベン 役の ジェームズ・ジャガー なる俳優さんは ミック・ジャガー の何人かいるであろううちの息子さんとのことで言われて見てみれば確かに目のあたりが似てるような気もする。

2022年9月11日 (日)

靴ひものロンド

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 イタリア & フランス
 ドラマ
 監督 : ダニエーレ・ルケッティ
 出演 : アルバ・ロルヴァケル
      ルイジ・ロ・カーショ
      ラウラ・モランテ
      シルヴィオ・オルランド
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 1980 年代初頭のナポリ。 ラジオ朗読のホストを担当している アルド と妻の ヴァンダ 、アンナ と サンドロ の二人の子供たちは静かな生活を送っていた。 だがある日、浮気をしたアルドが家を出て行き、ヴァンダ は精神のバランスを崩す。
アンナ と サンドロ がナポリとローマを行ったり来たりする生活が数年が続いた後、家族は再び共に暮らし始める。
 
 予告トレーラーの冒頭を観る限りだと一見してシリアスな展開の作風かと思いきや、長年にわたるひとつの家族の崩壊と再生をコミカルに描き評判もよく、20 年のヴェネツィア国際映画祭のオープニング作品にも選ばれたとのことで、期待させるものがありってぇことで、張り切って観に行ってきた。
 
 何年か前に公開されたイスラエル映画の 「 靴ひも 」 ように靴ひもをひとりで結べるようになれば、または外の世界に踏み出すきっかけになる、解けたのなら結びなおせばイイと自立や再生と 靴ひも はポジティブな隠喩を持ってるし、 「ジェンカ 」 の軽妙なサウンドから物語が始まったりするものだから、勝手にめちゃめちゃ家族の崩壊なり再生劇をそれこそ軽妙に描いたものかと思ったのだけれども…。
 身勝手で親になり切れない夫と妻、その両親に振り回され人生を狂わされれる子供たちの姿をそれぞれの年代と視点で心情を描き、再生することなくこの先も壊れた家族であり続け…と、期待したものとは真逆の重く毒気の強い内容で、思いのほか見応えのあるオモシロい作品だった。
 
 病みがちでヒステリックの ヴァンダ 、逆に感情を押し殺す アルド と夫婦のキャラ対比がオモシロくあれば、娘の アンナ 役の女の子がとてもカワイかった。 それはそれとして、その見た目とたかだか 20 ユーロごまかしただけで、空き巣容疑をかけられた配達のおネェちゃんが、この家族のいちばんの被害者で、かわいそうのひと言…。

2022年9月 3日 (土)

地下室のヘンな穴

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 フランス & ベルギー
 ドラマ & コメディ
 監督 : カンタン・デュピュー
 出演 : アラン・シャバ
      レア・ドリュッケール
      ブノワ・マジメル
      アナイス・ドゥムースティエ
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 アラン と マリー の中年の夫婦が、不動産業者に案内され、郊外のモダニズム風の一軒家を訪れる。
その家の地下室には穴があり、不動産業者によるとそこに入れば 12 時間進んで 3 日若返るという。
その家に引っ越すことにした アラン と マリー だったが、その穴をきっかけに夫婦がそれぞれ胸の奥にしまっていた欲望や衝動があらわになっていく。
 
 「 ビバリウム 」 や邦画でも事故物件なんちゃらと紹介された家がいわくつき云々というのが国内外で流行りなのだろうか?
何にせよ、タイトルも含めてかなりオモシロそうってぇことで、張り切って観に行ってきた。
 
 中年の若さに対する妄執に駆られる姿 を シニカル に描いた悲喜劇といったところで、 「 世にも奇妙な物語 」 あたりの一篇を観ている感じ。 終盤での 「 蟻 」 の演出なんかは、ひとつのことに夢中になり過ぎる と周りの状況が見えなくなる、囚われ過ぎるとロクなことにならねぇ云々の深層心理というか哲学的な暗喩となっていて、この辺は何ともフランス映画らしく、また 外見が変わっても中身は変わらずの シニカル さや、適度にくだらない下ネタはそれなりにオモシロく、けっこう好きかも知れない。
 半日ムダにするうえに 50 歳が 20 歳まで若返るには一体どれだけの回数、穴の昇り降りを繰り返さなけりゃあならねぇのか? の労力、さらに痛いしっぺ返しを考えると、この穴にどれだけの価値があるのか疑問に思えてくる微妙感はなんとも絶妙。
穴もイイけれどスマホで大きさ、硬さ、動きを自在に操作できる 【 電子チ〇コ 】 の顛末を描いた方がオモシロかったかもと思わなくも。
 
 カンタン・デュピュー 監督って タイヤ が襲ってくる 「 ラバー 」 の監督さんだったのか。 調べてみればほかにも鹿革ジャケットに異常なほどの愛情を持つ殺人鬼云々の作品を撮ったりと、かなり特殊、斜め上のセンスを持った人のようだ。
これを機にしっかりと名前を覚えておこう。

2022年8月28日 (日)

シーフォーミー

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 カナダ
 サスペンス
 監督 : ランドール・オキタ
 出演 : スカイラー・ダヴェンポート
      ジェシカ・パーカー・ケネディ
      ローラ・ヴァンダーヴォート
      キム・コーツ
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 ペットシッターのアルバイトで、人里離れた屋敷を訪れた視覚障害者の少女 ソフィ 。 窃盗常習犯の彼女は金目のものを盗み出そうと考えるが、屋敷内に隠された巨大金庫を狙って武装した強盗が侵入してくる。 身の危険を感じたソフィは、視覚障害者用サポートアプリ 「 シーフォーミー 」 を起動する。 アプリを通じて、元軍人で FPS ゲームの熟練プレーヤーである ケリー からのアドバイスを受 けながら、彼女は強盗の攻撃をかわすも、スマートフォンのバッテリー容量が減っていく。
 
 個人的にサスペンススリラー、ホラー作品で思いのほか良作が多い印象にあるカナダ映画。
そのカナダから 一人称 の視点でありながら 二人称 という流行りの FPS ゲーム的なつくりに惹かれるところが大きくありってぇことで、張り切って観に行ってきた。
 
  本人視点、遠隔での行動指示のFPS ゲーム的なつくりは、今までありそうでなかった気がしなくもだから新しさを感じられもすれば、通信ツールが発達した今の世を強く反映したつくりで、それに 「 ドント・ブリーズ 」 と似た設定でもひと捻りふた捻り加えればまだ伸びしろがありどうだなぁとも。 何にせよこの FPS ゲーム的 なつくりは今後増えそうな気はする。
 それはそれとして、視覚に障害のある主人公 ソフィ なんだけれども、人一倍プライドが高い、盗み転売も厭わない、それを注意されれば逆ギレ、果ては強盗に対して協力するから分け前を要求のクソ人間無双で、強盗たちのほうがまだまともに見えてくるから応援しようという気に一切ならないことならないこと… その反面、障害者だから犯罪や悪いことはしないという、健常者側の一方的な思い込みを逆手にとったキャラ設定はオモシロくある。 そんなこんなで、再生劇かと思わせて性悪娘のしたたかさといった人間性をしれっと観させられた感じ。 「 A24 」 や 「 ブラムハウス 」 あたりであればさらにといったところかも知れねぇ。
 
 劇中 ソフィ を十代の少女と言ってたんだけれども、演じた スカイラー・ダヴェンポート なる女優さんがどうしても少女に見えなかったんだよなぁ… それもそのはずでアラサーなんだってさ… いくら美人さんでもさすがにそれはキツいよ…。

2022年8月27日 (土)

NOPE / ノープ

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 アメリカ
 SF & サスペンス
 監督 : ジョーダン・ピール
 出演 : ダニエル・カルーヤ
      キキ・パーマー
      スティーヴン・ユァン
      マイケル・ウィンコット
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 田舎町に暮らし、広大な牧場を経営する一家。 家業を放って町に繰り出す妹にあきれる長男が父親と会話をしていると、突然空から異物が降り注ぎ、止んだときには父親は亡くなっていた。 死の直前、父親が雲に覆われた巨大な飛行物体のようなものを目にしていたと兄は妹に話し、彼らはその飛行物体の動画を公開しようと思いつく。 撮影技術者に声を掛けてカメラに収めようとするが、想像もしていなかった事態が彼らに降りかかる。
 
 人種差別ホラーという新規軸を生み出した ジョーダン・ピール 監督の最新作。
立て続けの人種差別を扱った作品にさすがに飽きがきていたところに、 SF 映画がいまいちパっとしない昨今ゆえに久々となる UFO というド定番ネタに妙に興奮させられると同時に、これらを ジョーダン・ピール 監督がどう料理するのか? も気になりと、とにもかくにも期待しかねぇってぇことで張り切って観に行ってきた。
 
 スティーヴン・キング 氏ばりの冗長さとイヤ~な緊張感、M・ナイト・シャマラン 監督 ばりの妙なスカされ具合がない交ぜになった印象だから、おそらく巷では賛否で解れるところだと思う。、確かにいろいろと腑に落ちないところが多々だし、終盤失速した感は否めずなのも解るけれども、上記のない交ぜ感による不安感がオモシロくあったし、それなりに社会的テーマを感じられなくもだったんで、オレ的には 【 賛 】 といったところ。
 未確認飛行物体 と 未確認生物 を足して割った「 未確認航空現象 」 は、両方の性質を兼ねそろえたうえに、 【 捕食 消化、未消化物を排泄 】 という一連の特徴を付加させた 「 エヴァンゲリオン 」 の使徒っぽい存在は斬新というか、思いのほか興奮させられた。
また、「 未知との遭遇 」 や 「 AKIRA 」 をはじめとするオマージュの数々、ダフトパンク が被ってそうなヘルメット、これらをひっくるめて 西部劇 ぽくの遊びごころもオモシロく、この辺は新機軸を作りあげた新進気鋭の誉れ高い ジョーダン・ピール 監督と脱帽。
 
 エメラルド 役の キキ・パーマー と おバカっぽい電気屋の エンジェル 役の ブランドン・ペレア が好印象。
この手の作品を観たあとの常として 大槻教授 VS 韮澤潤一郎 氏による 「 UFO & オカルト漫才 」 を猛烈に観たくなってしまう。
まぁそんなこんなで、考えたら負けよの楽しんじゃったもの勝ちの作品かなぁと。

2022年8月21日 (日)

復讐は私にまかせて

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 インドネシア & シンガポール & ドイツ
 アクション & ロマンス
 監督 : エドウィン
 出演 : マルティーノ・リオ
      ラディア・シェリル
      ラトゥ・フェリーシャ
      レザ・ラハディアン
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 1989 年、インドネシアのボジョンソアン地区で、 アジョ・カウィル は、けんかとバイクレースに明け暮れていた。
ある日彼は、武術の達人で美しい女性ボディーガードの イトゥン との決闘に挑み、二人はそのとき恋に落ちる。
アジョ は勃起不全に悩んでいたが、 イトゥン のいちずな愛にほだされ彼らは結婚する。
 
 個人的に タイ 意外ではまだまだ目にする機会が少なくある 東南アジア 映画のなかにあって、高速超絶アクションに大興奮させられた 「 ザ・レイド 」 などで、徐々に頭角を現しはじめた印象のインドネシア映画。
その インドネシア から連日の猛暑よりさらに暑苦しそうな本作に期するところがデカくあるってぇことで、張り切って観に行ってきた。
 
 ケンカっ早く ED で悩む アジョ と シラット の使い手の美女 イトゥン による拳を交えて芽生えるロマンス、そこから紆余曲折を経ての復讐劇、明かされていく アジョ の過去に関わる女性による復讐劇、複雑に絡み合った糸が終盤で一本の糸になるつくりはジリジリとしたものが感じられてオモシロくあった… のかなぁと。
 判断に迷うにはそれなりに理由があって、いろいろと要素があり過ぎ、時間経過をポンポ~ンと飛ばし過ぎによる唐突感、これらが巧くまとまっているように見えてまとまってない、またその逆も然りの印象がとにかく強く、悪かぁねぇけれども終始ノリきれなかったというのが本音だから、結局のところ 「 いまひとつ 」 で、 要は タランティーノ 監督作品あたりが好き人にはってぇところだろう。
 
 シラット の使い手 イトゥン 役を 志穂美悦子 で観てみたい強烈に思ってしまった。 となると アジョ 役は 大葉健二 あたりで、でもって牢獄の盲目で武術の達人のじぃさんはさしずめ 千葉真一 だな。 まるっきり 東映 のアクション映画じゃあねぇか。

2022年8月20日 (土)

サバカン SABAKAN

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 日本
 ドラマ & 青春 & ファミリー
 監督 : 金沢知樹
 出演 : 番家一路
      原田琥之佑
      尾野真千子
      草なぎ剛
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 1986 年、長崎。小学5年生の 久田 は、愛情深い両親と弟と共に時にはけんかもしながら暮らしていた。
彼はあることを機に、家が貧しいためにクラスメートから避けられている 竹本 とイルカを見るためにブーメラン島に行くことになる。
この冒険をきっかけに二人の絆は深まっていくが、ある事件が起きる。
 
 期待させるものがデカくあるってぇのが最前提として、とりあえず夏休みなんで ジュブナイル 的な作品でも観て子供時代にタイムスリップしてノスタルジック… おセンチな気持ちに浸りてぇってぇことで張り切って観に行ってきた。
 
  「 日本版 スタンド・バイ・ミー 」 と謳われているように鑑賞後の多幸感と郷愁感は、本家に負けず劣らずの出来栄え。
弱さを見せず大人びた振る舞いの 竹本 が 久田 のことをはじめて 「 久ちゃん 」 と呼んだときの子供らしさ、その後に続く 「 またね 」 のやり取りの瑞々しさに涙腺決壊。 がさつを気取る 久田 の親父さんの何も聞かず冒険に送り出し、そして迎えに来てくれる無骨な優しさと、それとなく 竹本 を見守っているミカン農園のオッサンの優しさに涙腺決壊。 そんなワケで涙腺決壊しまくり。
  鮮やかな青色の 【 パンサー のスニーカー 】 、久田 の家の玄関で傘立てとして使われていた 【 LARK のゴミ箱 】 と、かなり細かいところまでしっかりと舞台となる 80 年代へのこだわりが随所に見受けられ、ドンピシャ世代でもあるんで、この辺は観ていてかなりテンションを上げられた。 叶うならばこの時代に返りてぇと切に思う…。
 
 子役のふたりは言わずもがなとして、 竹原ピストル があまりにも良すぎて独り勝ち状態。
岩松了 そして出番は少ないながらも感動やさんの担任の先生もインパクト大で、子供たち以上に大人たちの存在がとてもヨカッタ。
海辺にいた女の子はハングル文字が読めるのと、やり取りのセリフから彼女は 在日二世 と捉えてイイのだろうか?

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