DAU. ナターシャ
ドイツ & ウクライナ & イギリス & ロシア
ドラマ
監督 : イリヤ・フルジャノフスキー & エカテリーナ・エルテリ
出演 : ナターリヤ・ベレジナヤ
オリガ・シカバルニャ
ヴラジーミル・アジッポ
リュック・ビジェ
【 物語 】 ( シネマトゥデイ )
ソビエト連邦の某所にあり、軍事的な研究が行われている秘密研究所。
ここの食堂でウェイトレスをしているナターシャは、フランス人科学者と肉体関係を結び、惹かれ合うようになる。
しかし、ナターシャは当局からスパイの容疑をかけられ、KGB職員に疑惑について厳しく追及される。
何でも、「 ソ連全体主義 」の社会を完全に再現するという前代未聞かつ壮大なスケールのプロジェクトで、 「 史上最も狂った映画撮影 」 と称され、ベルリン映画祭で物議を呼ぶも銀熊賞を受賞と各方面で高い評価を受けていて、とにもかくにも全てにおいて 【 高次元レベル 】 のスゴい映画とのことなんで、それほどまでにスゴいと言われているのであれば、これは是が非でも観ておかねばということで、張り切って観に行ってきた。
オーディション人数延べ 39 万 2 千人、衣装 4 万着、欧州史上最大の 1 万 2 千平米のセットを設け、主要キャスト 400 人、エキストラ 1 万人、撮影期間 40 ヶ月、35 mmフィルム撮影のフッテージ 700 時間と、莫大な費用と 15 年もの歳月をかけて本作を完成させたと謳ってるから、どれだけスゲェ映画なのかと思いきや、主人公ナターシャによる互いに嫌い合う同僚の女性との罵り合い、酒を無理強いするパワハラ & イジメ行為、そしてナターシャが特高につかまる原因となる外国人科学者とのムダに長いセックスシーンが延々と綴られるだけで、どこが凄まじいまでの描写なのかがいまいち解らず、正直なところオモシロくもなんともなし…。
終盤でようやくナターシャが特高に捕まり、尋問とかるい拷問を受けるエピになってようやく展開らしい展開が訪れたことで、気持ち前のめり気味になるも、結局のところあまり納得も理解もできないまま唐突に終わりを迎え、意味解らんよ状態…。
それもそのはず、本作はシリーズ 16 本あるうちの 1 話目の位置づけとのこと。 だもんで、この 1 本からでは、宣伝で謳っているほどに狂気を感じることはなかったし、上記の壮大なプロジェクトの年月や費用の情報も現状ではそれほど意味をなさずの印象。
そんなワケで、一大プロジェクト絵巻の入り口的作品なのは理解したところであらためて、この続きを観たいか? と問われれば、間違いなく 【 もぅいいわ…。 】 ってぇところだな。
主人公ナターシャのヒステリックさや独りよがり、独善的なその人間性に終始イラつかされる。 それに特高に捕まって尋問 & 拷問を受けているのに、危機感というものを彼女から感じることが出来ず。 まぁその危機感の無さが、宣伝文句の中にあった凡庸な悪というか、いつの間にか人の懐に入ってきて取り入ってしまう無自覚の悪みたなものは確かに強烈に感じられる。
最近のコメント