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2023年4月22日 (土)

聖地には蜘蛛が巣を張る

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 デンマーク & ドイツ & スウェーデン & フランス
 サスペンス & ドラマ & 犯罪
 監督 : アリ・アッバシ
 出演 : メフディ・バジェスタニ
      ザール・アミール=エブラヒミ
      アラシュ・アシュティアニ
      フォルザン・ジャムシドネジャド
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 イランの聖地 マシュハド で売春婦連続殺人事件が発生する。 「 街を浄化する 」 という信念のもと、犯行を重ねる殺人鬼 スパイダー・キラー に人々は恐怖を抱く一方で、犯人を英雄視する市民も少なからずいた。
そんな中、事件を覆い隠そうとする圧力を受けながらも、女性ジャーナリストの ラヒミ は臆することなく事件を追い始める。
ある夜、彼女は家族と暮らす平凡な男の狂気を目の当たりにする。
 
 イランで実際に起きた娼婦連続殺人事件から着想を得たらしく、この手の事件ものが大好物なのと、そこに宗教や社会的弱者の女性の人権とイランが抱える諸問題の背景にも惹かれるところが大きく、その辺を楽しめればと思い張り切って観に行ってきた。
 
 ミソジニストによる街娼連続殺人事件を女性記者が追う云々に単純にサスペンス劇と思い込むも、フタを開けてみりゃあ女性が何ゆえに夜の街に立たなければならないのか?に目を向けることもなく、経典やイスラム法といった教義の名のもとに街の浄化と称して行われる殺人を英雄行為として受け入れる盲信的倫理観や、警察や聖職者たちの権力、すべてはホントに神のためなのか? といったイラン が抱える闇や歪みを色濃く描いていて、社会性の強いパンチの効いた見応えのある作品だった。
最後にキライじゃあねぇけれどもどういう経緯、齟齬があってああなったのだけが解らずモヤっとさせられる。
また、昨今の何かにつけ多様性を謳う風潮にイラつかされるけれども、その多様性を許さない本作のような一元化された世界を見ると、多様性の意味合いをあらためて思い直すイイ機会にもなった気がしなくも。
 
 それまで常に挙動不審でオドオドとしていたサイードが逮捕後に多くの支援者を得て、英雄視されていくうちに無罪を確信し、自信を漲らせていく姿と、その遺伝子というか狂気が周りに受け継がれている描写や道徳警察なる存在がスゲェ怖い…。
女性記者 ラヒミ の孤軍奮闘ぶりもヨカッタけれども、同僚の男性の別れ際のそれとない告白が一服の清涼剤となっていて好印象。

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