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2023年3月25日 (土)

メグレと若い女の死

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 フランス
 ミステリー
 監督 : パトリス・ルコント
 出演 : ジェラール・ドパルデュー
      ジャド・ラベスト
      メラニー・ベルニエ
      オーロール・クレマン
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 1953 年のパリ。モンマルトルのヴァンティミーユ広場で若い女性の刺殺体が発見される。遺体には5か所の刺し傷があり、身元を特定できる所持品は何もなく、事件の目撃者もいなかった。 捜査を依頼された メグレ警視 は、被害者が身に着けていた高級なイブニングドレスを唯一の手掛かりに、被害者の身元と人生を調査し事件の真相に迫っていく。
 
 かれこれ 20 年ほど前に原作に手を手を出すも、いまいちハマれず 3 ~ 4 冊でリタイアした 「 メグレ警視 」 シリーズ。
そういう経緯もあって再読するきかっけになればの思いと、何より敬愛する映画監督のひとりである パトリス・ルコント 監督の約 10 年ぶりとなる新作に期するところが大きくありってぇことで、張り切って観に行ってきた。
 
 結論から言うと犯人は 「 まぁそうだろうね 」 と意外性皆無の淡白なものなんで、ミステリーとしてはかなりの物足りなさを覚える。
原作は未読なんで何とも言えねぇのだけれども、どちらかと言えば謎解きどうこうよりも捜査の過程上で知り合い、協力者となる田舎からパリに出てきた生活に困窮する若い女性に対する警察官としての感情と、死んだ娘の姿を重ね合わせる父性といったメグレの心の機微の描写、メグレの人となりの人間ドラマといたところ。
 そんなふたりの恋愛感情抜きにもっと親密になりそうでならない、絶妙な距離感の描写は長年男女のフェティズムな関係を描いてきた ルコント監督 らしさがあり、久々にゾクゾクさせられこの辺は素晴らしく思え流石のひとこと。
そんなこんなで、先で述べたようにミステリーとしては物足りなくあるけれども、久々に敬愛する ルコント監督 節を堪能できたんで何ら問題はなし。 これを機に再読でもしてみるかな。
 
 メグレ役の パトリス・ルコント の太り具合に心配にならざるを得ない…。
健康を気遣って禁煙中の メグレ が愛用のパイプに手をかけたり、部下に吸い方を教えたりと何かにつけてタバコを吸うきっかけを探っている姿がなんとも微笑ましい。

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