アフター・ヤン
アメリカ
SF & ドラマ
監督 : コゴナダ
出演 : コリン・ファレル
ジョディ・ターナー=スミス
ジャスティン・H・ミン
マレア・エマ・チャンドラウィジャヤ
【 物語 】 ( シネマトゥデイ )
人型ロボットが一般家庭に普及した近未来。茶葉の販売店を経営する ジェイク は、妻のカイラ、中国系の養女 ミカ 、ロボットの ヤン と共に暮らしていた。 だが、ある日 ヤン が故障して突然動かなくなってしまう。 何とか彼を修理しようとする中で、 ジェイク は ヤン の体内に定期的に数秒間の動画を記録する特殊なパーツが組み込まれていることを知る。
半端ないポリコレ感に気持ち悪さを覚えなくもだけれども、期待を裏切らない 「 A24 」 制作だし、それ以上に海の向こうでの 「 小津安二郎 監督が撮った SF 映画の趣 」 の評価に惹かれるとこが大きくありってぇことで、張り切って観に行ってきた。
ヤンは人工知能ゆえ、彼の記憶は記憶ではなくデータであっていわば記録。
そう言ってしまえば身もフタもねぇのだけれども、彼が記録したものには人との関わりや淡い日の光、湯の中で踊る茶葉であったりと、他の人工知能とは違い感情や感性を持ち合わせ、日常にある当たり前のこと、些細なことを美しいものとして記録=記憶していたあたりや、死の先にあるものについての問いかけを淡々と詩的にときに哲学的にと繊細に綴っていてヨカッタとは思うのだけれども…。
人と人工知能、そしてクローンの間に垣根がない世界、それぞれ肌の色の違う人種が当たり前のように家族を形成している世界は確かに美しく理想郷と思えもすれば、それぞれのアイデンティティどうこうもイイとは思う。
なれど ヤン の記憶を覗き見るのは死んだ後にスマホの中身を探られているようであまり気持ちのイイものではねぇし、家族の感情もペットロスにしか映らず… 何より何かにつけて 【 多様性 】 という言葉に逆に窮屈さを覚えたりで、巷の高評価ほどには響かず 「 う~ん… 」 が正直なところ。
淡い色彩、変化する画角なんかは 「 A GHOST STORY / ア・ゴースト・ストーリー 」 と通じるものがありこの辺は 「 A24 」 らしいセンスであれば、また 小津安二郎 監督の趣は全体的なことを指しているのは重々承知も、引きのアングルや同じセリフを 2 回言わせる辺りにも、小津安二郎 監督ぽさを感じられたかなぁと。
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