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2022年5月 8日 (日)

死刑にいたる病

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 日本
 サスペンス & ドラマ & 犯罪
 監督 : 白石和彌
 出演 : 阿部サダヲ
      岡田健史
      岩田剛典
      宮崎優
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 理想とはかけ離れた大学生活で悶々とした日々を過ごす 筧井雅也 のもとに、ある日 1 通の手紙が届く。
それは大勢の若者を殺害し、そのうち 9 件の事件で死刑判決を受けている凶悪犯・ 榛村大和 からのもので、 「 罪は認めるが最後の事件は冤罪だ。 犯人はほかにいることを証明してほしい 」と記されていた。
かつて筧井の地元でパン屋を営んでいた旧知の 榛村 の願いに応えるべく、 筧井 は事件の真相を独自に調べ始める。
 
 まったくノーマーク、ノーチェックだった本作だけれども、予告トレーラーを観て主演の 阿部サダヲ の不気味な表情と演技、そして 「 踏み入れたら沼だよ 」 のキャッチコピーに 「 是非ともハマりたいものです! 」 と急に惹かれるところが大きくなり、それならハマってくるかってなぁワケで張り切って観に行ってきた。
 
 冒頭の裁判のシーンに裁判傍聴芸人の あそちゃん ( 阿曽山大噴火 ) の姿が見えたもんだから、思っている以上にシリアスな展開じゃあねぇのかもなんて油断してしまった… まぁそれはそれとして、全体的に人心掌握に長けた 榛村 はさしずめ ハンニバル・レクター 博士、その 榛村 との接見室でのガラスに互いの顔が重なり合ったり、操られ狂気が伝播する演出は デヴィッド・リンチ 監督の 「 ツイン・ピークス 」 を彷彿させられ、名作サイコサスペンスのイイとこ取りの印象が強くあるのは否めないものの、前述とは逆に思っていた以上にシリアスでどす黒い狂気を孕んだ、見応えのあるオモシロい作品だった。
  冒頭の花びらのシーンがまさかあのように帰結するとは思いもしなかったし、最後の対峙で 榛村 の思惑を退けた行、時間をかけた下準備が実を結び始めたときと、今思い返せばあれも、これも伏線だったのか? と気づくところも多く、とにもかくにも本作は伏線回収とミスリードが見事だったように思える。 ただ終盤で 榛村 がそれまでのスタンスを崩してまで犯した殺人とその犠牲者の説明をきちんとしてくれてはいたけれども、いまいち納得できないというか… まぁやっぱり、逮捕、収監、死刑を見越したそのうえで 雅也 と接触するための下準備としてのスタンス崩しってぇことなんだろうなぁ。
 
  吉良吉影 ばりの 「 普通の人 」 を装い、喪黒福造 ばりに巧みに 「 心の隙間 」 に入り込んでくる 殺人鬼・榛村 役の 阿部サダヲ の不気味さたるや、 あの狂気を孕んだ無感情な目の演技はマジで怖い。
出演していたトレンディドラマも観てなけりゃあ、浅香唯 派だったからそれほど 中山美穂 を観てきたワケじゃあねぇけれども、何にせよ、オバさんになったなぁ…と。

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コメント

こんにちは。
榛村=ハンニバル・レクター説、納得です。
刑務所内からの指示も含めて正にそんな感じでしたよね。
怖~い!

風情さん☆
本当にレクター博士でしたね。
他人を意のままに操るのが楽しいのは理解出来なくもないですが、それと拉致して拷問するのが繋がらず何となくしっくりきませんでした。
とはいえ、サイコパスの考えることなど理解しようもないですが・・・
阿部サダヲは最高でした!彼にしかできませんね☆

コメント感謝です♪

ここなつ様
遠近かかわらず人心を操るのが個人的に凄まじく思えてゾクゾクしちゃいました。
ただ皆さんがいうよう看守を篭絡するあたりは 「 ムムム… 」 であったのは確かなところです。
1 ~ 2 ヶ月ほど前に 「 羊たちの沈黙 」 を再読したこと、榛村 のキャラを目にして、あらためて レクター博士 っていろんな意味でスゲェなぁと感心しちゃいました♪ (゚▽゚)v


ノルウェーまだ~む様
あの拷問シーンや、爪を小ビンに入れてコレクションも戦利品として意味合いがあるのも解るんですが、ただの嗜好にしか見えなかったんですよねぇ。
同じ嗜好でも レクター博士 のように美学というか芸術性みたいなものがあってもヨカッタかなぁなんですが、それをやっちゃうとまんま レクター博士 ですしねぇ…。
何にせよ、マスコミ的に言うと本作での 阿部サダヲ は 【 和製 】 レクター博士で最高でした♪ (゚▽゚)v

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