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2022年4月17日 (日)

親愛なる同志たちへ

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 ロシア
 ドラマ
 監督 : アンドレイ・コンチャロフスキー
 出演 : ユリア・ヴィソトスカヤ
      ヴラジスラフ・コマロフ
      アンドレイ・グセフ
      ユリア・ブロヴァ
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 1962 年 6 月 1 日、ソ連南部の ノボチェルカッスク の機関車工場で、貧困にあえぐ労働者たちがストライキを起こす。
問題視した政府は、スト鎮静化と情報の流出を防ぐため高官を現地に派遣し、スト発生の翌日には軍が市民に銃撃を開始する。
熱心な共産党員で、市政委員でもある リューダ は、行方不明になった娘の スヴェッカ を捜して、混乱する広場を駆けずり回る。
 
 ホロドモール ( 人工的な大飢饉 ) 同様に ソ連 政府によって隠蔽された政府による一般市民の虐殺事件を描いた本作に、連日の ロシア による ウクライナ 侵攻の報道を目にする当世だからこそなのか? それともただの興味だけなのか? 手前ぇでも判断しかねるところなんだけれども、とにもかくにも観ておかねばの思いで観に行ってきた。
 
 粛清、隠蔽と旧ソ連時代の悪い体質を連綿と受け継ぐロシアを見ると、その歴史から何ひとつ学んでねぇというか、学ぼうとしねぇ頑な
姿勢はもはや天晴れのひと言… 本作ではじめて知るところとなった ノボチェルカッスク での暴動鎮圧をはじめ、ホロドモール ( 大飢饉 ) の出来事から、ウクライナという地は昔からロシアから虐げられていることが窺え、今の結果に至ることがよく解る。
 混乱のさなか行方知れずとなった娘を探し求める母親の姿を通して、妄信的に信じていたものが、ある日突然に崩れ始め、何を信じ、何をすればイイのか解らなくなり、やがて不信を生み、最後は希望に託すしかなくなる様はとにもかくにも重苦しい。
この主人公の一連の心の動きに説得力を感じる反面、それでも何かにつけあれだけのことをやらかした スターリン を礼賛するあたりに強烈にモヤモヤっとしたものを覚えなくもだから、主人公に対して共感しづらくあり、主人公同様に観てるこっちも心や感情の置き所が解らなくなった感ありかなぁと。 行動を共にする KGB 局員も疑問を感じながらも命令に従わざる得ない姿を見れば、当時の党員といったある程度社会に適合できいた連中は、すべからくこんな感じだったのかも知れんね。
何にせよ、「 外に誇れる社会ではない 」 のセリフ、このひと言に尽きる。
 
 旧ソ連が隠蔽し、崩壊する最近まで隠蔽し続けた黒歴史を、現ロシア政府がその事実を認め、今に至ってこの作品を撮ることを承認したとのことで、今現在のロシアの言動を思えば内部告発に近い作品。 この紛争の前に撮られたものであろうから、今現在となっては到底承認など得られないだろうから、そういった意味でもとても意義のある作品であることに間違いはなかろかと。

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