« 銭湯潮流 【 押上温泉 大黒湯 : 墨田区 】 | トップページ | ダーク・アンド・ウィケッド »

2021年11月28日 (日)

ダ・ヴィンチは誰に微笑む

379069_02_01_02
 フランス
 ドキュメンタリー & アート
 監督 : アントワーヌ・ヴィトキーヌ
 出演 :
      
      
      
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 2017 年、レオナルド・ダ・ヴィンチ の絵画 「 サルバトール・ムンディ 」 が、およそ 510 億円で落札される。
もともとこの絵画はニューヨークの美術商が、ある競売会社のカタログに掲載されていたものを13万円で購入したものだった。
美術商はその絵をロンドンのナショナル・ギャラリーに持ち込み、専門家の鑑定により ダ・ヴィンチ の作品というお墨付きを得る。
 
 数年前話題になった、「 サルバトール・ムンディ 」 なる レオナルド・ダ・ヴィンチ 最後の名画を巡り、先日の 「 レンブラントは誰の手に 」 同様にそれぞれの欲やら陰謀が絡んだことの顛末を追った本作。 この手の話は 「 事実は小説よりも奇なり 」 的なオモシロさがあることから公開を楽しみにしていた作品ってぇことで、張り切って観に行ってきた。
 
 ダ・ヴィンチ の男性版 「 モナ・リザ 」 と称される 「 サルバトール・ムンディ 」 なる作品が話題になったのは何となく覚えているような、ないようなで、正直なところ名前以上のことはよく知らない。 何にせよ、100 年近い長い間、行方知れずになっていた巨匠の名画が、突如姿を現し、競売にかけられ、どこの誰が? いくらで? 競り落とし、作品の真贋のほどは? そして再び行方知れずの一連の顛末は先の 「 レンブラントは誰の手に 」 同様に、一般人には思いもよらない欲にまみれた美術業界の裏側と、外交や政治が絡んでいて、「 事実は小説より奇なり 」 以上のミステリーさがあって見応えがあった。
 にしても最初、ネットオークションで日本円で約 15 万円程度で競り落としたものが、まだ真贋すら定かじゃあねぇのに最終的に 510 億円って… 劇中でも 「 今の世の中、 15 万円が 510 億円に跳ね上がる投機物件はアート業界にしかない 」 のセリフに強く印象と疑問が残るし、購入者とされる サウジアラビア の皇太子の思惑もコレクションではなく後の欧米との関係を築くための政治の切り札 ( 「 絵画探偵 ハロルド・スミス 」 でも、行方不明とされる名画は大規模なテロ組織や犯罪グループが、交渉手段の手札、人質として所有していると言っていたのを思い出す。) ってぇあたりに、ただ素直に名画を観たいだけの一般人からするとあまりにも縁遠い世界の出来事、美術本来の意味が失われてしまっていて、 「 何だかなぁ… イヤだなぁ… 怖ぇなぁ… 」 の気持ちでいっぱい。
 
 クレジット時に 「 サルバトール・ムンディ 」 が札束を握ったものや、指にマリファナを挟んだものといった、いくつものパロディ画が紹介されているあたりに、例えば マルセル・デュシャン の 「 泉 」 なる作品、いわばただの便器にアートと称して高額をつける不透明で欲まみれのアート業界を皮肉っていてオモシロい。 そう考えると、先日の バンクシー のシュレッダー事件の顛末と真意に今なら大きく 「 なるほど 」 と納得できる。

« 銭湯潮流 【 押上温泉 大黒湯 : 墨田区 】 | トップページ | ダーク・アンド・ウィケッド »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 銭湯潮流 【 押上温泉 大黒湯 : 墨田区 】 | トップページ | ダーク・アンド・ウィケッド »