世界で一番しあわせな食堂
フィンランド & イギリス & 中国
ドラマ
監督 : ミカ・カウリスマキ
出演 : アンナ=マイヤ・トゥオッコ
チュー・パクホン
カリ・ヴァーナネン
ルーカス・スアン
【 物語 】 ( シネマトゥデイ )
フィンランド北部の田舎に中国・上海からやってきた料理人のチェンとその息子。 彼らは恩人を捜してフィンランドまで来たのだった。 しかし恩人を知る者はなく、食堂を営むシルカはチェンがそこで働くことと引き換えに恩人探しに協力することを約束。
人々は見慣れない料理に戸惑うが、口にしてみるとそのおいしさを認め、食堂は評判に。常連客とも仲良くなっていくチェンだったが、帰国の日が刻一刻と迫ってくる。
敬愛する映画監督のひとりであるアキ・カウリスマキ監督のお兄さんであり、個人的に 「 旅人は夢を奏でる 」 以来実に 10年ぶりとなるミカ・カウリスマキ監督の最新作。 かつてアキ・カウリスマキ監督も 「 浮き雲 」 で、食堂 ( レストラン ) を舞台にした作品を撮っていて、兄弟でアプローチの違いを比較するのもオモシロそうだし、食堂系は以外にも良作が多いようにも見受けられるんで、その辺を楽しめればと思い張り切って観に行ってきた。
弟のアキ氏は日本好きなのは有名なところ、片や兄のミカ氏は本作を観る限りじゃ中国に愛があるのかも知れない。
まぁそれはそれとして、親父さんのキャラ設定は真逆ではあったものの父と息子、人との出会いを通じて手前ぇを見つめなおして再出発の設定は前作と変わるところなし、それでも親父さんが手前ぇの想いや感情を息子に押し付けてしまっていていることに気づくあたりや、外国人 & 異文化を温かく受け入れる村の人たちの優しさなんかは、おとぎ話感がやや強くあるものの観ていて心地がヨカッタ。 ヨカッタけれどもそれ以上のものはなし。
同じコメディ調の人間ドラマ作品もほぼほぼ定型のつくりだから、アキ氏のような独特の間や毒気といったクセの強さがなく、アキ氏と比べるとはるかに取っつきやすいけれども、そのぶん物足りなさを感じなくもといった感じ。
北欧の料理なんぞ食ったことがねぇからよく解らんのだけれども、家具調度品の空間 & インテリア同様に余分なものがない、つまりシンプル極まりなく、見た目的にも食欲をそそられないぶん、中華料理の見事さやシズル感がより際立っていた。
バリエーションや医食同源、食育的な部分を観ていると、食に関しちゃ日本も負けず劣らずなところも、そこら辺のこととなると 4000 年の歴史を持つ中国には敵わねぇなぁと。
ただねぇ、どんなに想いがあろうとも自然物にペンキで落書きしたり、所かまわず爆竹を鳴らすのはよろしくねぇぞと。
食堂の気のイイ常連客、ロンパイネン役のカリ・ヴァーナネンは先で紹介したアキ監督の 「 浮き雲 」 に、ヴィルプラ役のヴェサ=マッティ・ロイリは同監督の 「 旅人は夢を奏でる 」 にと、カウリスマキ兄弟作品で主演だった俳優さんが出演という妙味もヨカッタ。
クレジットで流れていた曲で、どっかで聴いたことがあるんだけど、曲名が全然思い出せずにいてずっとモヤモヤしっぱなし…。
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コメント
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風情♪さん、こんにちは!
確かにおっしゃる通りペンキで石に字を書くシーンではええっそれは・・・と感じてしまいましたねぇ。
爆竹は中国からわざわざハンドキャリーしたのか?飛行機に持ち込めるの?なんて疑問も。(笑)
ストーリーは感動の嵐!というモノではありませんが「ちょっといい話」でした。
登場人物がみんなイイヒトだしフィンランドの自然は美しいし。
シルカ、真っ赤なチャイナドレスが似合っていましたね。
投稿: sabunori | 2021年4月 3日 (土) 17時31分
コメント感謝です♪
ラストに至るまでは普通にヨカッタと思える作品だったんすけど、最後の最後で自然物へのペンキでの落書きと爆竹を鳴らす演出に 「 おいおい… 」 とツッコミを入れざるを得なくなってしまったのが、ちょっと残念というかもったいないというかでした。
ホントですよね、鼻毛を切るハサミだって没収されるのに、爆竹となればましてやだし、どう考えてもあのクラスの爆竹が北欧で普通に売ってそうにもなさそうなことを思えば持ち込みですよね。
まぁ多々思うことはあれど、景色もきれいだし、飯は美味そうだし、人もイイしで癒されました♪ (゚▽゚)v
投稿: 風情☭ | 2021年4月 4日 (日) 10時31分