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2020年8月22日 (土)

赤い闇 スターリンの冷たい大地で

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 ポーランド & イギリス & ウクライナ
 ドラマ
 監督 : アグニェシュカ・ホランド
 出演 : ジェームズ・ノートン
      ヴァネッサ・カービー
      ピーター・サースガード
      ジョゼフ・マウル
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 1933年、かつてヒトラーにも取材したことがあるイギリス人記者ガレス・ジョーンズは、世界恐慌の中でソ連だけが好景気であることに疑念を抱いていた。 その謎を探るため単身モスクワへ向かった彼は、当局の監視を避けながら全ての鍵を握るウクライナを目指す。極寒のウクライナにたどり着いたジョーンズは、過酷な生活を強いられ飢えに苦しむ人々を目撃する。
 
 スターリンの恐怖政治による暗黒期のソ連の不穏な空気は大きくそそられるところだし、監視の目が厳しいそのスターリン体制のもとソ連の実態を暴くべく潜入取材した英国人記者の実話もすっげぇ興味あるところ。 また、 背景にあるホロドモール大飢饉なる出来事を知るにも一石二鳥のイイ機会ってぇことで、勉強もかねて張り切って観に行って来た。
 
 スターリン体制下のソ連での ホロドモールと呼ばれるウクライナの飢饉のことは、トム・ロブ・スミスの小説 「 チャイルド44 」 の冒頭で触れられていたことで薄っすらと知っていてはいたけれども、この大飢饉が人為的に引き起こされたものであったとは…。
凍てつくウクライナの地と、子供たちが歌う 「 飢えのために最後は自分の子を食べた 」 の歌詞、実際に人肉を食らう飢えに苦しむ人々の描写は下手なホラーより恐ろしく、精神的にかなり堪えるものがある。
それと同時にネットニュースや文〇みたいに事実を加飾、過剰、歪曲して伝える昨今の報道の在り方に疑問を感じているだけに、20代そこそこの若きジャーナリストのガレス・ジョーンズが命を賭してソ連の闇、真実を暴き伝えるその姿に本来の報道の在り方、報道とは? を見る思い。
 未読だもんで概略しか知らんけれども、作家ジョージ・オーウェルがガレスとの会談を経て著書 「 動物農場 」 の着想を得たというエピはなるほどと感心させられる。 また、終盤では孤立無援となったガレスに対して新聞王ランドルフ・ハーストが協力、ガレスだけではなくこういった大きな影響力をもった人たちがいて隠されていた真実が表に出たという後のエピも潜入取材の行以上にオモシロかったし、とても興味深い。
 
 ピーター・サースガードが演じるウォルター・デュランティなる人物はニューヨーク・タイムズ紙モスクワ支局長務めソ連の五カ年計画に関する報道で、1932年にピューリツァー賞を受賞するもソ連の大飢饉を否定したりと、ソ連とスターリンに懐柔された著名なジャーナリストとのこと。 この姿と言動を見るにつけ朝や昼のワイドショーに顔を出す、現安部政権をゴッリゴリに擁護し、都合が悪くなると言葉を濁す田崎史郎のじぃさんと重なる。

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コメント

こんにちは。ご訪問が遅くなりました。すみません(^_^;)
ジャーナリズムの表裏を描いたという点でも秀作だったと思います。
がしかし、やはり厳寒のウクライナでの描写ですよね~心底恐ろしかったですね。
そしてその恐ろしさに輪をかけて、最後のガレスの行く末は…どうなったのか…と考えると…
下手なホラーよりもよっぽど怖い作品でした。

コメント感謝です♪

次の潜入先の満州で現地ガイドに殺られたとあったけど、そのガイドは絶対的にソ連のプロでしょうし、現在に至るまで脈々と続く、オモシロくない奴はの暗殺行為もソ連にとっては常套手段ですしね。
表裏を描いたという点で昨今の偏向、フェイクといろいろと取りざたされる報道の体質を考える意味で今観るべき作品でしたね♪
 (゚▽゚)v

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