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2019年12月14日 (土)

家族を想うとき

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 イギリス & フランス & ベルギー
 ドラマ
 監督 : ケン・ローチ
 出演 : クリス・ヒッチェン
       デビー・ハニーウッド
       リス・ストーン
       ケイティ・プロクター
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 マイホームを持ちたいと考えている父のリッキーは、フランチャイズの宅配ドライバーとして独立する。
母のアビーは、介護士として働いていた。夫婦は家族の幸せのために働く一方で子供たちと一緒に居る時間は少なくなり、高校生のセブと小学生のライザ・ジェーンはさみしさを募らせていた。 ある日、リッキーが事件に巻き込まれる。
 
 敬愛する映画監督のひとりであるケン・ローチ監督の最新作。
引退宣言を撤回してまで作り上げてきた意気込みと、85歳という高齢を考えれば、この先あと何本の作品が観られるか解らないから是が非でも目に焼き付けておにゃぁってぇことで張り切って観に行ってきた。
 
 止まったら最後の回遊魚のように休むことなく過酷な環境のなか働くも、パワハラ会社に何だかんだと搾取され、心身共にすり減らしながら家族のために働くリッキーの姿に啄木の 「 一握の砂 」 の一節 「 働けど働けどなおわが暮らし楽にならざり 」 が頭に浮かぶ。 あり難いことにオレはまだリッキーのように経済的に二進も三進も行かなくなったことも、成果主義一点張りの会社に心身共に追い詰められたこともないから、何を言ったところで説得力なんざあったもんじゃねぇけど、世界的潮流になっている格差社会、重労働低所得の労働者とその家族の姿は痛いほどにリアル。
 今まで映画を通じて英国やスコットランドだけではなく、世界の労働者や低所得者たちの届かない声を代弁し、少なからず希望を描いてきたのに本作の救いが見えないラストに今まで以上に社会に対する怒りと、いつ綻んでもおかしくない状態にあっても家族がいることの大事さ、救いになっているが今まで以上に強く感じられ、ケン・ローチ監督が引退を撤回してまで描きたかったのは徹底して描き続けてきたここだったんだなと。
 
 ケン・ローチ監督作品の売りのひとつでもあるサッカー小ネタは本作でも健在。
今回はマンU サポのリッキーとニューカッスルかどっかのサポのオッサンとの罵り合いで、その中でエリック・カントナを引き合い出してくるあたりは、過去作の 「 エリックを探して 」 に掛かっていて、徹底してリアルな作風の中にあってもサッカー小ネタとユーモアを忘れないところもスゴイというか可笑しいというか。

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コメント

こちらにも、こんばんは。
本作、ラストまで痺れる展開でしたね。
ダメダメ息子がラストで体ごと車を止める所はかなりじーんときました。
が、もっと胸を突いたのは、それでもバンを運転し続けるリッキーの姿でした。
つらい現実を描かせたら、ケン・ローチの右に出る監督はいないような気さえします。

コメント感謝です♪

あの息子も親父さんに反抗しながらも、心の底では心配していてとホントは素直なイイ子であったのが救いのない展開のなかにあって唯一の救いとなりました。それもこれも多少性格に難ありも、腐らずに家族のために責任を全うしようとする両親の姿を見てるからんでしょうね。
ホント、おっしゃる通りで労働者や失業者、果ては貧国からの移入者と社会的弱者の姿を描かせたらケン・ローチ監督の右に出るものはいねぇ!気がしますね。てかもぅ断言していちゃってイイと思いますぜ♪ (゚▽゚)v

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