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2019年12月22日 (日)

シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢

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 フランス
 ドラマ & 伝記 & アート
 監督 : ニルス・タヴェルニエ
 出演 : ジャック・ガンブラン
      レティシア・カスタ
      ベルナール・ル・コク
      フローレンス・トマシン
 
【 物語 】     ( シネマトゥデイ )
 フランス南東部の田舎町で、村から村へと郵便物を配達するシュヴァルはある日、愛する娘アリスのために宮殿を建てることを決意する。寡黙な男の奇想天外な挑戦を村人たちは笑うが、彼は黙々と石を運び、積み上げていく。
しかし、シュヴァルに過酷な運命が待ち受けていた。
 
 「 ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷 」 同様に実話レベルの奇妙な建造物の物語に大きく惹かれるはもちろんとして、オレの中で最も愛すべき映画となっている 「 クリクリのいた夏 」 以来実に20年ぶりに拝顔となるジャック・ガンブランの出演作という辺りにも大きく惹かれるものがありということで、張り切って観に行ってきた。
 
 何ら建築の知識もない郵便配達員が、アンコールワットをはじめとする世界の珍奇な建造物の絵葉書や新聞の写真からインスピレーションを得て、愛する娘のために33年という月日をかけて石を積み上げて築き上げた 「 シュヴァルの理想宮 」 というものを本作が公開されたことで、初めて知るところとなった。 サグラダ・ファミリアをはじめ先の 「 ウィンチェスターハウス 」 や 港区三田にある 「 蟻鱒鳶ル 」 とそれぞれ目的や目指すところは違うけれどもこれら全て 【 理想宮 】 ってぇことになるんっだろうね。
 それはそれとして、本作は宮殿造りどうこうというよりも彼を支えた奥さん、きっかけを与えた娘、一度は離れ離れになるも寄りを戻す息子、そして孫とシュヴァルその人と家族の愛の物語といったところ。
また、多くの人が白眼視するなかで、上司の郵便局長をはじめ多くの良き理解者を得られたこと、後にピカソをはじめとする創作を生業とする面々から賞賛を得、69年にはフランスの重要建造物に指定されと、彼の偉業に対しての結果を窺い知ることができ、「 目的を成すためには頑固であれ 」 の言葉の通り信念を貫く男として見える反面、時としてその信念が執念として映り、その姿に狂気すら感じられたこともあって、穏やかな晩年の姿にホッと一息つく思い。
感動を押し付けるのではなく、そっと静かに幕を下ろすラストも実にイイ。
 
 ウィキペディアで見るフェルディナン・シュヴァル氏の実際の姿と演じたジャック・ガンブランがメイクの効果もあるのかも知れないけれど思いほのかよく似ている。 ゴッホを演じたウィレム・デフォー、ジョーカー役のホアキン・フェニックス同様に精神の均衡をかろうじて保っている危うさや悲壮感、何より狂気すら感じさせるその演技はスゴイのひとこと。

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