永遠の門 ゴッホの見た未来
イギリス & フランス & アメリカ
ドラマ & 伝記 & アート
監督 : ジュリアン・シュナーベル
出演 : ウィレム・デフォー
ルパート・フレンド
マッツ・ミケルセン
マチュー・アマルリック
【 物語 】 ( シネマトゥデイ )
人付き合いができないフィンセント・ファン・ゴッホは、いつも孤独だった。
唯一才能を認め合ったゴーギャンとの共同生活も、ゴッホの行動により破たんしてしまう。
しかし、ゴッホは絵を描き続け、後に名画といわれる数々の作品を残す。
まぁ、本作の公開にあわせてのことだろうけど、先日の 「 ゴッホとヘレーネの森 クレラー・ミュラー美術館の至宝 」 、上野の森美術館で開催されている 「 ゴッホ展 」 と何かにつけてゴッホづいている今日この頃。
ゴッホに深く触れるにはこれ以上ないタイミングだし、何より19年のアカデミー主演男優賞にノミネートされたウィレム・デフォーの魂の演技を絶対的に観たくあったんで、張り切って観に行ってきた。
絵の才能には恵まれるも、画家としてもひとりの人間としても不遇のまま齢37歳という短い人生を送ったゴッホの晩年を言葉少なにただ淡々と綴ってあるだけに美術に興味のない人をはじめ、極めてフラットな作りが苦手な人にとっては苦痛かもしれない。
幸いなことにオレはそのどちらも大好物ということもあってかなり感慨深くあったし、ゴッホは自殺ではなく他殺であったの新説や、最近になってみつかった素描のスケッチブックの存在の出来事を取り入れてあるあたりは、知らないところでもあったので興味深い。
下半分が霞んでいるうえにブレの激しいカメラワークだけれども、そのすべてがゴッホ目線であることで、謳い文句とおりゴッホが見たもの感じたものを 「 追体験 」 するではあったけれども、自然や光の中に何を見ようとしたのか? その中にあるゴッホにしか見えない何かを他の人たちに伝え分かち合いたかったのか? は今のオレには残念ながら漠然としか解らず…その答えはきっとゴッホ自身にしか解らんのかも知れん…。
また、ゴッホと聖職者とが交わす会話、言葉のひとつひとつが胸を抉る。 その中で 「 後世の人たちを感動させられたらイイ 」 のセリフに現にそうなっていることを 喜ばずにはいられないし、ゴッホに教えてやりたい。
そんなワケで、上記で述べたようにこの作品のために立て続けにゴッホ関連に触れ、予備知識を詰め込んでおいたことで、ゴッホに対する理解度が深くあったようで、我ながらビックリするくらいにゴッホに感情移入してしまっていた。
ゴッホの自画像から抜け出て来たんじゃねぇか? と思えるくらいだったウィレム・デフォーの見た目もさることながら、その悲壮感や狂気の演技はもうスゴイのひとこと。
ゴッホの特徴でもある黄色や探し続けた光彩の映像もひとつの絵画を観ているようで美しかった。
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