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2019年8月10日 (土)

メランコリック

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 日本
 サスペンス & コメディ
 監督:田中征爾
 出演:皆川暢二
     磯崎義知
     吉田芽吹
     羽田真
 
【物語】     (シネマトゥデイ)
 名門大学を卒業したがさえない毎日を過ごしていた和彦は、ある夜偶然訪れた銭湯で高校の同級生・百合と再会する。
そこでアルバイトを始めた和彦は、その銭湯が営業を終えた後、風呂場を 「 人を殺す場所 」 として貸し出していることを知る。
そして同僚の松本は殺し屋だった。
 
 人を殺す場所として営業後の銭湯を連日貸し出している設定は普通に考えれば日常の中であり得ない出来事だけれども、白石和彌監督の「 凶悪 」のように、もし本当に有る話ならば知らなけりゃヨカッタの日常に潜むグレーな世界が、怖いながらも大きく惹かれるのと、作品の規模がかなり小ぶりでの公開だからこその期待ってぇことで、張り切って観に行ってきた。
 
 新時代における銭湯の新たな活用法を観た思い…というのは冗談として、勝手にもっとサスペンスチックなものと想像していたのだけれども、意外にもぬるいコメディの趣なうえに後半からは一気呵成にバイオレンスチックなバディものへと移行していき、最後は生きていく意味ってこういうことなのかもねで落としてはなかなかで、某映画レビューサイトで銭湯だけに 【 ぬるま湯 → 熱湯 → 丁度良い湯 】 とスゲェ巧い言葉で評していた方のいう通り、この辺のバランスも素晴らしく、期待を遥かに上回るオモシロいさ。
 東大卒もコミュ障のニートで、いつも鬱屈した表情をしている和彦をはじめ登場するキャラに当初はクセの強さを感じるものの、話しが進むにつれてそのクセの強さが霧消していて、いつの間にか感情移入していてとキャラ設定の巧さが光る。
取り分けて和彦の同僚の松本はピカイチの存在感。ネタバレになるけどプロの松本が自分の人生で初めて心を許したのが和彦というのが端々から伝わってきて観ていて気持ちがイイ。 また、和彦の両親の半端ない受け入れ感が微笑ましい。
そんなこんなで、スゲェ久々に砂の中からダイヤモンドの粒を見つけた気にさせてくれた作品。
 
 本作の舞台となっている 「 松の湯 」 がある千葉県浦安市猫実は高校からの友人が住んでることもあって、友人宅とその近くにあるプラモデル屋に行く途中に幾度となく目にしているお風呂屋さん。
調べてみると何でも営業してから100年以上の歴史を持つ老舗とのことで、秋になったら地元江戸川区の銭湯巡りを画策していることもあって、これも何かの縁なんで浦安まで足を延ばして、その友人といっしょに銭湯につかるのも一興かと。

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