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2019年4月20日 (土)

ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ

Hitler_versus_picasso
 イタリア&フランス&ドイツ
 ドキュメンタリー
 監督 : クラウディオ・ポリ
 出演 : トニ・セルヴィッロ
     
     
     
     
【物語】     (シネマトゥデイ)
 1933年に政権を掌握したナチスドイツはピカソ、ゴッホ、シャガールらの作品を退廃芸術だとして、純粋なアーリア人による写実的で古典主義的な作品をよしとした。青年時代に画家を目指していたヒトラーは故郷に美術館を建設する野望を抱き、フランスなど周辺国の美術館やユダヤ人の富裕層から名品の略奪を繰り返す。
 
 ドキュメンタリーの中でもスポーツ&犯罪とならんで美術系は好きなジャンル。画家や作品、美術館の舞台裏を紹介した作品ももちろん好きだけれども、取り分けて贋作や盗難&略奪と【美術と犯罪】の組み合わせにスゲェ興味がある。
本作は戦時中、ナチス・ドイツがヨーロッパ各地から略奪した膨大な芸術品の奪還活動の歴史を追ったものと、いっちゃん興味あるところなんで、期するところもスゲェ大きく是が非でも観たい作品だったんで、張り切って観に行ってきた。
 
 ヒトラーを筆頭に美術品略奪による争奪戦をはじめ、彼らに追随したお抱えの美術商の闇、行方知れずの美術品を追跡する人たちの姿と今に続く美術品略奪の顛末を追った本作はNHK特集程度のものであったけれども、興味ある題材ということも手伝ってオモシロく観ることができた。また、「ミケランジェロ・プロジェクト」や近々では「黄金のアデーレ 名画の帰還」と幾度となくナチスによる美術品略奪を描いた作品を観てきているにもかかわらず、美術と【犯罪】をひと括りにすることはあっても【戦争】や【政治】と絡めて捉えることが今の今まで薄かっただけに新しい視点が開けたといった感じ。
 「壁にを飾るためだけに描くのではなく、絵は盾にも矛にもなる、戦うための手段」と自身が画家を目指したにもかかわらず、芸術を文化歴史としてではなく権力の象徴として捉えてしまったヒトラーの行為に対してピカソが残した言葉の重みたるや。
にしても興味ある題材と言いながらも何ゆえ【政治と芸術】に目が行かなかった?と我ながら、情けなくもあれば反省の念も…。
 
 パウル・クレーやカンディンスキーにシャガールといった非ドイツ主義の画家や作品は【退廃芸術】とされナチスから弾圧された(オレとしてはカンディンスキーはかなり好きだけどなぁ)や、大好きな大贋作者ハン・ファン・メーヘレン(「私はフェルメール 20世紀最大の贋作事件」お薦め)によるゲーリング騙しのエピも紹介されていて、この辺の知識を運良くインプットしていたこともあってかなり興味深くオモシロく観ることができたんで、劇場に足を運ぶのであれば多少の前知識を詰めてから行ったほうがイイかと。
【美術と犯罪】であれば「消えたフェルメールを探して 絵画探偵ハロルド・スミス」や「「盗まれた世界の名画」美術館」「FBI美術捜査官―奪われた名画を追え」がお薦め!

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