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2019年4月 6日 (土)

希望の灯り

In_den_gangen
 ドイツ
 ドラマ&ロマンス
 監督 : トーマス・シュトゥーバー
 出演 : フランツ・ロゴフスキ
      ザンドラ・ヒュラー
      ペーター・クルト
      アンドレアス・ロイポルト
 
【物語】     (シネマトゥデイ)
旧東ドイツのライプチヒ。27歳の無口な青年クリスティアンは、スーパーマーケットの在庫管理係として働くことになる。
仕事を教えてくれるブルーノや魅力的な年上の女性のマリオンら職場の人たちは親切だったが節度があった。
   
 ヒトラー&ナチス関係以外のドイツ映画は、たぶん思い過ごしだとは思うけどなんかスゲェ久々の気がしてならない。
大好物の日常系ほっこりコメディのところへ持ってきて、18年のドイツ映画賞で主演男優賞受賞をはじめ他部門にノミネートの情報と予告編の簡素な映像にどことなく敬愛する映画監督のひとりであるアキ・カウリスマキ監督ぽさが感じられなくもということで、期するところが大きくあったんで張り切って観に行ってきた。
   
 冒頭の「青き美しきドナウ」のリズムに合わせてフォークリフトが巨大スーパー内を行きかうシーンは目をスタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」を彷彿させるものがあり、フォークリフトに対してこれほどまでにカッコイイとか美しいといった感情を抱かせられるとは思いもしなかった。
 それはそれとして、クリスティアンのロマンスと成長劇、その彼を指導し見守るブルーノをはじめとするベルリンの壁崩壊後の混乱期、取り分けて急激な時代の波に乗れず取り残されたスーパーで働く仲間たちそれぞれのドラマも味わい深く、その寂寥感漂う人生譚は先の「2001年宇宙の旅」じゃないけどこれまた宇宙といった趣の作品。
 全体的にくすんだ色調で統一されていて寂寥感のある物語にマッチしているのだけれども暗いというワケではなく、矛盾するけれどもどちらかといえば温かみが感じられたり、深夜のバス停とバスのヘッドライトとバスから溢れる灯りのコントラストは美しく本作は色彩と光彩に目を惹かれる。個人的にこの辺にこだわる監督さんは高く評価したい。
ただ、惜しむらくは内容のワリには思いのほか長尺のため、ラスト15分ほど全力でダレきってしまったのが…。
 
 ベルリンの壁崩壊から30年も経つのか…ついこの間のようだよ…全く歳もとるはずだぜ…。
ゴリゴリの共産時代の東ドイツがどれほど良かったのかは解らないけれど、当時を懐かしむブルーノの心情にプーチンの「ソ連を懐かしまない者には心が無い ソ連に戻りたがる者には頭が無い」の言葉を思い出した。なんであれ【心】なんだね。

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