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2019年2月10日 (日)

ちいさな独裁者

Der_hauptmann
 ドイツ&フランス&ポーランド
 サスペンス&戦争
 監督:ロベルト・シュヴェンケ
 出演:マックス・フーバッヒャー
     フレデリック・ラウ
     ミラン・ペシェル
     アレクサンダー・フェーリング


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 1945年4月。兵士の軍規違反が頻発するドイツで部隊から逃げてきたヘロルトは廃棄された車両の中で将校の軍服を見つけ、それを身に着け大尉に成り済ました彼は出会った兵士たちを次々と服従させて「へロルト親衛隊」のリーダーになる。
彼の振る舞いはエスカレートし、やがて大量殺りくに向かっていく。

 フェイクナチスものの「劇場版 幼女戦記」に対して本作はリアルナチスもの。
第2次大戦末期のナチス・ドイツで実際に起きた一兵卒による階級詐称事件と捕虜虐殺行為の出来事の顛末を描いたもので、今までにナチス関連作品をそれなりに観てきてはいるけど脱走兵や戦争犯罪を描いたものとなるとだし、何より実話という興味深く後学のためにもということで張り切って観に行ってきた。

 イギリスのミステリー作家のピーター・ラヴゼイの作品で死んだ兵士の軍服を盗んで身分を偽ってという短編があったけれど、戦争も末期になれば実際に生きて帰るために別階級や敵兵の軍服、普通の服を盗むなんてことはごくごく当たり前にあったことなんだろうね。そういうこともあって何となくその偽りに気づいている奴が出てきたりと何時バレのか?と実話とは言え思いのほかサスペンスチックな作り。
 盗んだ軍服の威を借りて権力者となり、その偽りの威を守るために嘘に嘘を重ね、同類嫌悪から脱走兵への暴虐劇は根底に生きたいという誰しもが願う想いがあったとしても許されるものではなく胸クソが悪く、偽りの威がここまで人を変えるのか?と。
またヘロルトに無条件で盲従する者もいれば、ニセ者と知りながらも生き残れもすれば美味い汁も吸えるからと追従する者といった取り巻き連中の集団心理状態、嘘や虐殺が生きるために仕方なくではなく何時しかレクリエーションに変わっている異常さがとても怖い。 ただ収容所以降のエピが長く感じられたのが残念。

 毎度毎度こういうことを言っちゃ~いけねぇのは重々承知してるんだけど、やっぱり好きだから言わずにはいられない。
ヘロルトが乗るメルセデスベンツG4スタッフカーをはじめキューベルワーゲン、「劇場版 幼女戦記」に登場した大好きなユンカースJu52輸送機とナチスの軍用輸送車輛&機のカッコよさたるや。またプラモ再開すっかなぁ。

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コメント

こんばんは。
本作、最初の内はヘロルトの身分がいつバレるのか、とハラハラしていたのですが、彼の残虐性がむき出しになるにつれそんな気持ちは全く薄れ、戦時下の狂乱の中で起こる人心の変貌に恐ろしさを感じました。
残酷な描写も多かったですが、むやみに権威に追随しないことの大切さを教えてくれる作品なのではないかと思います。

コメント感謝です♪

21歳であれだけの機転の速さと言葉の巧さで危機を切り抜けるあたりは元々の人間性もあるんでしょうけどスゲェなと感服でした。
その反面、あの苛烈な残虐性も若さゆえのもので、もっと分別のできる年齢だったらあそこまではいあかなかったかもとです。
終盤で収容所が襲撃を受けるシーンは本来笑うところではないんですが唐突に副官が飛び散りは思わず笑ってしまいました♪
 (゚▽゚)v

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1945年4月。 第二次世界大戦末期のドイツ。 部隊を命からがら脱走した兵士ヴィリー・ヘロルトは、道端に乗り捨てられた軍用車両の中にナチス将校の軍服を発見し、寒さをしのぐためそれを着用した。 通りすがりの兵士から「お供させてください」と言われ、そのまま大尉に成りすました彼は、架空の任務をでっち上げ部下を増やしてゆく…。 実話から生まれた戦争ドラマ。... [続きを読む]

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