迫り来る嵐
中国
サスペンス & ドラマ&犯罪
監督 : ドン・ユエ
出演 : ドアン・イーホン
ジャン・イーイェン
トゥ・ユアン
チェン・ウェイ
【 物語 】 ( シネマトゥデイ )
例年、新年早々から目立った大きな作品の公開がないこともあってか、その年の映画初めは単館系の劇場に足を運ぶことが多く、どういうワケかここ数年は取り分けて中国語圏の作品が続いている。
上記を踏まえて本作は去年だかの東京国際映画祭で主演男優賞等を受賞し何かと評価も高くある中国語圏のサスペンス作品となれば、今シーズンの一発目に相応しいということで張り切って観に行ってきた。
物語りの雰囲気は 「 殺人の追憶 」 、中国の片田舎の隠滅とした空気感は 「 薄氷の殺人 」 と正に宣伝文句の言う通りで、信じる正義と自身に対する過大評価から殺人事件の捜査にのめり込んでいき、暴走そして強い思い込みから狂気へと突き進んで行ってしまった主人公ユィの複雑な心理描写が90年代後半に経済発展にともない変革期を迎えた中国と取り残されていく人たちの姿とリンクするものがあって思いのほかリアルでオモシロくあった。
終始降りしきる雨、それによる隠滅とした空気感は 「 セブン 」 を製鉄所&操車場での追走劇は 「 ブレックレイン 」 を想起させられ、またサスペンスも奇を衒わず直球の真っ向勝負で松本清張作品の重厚さと静謐さをといろいろ感じられたあたりも高印象。
ただ謎というか…理解できなかったのがユィが勤めていた90年代の工場での出来事をその10年後に出会った工場の管理人のじぃさんに全否定されたところで 「 コレどういうこと? 」 とここだけいまいち掴み切れずにいる…妄想癖あり?
なんにせよ今シーズン初打席で本塁打…う~ん、三塁打で上々のすべり出し♪
ユィ役のドアン・イーホンがすっげぇイイ! ルックスは当たり前なんだけど何だろう全体の雰囲気もイイしでとにかく強く惹かれるものがある。おそらくこれから人気でる俳優さんであろうからドン・ユエ監督ともども気に留めておこうと思う。
ジャン・イーイェンも美人さんだった以上に細いワリには巨乳だったあたりに目が行ってしまった…なんだか最近こういうところしか見てないような気がする…。
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こんにちは。
風情さんと同様、私もここ数年中華圏の作品で年始めを迎えることが多かったのですが、本作は一昨年の東京国際映画祭で鑑賞したので、今年は洋画で幕開けとなりそうです。
本作の素晴らしい点は、激動の時代に翻弄される人間ドラマとサスペンスを上手く絡めていたところだと思います。
大勢の中の歯車のひとつに過ぎなかった余が哀れでなりませんでした。
投稿: ここなつ | 2019年1月 7日 (月) 14時29分
コメント感謝です♪
最近のハリウッド系は以前のように娯楽大作だから必ずしもオモシロいってぇ感じじゃなくどちらかと言えばその逆で「またこんな感じ…」でハズレを引く確率高しですからねぇ~。
そのシーズンの映画初めはハズレは引きたくないから自ずと安牌というか安定の中国語圏の作品を選ぶ傾向になってしまった感じです。
転換期の中国の地方都市の空気感や翻弄される人間ドラマはサスペンス以上に見応えがありました。
気が早いですが今シーズンのベストに入ってくることは確実かなぁと…r(^^;)
投稿: 風情☭ | 2019年1月10日 (木) 12時54分
風情♪さん、こんにちは。
雨合羽姿の主人公は先日観たシャマラン監督のブルース・ウィリスと
重なりました。(笑)
あの10年後の工場での真実は驚きでしたね。
考えてみればその後彼は首切りにあっていますし
(あの時点では探偵ごっこに夢中になりすぎて仕事がおろそかになったのねーと
思っていたのですが)そうなるとやっぱりかなりの誇大妄想だったのか??
恋人が美容院を営む「小香港」という地域も哀愁が漂っていました。
ちょっと流行に乗ったあの辺りでは洒落た地域だったのでしょうね。
投稿: sabunori | 2019年1月21日 (月) 09時54分
コメント感謝です♪
「ミスター・ガラス」を観る前だったんで、ボクは雨合羽を観てスティーヴン・キングの「デッドゾーン」と「IT」と重なりましたよ。
最後のオチはベタと言っちゃえばベタなのかもですけど、とにもかくにも伏線回収が巧くあったし、モヤモヤ感も残るけどあの妄想的な終わり方も作品に合っていて好きです。
本作を観て北欧サスペンスと中国本土サスペンスは当分の間はイケるんあじゃねぇかと確信に近いものを感じました♪ (゚▽゚)v
投稿: 風情☭ | 2019年1月24日 (木) 16時48分