運命は踊る
イスラエル&ドイツ&フランス&スイス
ドラマ&ミステリー
監督:サミュエル・マオズ
出演:リオル・アシュケナージ
サラ・アドラー
ヨナタン・シライ
シラ・ハース
【物語】 (シネマトゥデイ)
ミハエルとダフナの夫婦は、家を訪ねてきた軍の役人から、息子のヨナタンが戦死したと知らされる。
ダフナは悲しみと衝撃で気を失い、ミハエルはショックを隠しつつも役人の対応に不満を募らせるが、やがて戦死が間違いだったことが判明しダフナは胸をなで下ろすもミハエルは憤慨して役人に息子を帰すように迫る。
一方のヨナタンは、戦場の検問所で仲間の兵士と怠惰な時間を過ごしていた。
「イスラエルにとって有害な映画、政府の映画基金から製作費を与えられうべきではない…云々」と政府から叩かれるも大ヒットし、イスラエルのアカデミー賞とされるオフィール賞で最多8部門受賞、そして17年のヴェネチア国際映画祭で【審査員大賞】受賞と欧州で高い評価を受けたの情報に大きく惹かれたんで張り切って観に行ってきた。
本作は不測の出来事、因果応報といった時として逃れることのできない運命の不条理さの皮肉であって、どの辺りを「イスラエルにとって有害な映画」として捉えたのか解らなくはないけれども、そこをどうこう言ってるワケじゃねぇんだから取り立てて目くじらを立てるほどは無ぇんじゃねぇかと…それはそれとして終盤での意外性のある伏線や原題の「フォックストロット」もいわゆるボックスステップで運命は繰り返されるの暗喩となっているあたりはガツン来るものや響くものは大きくはないけれど見応えのある作品であったことに間違いはない。ただ、その時の感情でワンコに八つ当たりして蹴り飛ばすのは不快の極み!
中盤の息子が赴任する荒野の検問所のエピは前半の重いものから一変してユル~いもので、どことなく近未来的な空気感は「セイント・クララ」、銃を抱えて踊り出すシーンも「戦場でワルツを」を彷彿させられ、同じイスラエルのアリ・フォルマン監督の影響を少なからず受けているのかなぁとも。
ヨナタンが描くイラストをはじめ部屋に飾ってある絵画等が目に付き思いのほかアートな作品。
奥さんのダフナ役のサラ・アドラーなる女優さんのフィルモグラフィーを見ていたら08年公開の「ジェリーフィッシュ」という作品に出演しているとのこと。ただ、この作品を観た記憶があるような無いようなで今ものスゴくモヤモヤしてしょうがない。
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