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2018年8月18日 (土)

大人のためのグリム童話 手をなくした少女

La_jeune_fille_sans_mains
 フランス
 アニメ&ドラマ&ファンタジー&アート
 監督:セバスチャン・ロデンバック
 出演:(声の出演)
     アナイス・ドゥムースティエ
     ジェレミー・エルカイム
     フィリップ・ロダンバッシュ


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 悪魔にだまされた父親は黄金と引き替えに大事な娘を渡すという契約をしてしまう。
娘は何とか命をつなぐものの父親に両腕を切断され、家を飛び出して放浪の身となり、彼女は精霊に守られながら旅を続け、ある国の王子にプロポーズされる。

 時代だから仕方のねぇところなのも承知してるし、ましてや否定してるワケでもねぇ、だけれども正直なところピクサーをはじめとする昨今の3Dアニメがいまひとつ好きではない。そんななか作品の作画すべてを監督ひとりで描きあげられた本作が公開。
なんでも「この世界の片隅に」の片渕須直氏も絶賛し世界でも高評価を得ているらしく、また題材の「本当は怖いグリム童話」にも大きく惹かれたんで張り切って観に行ってきた。

 本作の作画は高畑勲監督の「かぐや姫の物語」流れを汲みつつ、素描もしくは【水墨画】のような繊細さと荒々しさが混在する筆致は「ベルヴィルランデブー」や「スーサイドショップ」といった独特の世界観とクセのある作画が特徴の印象が強くあるフランス産アニメの中にあってひと際異彩をはなつものがあって、先述の2作品以上に強く惹きつけて離さず素晴らしいのひとこと。
 グリム童話というとまず大好きな「ブレーメンの音楽隊」を筆頭に「赤ずきんちゃん」等が思い浮かぶけど「手なしむすめ」というタイトルは初めて耳にする。そんなワケだからオリジナルがどんな感じなのか全くもって解らんけれども、観る限りでは強欲で弱い父に抗い、悪魔さえ手を出せず諦めるほど清廉で強い心をもった娘の成長譚といったところ。か弱い少女が出産を経て母となり子を守り、選択するに女性の強さや自立といったものが感じられた。

 正直なところ前作を観ていることとデジタルとアナログそれぞれの良さの確認をしたくもあったんで「インクレディブル・ファミリー」と併せて観ようかと思ったけれども、例え負けず劣らず素晴らしい出来だったとしても本作の感動を薄めたくはないんで思い切ってスルーすることに決定。
異能力バトルや萌え要素が強い日本のアニメも、これはこれで間違いなく大好きだけれどもそればかりっていうのもね…本作のような原点回帰とまでいかないまでもそうだねぇ「温故知新」的なチャンレジをした作品ってぇのも必要かも知れねぇなぁと。

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