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2018年4月21日 (土)

心と体と

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 ハンガリー
 ドラマ&ロマンス&ファンタジー
 監督:イルディコー・エニェディ
 出演:アレクサンドラ・ボルベーイ
     ゲーザ・モルチャーニ
     レーカ・テンキ
     エルヴィンン・ナジ


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 ブダペスト郊外にある食肉処理場の代理職員マーリアは、人とのコミュニケーションが苦手で、同僚たちになじめずにいた。
そんな彼女を、片手が不自由な上司エンドレが気遣うが、うまくいかない。
ある日、牛用の交尾薬を盗んだ犯人を捜しだすために、従業員全員が精神分析医のカウンセリングを受けることになる。
それを機に、マーリアとエンドレが同じ夢を見ていて、その世界で鹿として交流していたことがわかる。

 「心と体と」のタイトルと夢の共有という設定に心理学を感じさせ、きっと難解で睡魔との戦いになることは目に見えているも本作は17年のベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したうえに今年のアカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされたとあっては劇場に足を運ぶ価値は十分以上にあるであろうってぇことで張り切って観に行ってきた。

 先に述べたように心理学、さらに突っ込めば哲学、スピリチュアルな物語できっと難解であろうの先入観と、冒頭での舞台となる精肉処理場での屠殺シーンの異様な緊張感に気持ち構え気味で観ていたのだけれども、これが大違いでリアルさとファンタジーが混在し、幾度となくフフッ♪ととさせられるアキ・カウリスマキ監督作品風味のロマコメの趣だったをことに驚き。
終盤やや飽きを覚えたりで、世間の評価ほどに心を掴まれることはなかったけれども老境のオッサンとコミュニケーション障害の女性のふたりの関係が恋に発展するまでを時間をかけて淡々と描いたあたりは好感がもてる。
 夢の中に出てくる冬の森にいるふたりの分身である2頭の鹿の映像の幻想的な美しさに対して、屠場で死を待つばかりの牛たちの何とも言えない目の(観ていてかなりキツい)現実感の対比はかなりのもの。また 窓から差し込む陽の光や幾度となく映し出される天井から吊り下がるランプシェードなんかは女性監督らしく温かみや可愛さというものが感じられた。

 例年ならば年に1本公開されれば御の字といった感だったハンガリー映画だけれども経済成長にともなう好景気を象徴するかのように先日の「ジュピターズ・ムーン」と今年に入って早くも2本目が公開。ハンガリーは初めて足を踏み入れた欧州の地ということもあってなにかと思い入れが強いこともあって実によろこばしい。

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