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2018年2月10日 (土)

羊の木

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 日本
 ミステリー&ドラマ
 監督:吉田大八
 出演:錦戸亮
     木村文乃
     北村一輝
     松田龍平


                                                                                      【物語】     (シネマトゥデイ)
 刑期を終えた元受刑者を自治体が受け入れる新仮釈放制度により、閑散とした港町・魚深市に男女6人が移住してくる。
市役所職員の月末一は彼らの受け入れ担当を命じられるが、移住者たちの過去を住民たちに知られてはならないという決まりがあった。やがて、全員に殺人歴がある犯罪者を受け入れた町と人々の日常に、少しずつ狂いが生じていき…。

 基本的にジャニーズに属する俳優さんは得意ではないのだけれども、これがナゼ(おそらく嫌味のない男前ってところがなのかもね)かタッキーと本作の主役である錦戸クンだけは大好き。
それはそれとして、個人的にここ数年の邦画のミステリー&サスペンス作品は連敗続きときてるんで今回もまたの一抹の不安はあるものの物語もキャスティングもかなり魅力的ということで、張り切って観に行ってきた。

 原作は未読。不穏な空気が漂う中、元殺人犯という過去を持つ普通でない6人が更生プログラムを通じて過去からは逃れられないながらも普通であろうと努力する6人それぞれの過去と今への向き合った生き方、後にそんな彼らの素性を知っても彼らの内にある【善性】を感じ、信じて受け入れた人たちとの関係の人間ドラマはしっかりと描かれていたように思えて見応えがあった。
取り分けて図らずも集うこととなったのろろ祭の酒席での荒れ模様と、悪人は悪人でしかないと思わされるエピの緊張感は半端ないうえに心胆寒からしめるものがあってとてもヨカッタ。
 「のろろ様」の由縁は申し分なしもまるで半魚人のような見た目(まぁタコを神様と崇めてるところはこのような見た目も無くもないんだろうけど)と岬にあるそののろろ様の巨像にリアリティが感じられず…奇をてらわずに普通になまはげのような鬼のようなものでも十分にヨカッタ気がするし、何よりラストのエピにはかなり「えぇ…。」とさせられるものが。
細かいこというとのろろ様の首をサルベージするシーンの場所が落ちたところと港内と違ってるのもどうかと…。

 錦戸クンは「県庁おもてなし課」でもそうだったけど役所勤め、晩熟の好青年、いわゆる【THE 普通】の役どころがよく似合ううえに巧い。また6人のなかでひとりだけ最初からう違うオーラを放つ松田龍平、北村一輝のチンピラ風情に田中泯の重厚さとそれぞれさすが。その反面、たまには違った役柄の松田龍平と市川実日子が観たくあるのも本音。

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コメント

風情さん☆
さすがに崖から引きずりあげるのは物理的に無理とは言え、明るくなると場所が港になってたのは興ざめでしたよね。
原作が漫画だけに、ちょっとラストも4コマ的になってました(笑)

風情さん、こんにちは。
毎度のことながら松田龍平のつかみどころのなさが不気味さを醸し出していました。
いつも同じような役柄とはいえあの独特の空気感はやはりすごいなぁと。
6人以外も役者陣が良かったですね。
特にクリーニング店の女主人役の安藤玉恵はいつもながら安定のうまさでしたー。

のろろ様のラストのエピソードは確かに「あららーっ」でしたね。(笑)

コメント感謝です♪

ノルウェーまだ~む様
崖下はかなり常に荒れ模様の感じなんでサルベージするにも難があるだけにその辺は解らんでもねいのですが、いきなり港内でとなるとさすがにです。まぁ普通にそこまで牽引してきたとしか考えるしかないですね。
生死不明だからこそオモシロいのは重々承知も今思うと引き上げたのろろ様の口からズルっと宮腰の死体が出てくるのもそれはそれでオモシロくもあるかなぁと…そうなると完璧にギャグマンガですけどね…r(^^;)


sabunori様
ホント、松田龍平の掴みどころのない不気味なオーラは彼独特のですよね。
そういう意味では北村一輝のチンピラ風情もさすがだなです。
言われてみれば殺人犯6人に目が行きがちだけど、彼らを受け入れた町の人たちの存在も忘れちゃですね。安藤玉恵なんか思いのほかツンデレだったし♪ (゚▽゚)v

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