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2017年9月30日 (土)

笑う故郷

Ecii
 アルゼンチン&スペイン
 コメディ&ドラマ
 監督:マリアノ・コーン&ガストン・ドゥプラット
 出演:オスカル・マルティネス
     ダディ・ブリエバ
     アンドレア・フリヘリオ
     ノラ・ナバス


                                                                                  【物語】     (シネマトゥデイ)
スペインを拠点に活躍するアルゼンチン人作家ダニエル・マントバーニは、ノーベル文学賞を受賞する。
その後5年間、彼は新作を発表することもなくバルセロナの豪邸に引きこもっていた。
ある日、彼は自分の故郷であるアルゼンチンのサラスという町から、名誉市民の称号を贈りたいという手紙を受け取る。

 単館系の作品を積極的に観るようになってからだいぶ経ち、いろいろな劇場に足を運び同時にそれなりの経験値も積んできたという自負があり、ましてやコアな映画ファンが集うってぇワケでもねぇにもかかわらず、その作品選びと格式の高さから未だ気おくれを感じてしまう単館系の老舗の岩波ホール。普段ならばシリアスな作品が多いその岩波ホールで珍しくほっこり感漂うコメディ作品に興味を惹かれ、コアな映画通を気取って張り切って観に行ってきた。

 ノーベル文学賞を受賞した作家が捨てたはずの故郷に40年ぶりに帰郷し、幼馴染と旧交を温めたりと地元の英雄(名誉市民)として当初はチヤホヤされるも、ダニエルの傲慢な性格と表現者としての高い矜持に次第に閉鎖的な考え方と妬み嫉みが絡んで地元の人たちのあいだに居心地の悪い空気が漂いはじめ、終盤は意外にもサスペンスな展開になり、そして最後の主人公の不敵な笑み…と、ほっこりどころかかなりシニカルでアイロニカルなブラックな作品でパンチの効いたオモシロイ作品だった。
 額面通りに受け取れもするれば、ラストで帰郷での出来事を綴った新作の発表のときに見せた主人公の笑いの意味は?といろいろ考えるにそのうちの一つの考えとして、もしかしたら小説の内容を語っただけとも受け取れなくとも…。
普段ならばこのようなモヤモヤは気持ちのワルいところなんだけど、本作に限っては後者なら後者でそれもアリだなぁと。
また、2人の監督さん自身が撮影も兼ねているようで、舞台となる町に住む一般の人たちが多く映っていることで随所でドキュメンタリーを観ているような感覚になり演出の妙、映像の妙を楽しませてもらった感じ。

 おそらく市庁舎だったと思うんだけれども、壁にファン・ペロン大統領とエバ・ペロンの肖像画が飾ってあり、その2人とならんでマラドーナ(最近ではそこにメッシが加わるみたいだ)も英雄、省庁として今もって敬われているのが知れた。
ホント、アルゼンチン人って【何かにつけてマラドーナ】の気がするわ。

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