ロスト・イン・パリ
フランス&ベルギー
コメディ
監督:ドミニク・アベル
出演:フィオナ・ゴードン
ドミニク・アベル
エマニュエル・リヴァ
ピエール・リシャール
【物語】 (シネマトゥデイ)
司書として働くフィオナは、カナダの小さな村で代わり映えのない毎日を過ごしていた。
ある日、パリ在住のおばマーサから助けてほしいという内容の手紙が届き、気の小さい彼女は自身を鼓舞してパリに向かう。
フィオナは、無事パリに到着したもののマーサの姿はなく、セーヌ川に落ちて所持品をなくしてしまい…。
パントマイムの道化師夫妻による監督主演ということもあって、パントマイムの要素を取り込んだロマコメはおそらくチャップリン的なものになるでろうけど、それを現代風にアレンジしたら一体どんな感じになるのだろうか?と大きく惹かれるものがあったので、張り切って観に行ってきた。
冒頭の吹雪くカナダの田舎の村と図書館のポップで箱庭、絵本的な映像は敬愛するウェス・アンダーソン監督を彷彿させ出だしは上々、パリの街を舞台に繰り広げられるポップなロマンス冒険譚もこれまた敬愛するジャン・ピエール・ジュネ監督の「アメリ」といった趣があり、コミカルでオモシロくあって嫌う要素は何ひとつとして無いにもかかわらず、いちばん興味のあったパントマイム要素の【独特の間】にうまく馴染めず、何となく座り心地の悪さを…。
自作自演だから仕方のねぇところなんだけど、ポップ感あふれるロマンスを繰り広げる2人が初老にちかい中年で、男性側が厚顔無恥の気があるホームレスというところもあざと過ぎてと…これが普通に20代前半の若者ならばまた違ったのかもだけど、それはそれでオモシロ味に欠けるってぇやつだしね。
それでも馴染めなかったパントマイムの独特の間で魅せたダンスシーンはかなり見応えがあったし、ラストのエッフェル塔での冒険譚はCG感が半端なかったけど、まるでお伽話のようにロマンチックなムード満点で、ここだけは観ていて心地がヨカッタ。
そんなこんなでオモシロいし決してキライな作風じゃあねぇけど何かダメという残念な結果となった。
フィオナ・ゴードン&ドミニク・アベル夫妻の存在をはじめて知ったのだけれど、どことなく敬愛するアキ・カウリスマキ監督作品の常連俳優のカティ・オウティネンとマッティ・ペロンパーに似てなくも。そうやって観れば急に2人に興味がわかなくもなんで、機会があれば「ルンバ!」「アイスバーグ!」の監督主演作を観てみようかなと。
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ネタばれあり。
なるほどね。
何といっても、その舞台周りがとってもシュール。たぶん、確かに、パリでロケはしていると思うんですが、もう一つの舞台(?)であるはずのカナダはセット?カナダのシーンは、その表現も含めてとってもシュール。ほかの映画作品で、ああ言う...... [続きを読む]
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