ウィッチ
アメリカ
ホラー
監督:ロバート・エガース
出演:アニヤ・テイラー=ジョイ
ラルフ・アイネソン
ケイト・ディッキー
ハービー・スクリムショウ
【物語】 (シネマトゥデイ)
1630年のアメリカ・ニューイングランド。信仰心のあついキリスト教徒の一家が村外れの森の近くに移り住んでくる。
ある日、生後間もない赤ん坊が突如姿を消す。一家に不穏な空気が流れる中、父ウィリアムは、まな娘のトマシンが魔女ではないかと疑い…。
今年に入って個人的に目ぼしいホラー作品が見当たらなかったところにあって「スプリット」に出演していてチョイ気になる存在となったアニャ・テイラー=ジョイ主演の古典ホラーの趣に触手が反応。なによりクーラーの利いた劇場で物理的な涼はもちろんとして、ホラー作品でも観て精神的に内側から涼しくなるのも暑さ対策の一環ということで張り切って観に行ってきた。
魔女や狼にまつわる民間伝承を織り交ぜながら良くいえば敬虔、悪くいえば盲信による教義的視野から生じる疑念と神に祈るも救いを得られず瓦解していく皮肉なプロセスと宗教観、観てる側にストレスをあたえる集団ヒステリーの演出は派手なビビらせ演出はほぼ皆無ながらも静謐で暗いトーンの空気と相まって思った以上にズシンとくる怖さが。
家族から魔女の疑いをかけられ追い詰められた主人公の少女トマシンがその苦しみから逃れるため、そしてトマシンに性的な魅力を感じていいなくもない弟を森の中で弟を誘惑した魔女らしき女性は実はトマシンであったと「パンズラビリンス」のように自分が作り上げた世界の住人といったものとして観ていたんだけど、ラストに出てくる森に潜む女性たちの姿を観るとやっぱり魔女は実在し、トマシンを心身ともに捕えたのであったのかなぁと思えたり思えなかったりで、概ね高評価ながらもどう捉えてイイのかよくわかってないのが正直なところ…それでもこういう【静】の恐怖はかなり好き。
暗いトーン、黒ヤギと対をなすかのように主人公トマシン役のアニヤ・テイラー=ジョイの衣装と肌の効果も手伝って白い存在感が抜群にヨカッタし、先日の「スプリット」より2年前の作品ということもあって、まだ幼さがあって「スプリット」と比べると断然本作の方がカワイイ。終始不快の原因をつくる幼い双子の存在はなかなか。
« パワーレンジャー | トップページ | ザ・マミー / 呪われた砂漠の王女 »
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: ウィッチ:
» 「ウィッチ」:堂々たる主役のアニヤ [大江戸時夫の東京温度]
映画『ウィッチ』は、あのシャマランの『スプリット』で主演してたアニヤ・テイラー= [続きを読む]
風情♪さん、こんにちは★
>観てる側にストレスをあたえる集団ヒステリーの演出
まさにその通りでした!
特に母親と双子の存在感がすごくてストレスたまりましたわー。
家族が崩壊へと向かっていく過程はぐいぐい引き込まれました。
が、ラストの展開には少々戸惑ってしまいました。
投稿: sabunori | 2017年8月13日 (日) 22時16分
コメント感謝です♪
そうなんですよね…集団ヒステリーの演出でイライラさせられたあたり
なんかはなかなか秀逸だったし、民間伝承をモチーフにした怪奇譚なん
かは、好みだったりもするんですけど、ラストをふくめ主人公の脳内物
語りなのか?否か?がよくつかめずで良くはあったんだけど…でした。
r(^^;)
投稿: 風情☭ | 2017年8月17日 (木) 17時36分