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2017年7月 9日 (日)

ヒトラーへの285枚の葉書

Lone_in_berlin
 ドイツ&フランス&イギリス
 ドラマ&戦争&サスペンス
 監督:ヴァンサン・ペレーズ
 出演:エマ・トンプソン
     ブレンダン・グリーソン
     ダニエル・ブリュール
     ミカエル・パーシュブラント


【物語】     (シネマトゥデイ)
 1940年6月、フランスがドイツに屈して間もなく、ベルリンで慎ましい生活を送るオットーとアンナ夫妻は一通の書状を受け取る。それは愛する一人息子ハンスの戦死の知らせで、二人は悲しみに暮れる。その後ペンを執ったオットーは、アドルフ・ヒトラー総統を非難する内容の文章をしたため…。

 シリアスからコメディと多角多面の目線で描かれるドイツ産のヒトラーおよびナチスものはどれも勉強にもなれば、感慨深くもあり、そして何よりオモシロくどれも秀作揃いなんで本作もきっとそうであるはずの期待と、ご贔屓の女優さんなれどオレの趣味と合わないことが多くなかなか出演作を観る機会に恵まれないでいるエマ・トンプソン女史の主演作とあって公開を楽しみにしていた作品なんで張り切って観に行ってきた。

 それまでナチスを支持するも息子が戦死を機に反ナチスに転じ、ナチスやヒトラーを批判するメッセージを綴った葉書を街中に置くといったドイツ人夫婦の抵抗活動は「白バラの祈り」のゾフィー・ショルのように大きなものでも「ヒトラー暗殺、13分の誤算」のゲオルク・エルザーのように強硬手段に出たものでもなく、とても地味で小さなものであったけれども、上記の2人にも勝るとも劣らないその反骨精神と、捕まることを恐れながらもすでに死を覚悟して活動する夫唱婦随の絆は胸に大きく響く。
 285枚の葉書が街中に置かれ、捕まるのが怖くて届け出られたのを含めゲシュタポが回収できたのは267枚とのこと。残りの18枚は人知れず捨てられたのかもだけど、ふたりに共感する人たちに拾われた、少なからず影響を受けることとなった人たちの手にと思いたいし、当時ドイツ国民の誰しもがヒトラー、ナチス政権を迎合したなかにあって、間違っていると声を上げた市井の人々がいたことを綴った本作の存在はヒトラーは当たり前として最近では「アイヒマン・ショー」「アイヒマンを追え!」等でホロコースに関与したアドルフ・アイヒマン以上に今まで知り得なかった出来事だったりするんでこういう作品は大いにありがたい。
 そにれ付随して捜査官としての矜持と自身の正義感と置かれている立場に戸惑い、自身の行動に苦悩する抗議文事件の犯人逮捕捜査をするゲシュタポのエッシャリヒ警部のエピソードをはじめ、ユダヤ人の老女を匿う老判事、密告者、体裁を繕うためにでっち上げられた犠牲者、とナチス政権下における恐怖政治、戦争に巻き込まれた市井の人々それぞれのエピソードも感慨深く素晴らしかった。

 ご贔屓のエマ・トンプソン女史、そしてブレンダン・グリーソンのムリに若作りしない年相応の役柄を静謐で重厚感ある演技はかなり見応えあり。もう今更だけどエマ女史は元旦那のケネス・ブラナーもご贔屓だし、才能あるふたりだったから離婚したときはホント残念だったなぁ…。エッシャリヒ警部役のダニエル・ブリュールの揺れる心のうちに憔悴気味になっていく後半の演技での存在感は上記のふたりに勝るとも劣らない。

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コメント

こんにちは。
この作品、静かな中にも見応えがある作品でした。
が…。私、ダニエル・ブリュールがラストにとった行動の意味がイマイチ判らず…。終末を迎えつつある自国ドイツに対する絶望なのか、諦念なのか…。

コメント感謝です♪

ドイツに限らずみんなそろって間違った方向に向かう風潮の中にあって、決して大きくはないけど
間違っているものは間違っていると抵抗する人たちの姿勢に胸を熱くさせられるんで、この手の
作品は大好物ですし、演技派のベテラン俳優も観れて大満足でした♪ (゚▽゚)v

まぁエッシャリヒの最後の行動は自分の信じた正義はもはやそこには無かったというか、間違って
いたことに対する失望や諦観じゃないでしょうか。
うまく言えねぇんですけど、犯罪ではなくただ都合の悪い人物を狩るだけになってしまったみたいな…。

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» ヒトラーへの285枚の葉書 [象のロケット]
1940年、ナチス政権下のドイツの首都ベルリン。 軍需工場に勤める夫オットー・クヴァンゲルと、ナチ党女性同盟の募金活動をしている妻アンナに、最愛のひとり息子ハンスが戦死したという知らせが届く。 オットーは、政権への怒りのメッセージを記した葉書を公共の場所に置き始め、アンナもそれを手伝うことに。 そんな彼らに、秘密警察ゲシュタポの捜査が迫っていた…。 実話から生まれた戦争ヒューマンドラマ。 ≪「総統は私の息子を殺した。 あなたの息子も殺されるだろう。」≫... [続きを読む]

» 映画:ヒトラーへの285枚の葉書 息子を戦争で失った夫婦の静かな抵抗活動。 [日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~]
フランスがドイツに降伏し、勝利に沸き立っていた1940年のドイツ、首都ベルリン。 そんな時代に、ある夫婦がささやかながらも、当局にとっては許しがたい抵抗活動を始める。 街の目に付くような場所に、反戦メッセージを書いたポストカードを一枚ずつ置いていく2人。 演じるのは名優エマ・トンプソン(写真:左)と、ブレンダン・グリーソン(写真:右 グリーンルーム他) こうしてタイトルの通り、285回にわたって活動。 だが当然のように警察の捜査が開始され、危険度が上昇していく。 ... [続きを読む]

» ヒトラーへの285枚の葉書 [風に吹かれて]
平和ではなく暴力が支配する世界になる 公式サイト http://hitler-hagaki-movie.com 実話を基にした映画 原作: ベルリンに一人死す (ハンス・ファラダ著/みすず書房)監督: [続きを読む]

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