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2017年4月 2日 (日)

はじまりへの旅

Ea079bb2s
 アメリカ
 ドラマ
 監督:マット・ロス
 出演:ヴィゴ・モーテンセン
     フランク・ランジェラ
     キャスリン・ハーン
     スティーヴ・ザーン


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 アメリカ北西部の森の奥深くで、6人の子供と暮らしているベン・キャッシュ。子供たちは社会と接点を持っていないが、厳格なベンが課す特訓と熱心な教育によって全員がスポーツ選手並みの体力を誇り、6か国語を自在に話し、長男に至ってはあらゆる名門大学に合格していた。
そんな中、入院していた子供たちの母レスリーが他界し、一家は葬儀が行われるニューメキシコへ向けて旅に出ることに。およそ2,400キロメートルもの長い道のりを行く彼らだが、世間知らずゆえに先々で騒動を起こしてしまう。

 「リトル・ミス・サンシャイン」のように世間からズレてる家族によるロードムービーが好きなことと、興味がないとはいえ、16年コアカデミー賞のほかにも各映画賞で主演男優賞にヴィゴ・モーテンセンがノミネートと聞けば、どれほどまでに彼の演技がヨカッタのか?と気になるところでもあったんで、それならばと思い張り切って観に行ってきた。

 オヤジさんが当たり前のように子供に盗みをさせたり、いろいろな理屈をつけて資本主義やファシストを否定するようなことをちょいちょい発言するもオヤジさんのやってることは子供たちから選択権を奪い、手前ぇが構築したシステムに徹底して従わせることであって、結局のところ手前ぇでファシストを実践、と行き過ぎたオヤジさんの主義思想&人生哲学はエリート人間の自己満足といった感じで共感ができず中盤までチョイと距離を置いての鑑賞となってしまった。
 それでも 森の中で子供たちと共に社会とは距離を置いた生き方は確かに誰にも仕えず、しがらみも無く自由気ままだからそれはそれで憧憬の念を覚えなくもだし、世間とのズレ具合も確かにオモシロくもあった。また後半では、そういうオヤジさんの歪んだ人生哲学に疑問を覚え反発する次男、子供たちが社会に適合できなることを心配するじぃちゃんと対極にある視線でオヤジさんと家族を描いていたし、オヤジさんも手前ぇが間違っていたことに気づき云々もグッとくるものがあって、取っていた距離感もグっと縮まった感じ…なのに終盤も終盤で暴挙とも思える行動はどうも…子供たちのためにもこのエピの前で物語を〆るべきだったと思えて仕方がない。
 なんにせよ最後の行動以外はオヤジさん(主義思想や人生哲学のアイデンティティーも大事)も、孫を想うじぃちゃん(社会に適合することも大事)ともに言ってることは正しく、つまり何事とも【折り合い】をつけることが大事といってるのかなぁと。
そんなこんなで、良かったり悪かったりだったけど、見応えのある作品だった。

 ヴィゴ・モーテンセンはヨカッタことはヨカッタけど、それほどイイってぇ印象は…。
どちらかと言えば、露出も少ないうえに尻切れトンボ的にフェードアウトしてしまったじぃちゃん役のフランク・ランジェラの方が存在感も人間味もあってヨカッタんだけどなぁ。

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