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2017年3月 5日 (日)

ラ・ラ・ランド

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 アメリカ
 ロマンス&ミュージカル
 監督:デイミアン・チャゼル
 出演:ライアン・ゴズリング
     エマ・ストーン
     ジョン・レジェンド
     J・K・シモンズ


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 何度もオーディションに落ちてすっかりへこんでいた女優志望の卵ミアは、ピアノの音色に導かれるようにジャズバーに入る。そこでピアニストのセバスチャンと出会うが、そのいきさつは最悪なものだった。ある日、ミアはプールサイドで不機嫌そうに1980年代のポップスを演奏をするセバスチャンと再会し…。

 劇団四季のような劇場で観るミュージカルは大好きも、これが映画となると「サウンド・オブ・ミュージック」以外はどうも得意ではない、だけれどもやっぱねり根が好きなもんだから「レ・ミゼラブル」や「オペラ座の怪人」と話題のミュージカル映画に飛びついてしまうのも実情。どうも本作はブロードウェイからスクリーンにではなく映画オリジナルのミュージカルというのがスッゲェ魅力的だし、何より周りの評判がすこぶるイイこともあって期待値も大ってぇことで、張り切って観に行ってきた。

 鑑賞前に図らずも映画評論家の人たちによる「本作は今のハリウッドや映画の在り方」みたいこと云々の余計な情報が耳に入って来ることが多々あったんで、同様にいろいろ思うところがあるだけに色眼鏡で観てしまう恐れがあったうえに確かにそのようなことを匂わせているところもあったけれども、本作は夢と現実、夢を叶えるためには、成功するには時にどこかで妥協せねば手前ぇの目指すところに行けない。でも妥協すれば手前ぇを曲げることになるジレンマ(この辺が手前ぇが作りたいものと商業主義の溝なんだろうね)、そして最後にあの時こうしていればの「もし…。」のエピと純粋に人生の機微をラブロマンスで包み、隠し味に数々の名画のオマージュで飾った素敵な物語で、周りがさ騒ぐほど突出してヨカッタというものは感じられはしかったけれども、素直に素晴らしかった、観てヨカッタと思える作品だった。
 楽曲もさることながら、前半のスイート時ではポップ、ビターなテイストになる後半になるにつれて暗い趣に移行する色使いの見事さたるや感服の一言。色で言えば明けと夕過ぎの逢魔が時のあの碧瑠璃と紺瑠璃かの色合いなんかは観ていてホント美しくあったし、ほかに人と車のない駐車場にポツンとともる1本の街灯の下の寂しげでありながらロマンチックな空間、テスラコイルにフーコー振り子とオレが個人的に惹かれるもの、そこに美を感じるものが多々と、デイミアン・チャゼル監督と感性的に共通しいて、そこだけを観ていてもかなり楽しいものが。
エマ・ストーンはウディ・アレン翁の「マジック・イン・ムーンライト」でも天文台でロマンスを語ってたっけ。彼女ほど天文台が似合う女優さんはいねぇなんて思えてくる。

 ミア役のエマ・ストーンは本作で16年のアカデミー賞の主演女優賞を受賞。確かに存在感抜群で受賞も頷けるけど、個人的にはセブ役のライアン・ゴズリングの方に強く惹かれたかなぁと。
何にせよ、ラストでのいろいろな感情がない交ぜになった2人のほほ笑みは最高、お見事といくら言葉があっても足りないくらいスゴかった。

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