クレイジー・ナイン
香港
コメディ&犯罪
監督:ファイヤー・リー
出演:デレク・ツァン
ラム・シュー
フィリップ・キョン
スタンリー・フォン
【物語】 (シネマトゥデイ)
金も彼女も居場所もない青年ラウは、偶然立ち寄ったコンビニで求人のビラを見かけ、応募してみたところ即採用される。イヤミな店長から小言を浴びせられても全く気にしないラウは、売り物のコンドームに穴を開けたりサンドイッチにイタズラしたりとやりたい放題。
やがて、ラウがイタズラしたサンドイッチを購入した老人が戻ってきて、返品を要求する。返品に応じないばかりかクレーマー扱いする店長に怒りを爆発させた老人は驚くべき行動に出る。
都内の劇場でヘタすると日本公開されずに、そのままレンタル直行になりそうなマニアックな作品ばかりをあつめた「未体験ゾーンの映画たち2017」なるイベントが開催中。
その中にイイ感じにサイケ感が漂う香港発のクライム・コメディの本作のポスターがあり、目をやるとそこにラム・シューにスタンリー・フォンの2人の姿が。もうこれは観ないワケには行かないっしょッ!ってぇことで張り切って観に行ってきた。
無気力な主人公ラウを筆頭に唯我独尊な店長、ヤバいじぃさん、黒社会のボスといったひとクセもふたクセもある深夜のコンビニを舞台にワンシチュエーションで繰り広げる、入れ代わり立ち代わりの忙しいバイオレンスなサバイバル劇は、サイケな映像の効果も手伝って期待した以上にオモシロい作品だった。
全体的な雰囲気なんかはかなりタランティーノ監督の影響受けてるように見受けられたし、また劇中でよくタバコを吸うシーンが出てくるんだけど、その辺なんかはちょっと違うけど何となくハーヴェイ・カイテル出演の「スモーク」を思い起させと雰囲気も抜群なんだけど、オチで「はッ!? そう言うことなのは100%解るけど…マジ…。」に陥り、最後の最後にきて全力で肩透かしを喰らった印象が強い。出だしも中盤も上々、伏線の回収も見事と言っても過言じゃないだけに最後の最後で「嗚呼…。」になってしまったのは実に、実に、実に惜しい。
まぁ何にせよ、オレは映画祭やイベに全く興味がないこともあって、そこで公開される掘り出し物をチョイチョイ見逃してしまうことがほとんどだから、公開前に本作のことを知ることが出来、また劇場で鑑賞できたことは実にラッキーだったと。
いつもなら存在感は発揮するも露出はそれほど多くはないといったのラム・シューも、本作での首にハサミを突き立てられた尊大なコンビニ店長役はドハマりといった感じだし、いつもならチンピラ役の多くあるケン・ローが、気の弱い人役というのもスッゲェ新鮮で目を奪われた。強盗じじぃ役のスタンリー・フォン(オレとしてはフォン・ツイファンの方が馴染みが深くある)の大ベテランの存在感が最高。主人公ラウ役のデレク・ツァンってエリック・ツァンの息子さんなんだね。日本ほどでないにしても香港も二世が増えてきた感ありだ。
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