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2017年1月15日 (日)

アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男

Efd319cbs ドイツ
 ドラマ
 監督:ラース・クラウメ
 出演:ブルクハルト・クラウスナー
     ロナルト・ツェアフェルト
     リリト・シュタンゲンベルク
     イョルク・シュッタオフ


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 1950年代後半のフランクフルト、検事長フリッツ・バウアーは、ナチスによる戦争犯罪の告発に奔走していたが、捜査は難航していた。ある日、ホロコーストに深く関わった親衛隊中佐アドルフ・アイヒマン潜伏に関する情報を入手。バウアーは、ナチス残党がいるドイツの捜査機関ではなく、イスラエルの諜報機関モサドに情報提供しアイヒマンを追い詰める。

 アドルフ・アイヒマンは「ユダヤ人問題の最終的解決」に直接関係しただけあって、ヨーゼフ・ゲッベルスをはじめルドルフ・ヘス、ハインリヒ・ヒムラーなどのナチス高官同様に有名であるにも関わらず、去年公開された「アイヒマン・ショー / 歴史を映した男たち」を観てはじめてその名前と公開裁判にかけられたことをを知った。
そんなワケで、逮捕までの経緯とナチの残党狩りともに興味深くあるし、何より勉強にもなるってぇことで、逃げたアイヒマンを捕まえに行ってきた。

 アイヒマンの逮捕劇というよりも、どちらかといえば逮捕にすべてを賭けたフリッツ・バウアー検事長が、ユダヤ人であること、そして同性愛的傾向という、戦後10年経った当時のドイツ国内における【マイノリティ】という立場に焦点が当てられていたように感じられ、アイヒマン逮捕劇の経緯は気持ち脇に追いやられていた印象を受けなくも。そのせいなのか? バウアーにかけられる政治的圧力や駆け引きの描写が思っている以上に弱く、実話なんで仕方のねぇこととしても、もう少し派手さというか抑揚なものがあってもと。逆に淡々とした演出が必ずしも清廉潔白の身でない激情型のバウアーの人となりを際立たせていたのかもしれん。
 祖国ドイツが過去に犯した罪に真摯に向き合ったフリッツ・バウアーは本国ドイツの学校の教科書にすら掲載されることがなく、監督自身も今までその存在すら知らなかったとのこと。それもそのはずというか本作でも戦後10年、目覚ましい復興を遂げるドイツの政府をはじめ警察機関、諜報機関の中枢にいる(欧米によるフォン・ブラウン博士をはじめとするナチの科学者獲得同様に矛盾を覚える)のが、逃げ延びたナチの残党というから追われるだけでもイヤなのにそれがユダヤ人となれば尚更なワケだから、その存在が表に出てこないのも頷ける。
政府機関にナチの残党がいたことも含め戦後直後は同性愛が違法であった等の未だくすぶっているであろうドイツの闇の深さが感じられた。

 フリッツ・バウアー役のブルクハルト・クラウスナーってお初にお目にかかる俳優さんかと思いきや「パリよ、永遠に」「ヒトラー暗殺、13分の誤算」「ベルリン、僕らの革命」で細かくお目にかかっていたみたいだ…しかも「ヒトラー暗殺」のときはかなり重要な役だったのに全然覚えてなかったよ…これを機に絶対的に覚えておこうと思う。

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