2019年12月31日 (火)

劇場で観た作品タイトルIndex

 劇場で観た作品のIndexです。

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2019年5月19日 (日)

アメリカン・アニマルズ

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 アメリカ&イギリス
 犯罪&ドラマ
 監督:バート・レイトン
 出演:エヴァン・ピーターズ
     バリー・キオガン
     ブレイク・ジェナー
     ジャレッド・アブラハムソン
 
 
【物語】     (シネマトゥデイ)
 ケンタッキー州の大学に通うウォーレンとスペンサーは、大学の図書館に時価1,200万ドル相当の高価な画集が所蔵されていることを知り、刺激のない生活にうんざりしていた二人は画集を盗んで売ることを思いつき、大学の友人二人を仲間に加えて強盗計画を企てる。決行の日、老人に変装した四人は図書館に向かう。
 
 実話、犯罪、前評判の高さと、これだけ好材料が揃えば劇場に足を運ぶ理由は十分以上であるのに、個人的にかなり垂涎ものの【稀覯の鳥類図鑑】の存在をはじめ実際の犯人の登場、そして実行の際に参考とされた「レザボア・ドッグス」をはじめとするいくつかの犯罪映画、いわゆる元ネタを当てる楽しさもあるのでは?と、観る前から期待と好奇心をかなり刺激されていることもあって公開を楽しみにしていた作品だったんで、張り切って観に行ってきた。
 
 若さゆえの刺激と変化を求めて思いついた誇大妄想な計画が実際に形になるにつれ熱に浮かされ、はしゃいだ末に待っているのは後悔のみは、少なからず思い当たる節が無きにしもだからとても身近なものに感じられ、また事の顛末を当事者のインタビューを交えながら展開する演出も確かに目を惹くものがあってオモシロくはあるものの、世間の高評価ほどにはといったところ…。
 緻密と思われた計画も思いのほか穴だらけなうえに予期せぬトラブルに見舞われて全員が全員パニくった挙句の失敗、逮捕される恐怖に打ち震える4人それぞれの自身への過大評価と「あの一線を越えていなければ」の心理描写はかなり見応えがある。
エルヴィスの「ア・リトル・レス・カンヴァセーション」をはじめ、取り分けてCANの「Vitamin C」(超カッコイイ)をBGMに持ってくるあたりのセンスの良さよ!
 
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  本作で初めてジョン・ジェームズ・オーデュボンなる鳥類学者
 その名前を知り、氏が記した画集「アメリカの鳥類」を目にして
 その美しさに4人同様に欲しい!の思いに。
 ただ如何せん、10億円以上もするらしく手に入れることなど夢
 のまた夢…。
  (←)は同時期に活躍したイギリスの鳥類学者ジョン・グールド
 の鳥類図譜で、10億円とまでは行かねぇまでも図鑑としてはそ
 れなりの代物で、こどもの頃にTVで国会図書館にあるジョン・
 グールドの絵を目にして、子供ながらにその美しさに目を奪わ
 れいつか見てみたい、欲しいと思ったこともあって数年前に購
 入した自慢の一冊。
  本作での前面に推し出されたフラミンゴの絵もキレイで迫力
 もあって素晴らしくあるけど、ジョン・グールドの絵と比べる
 と細密さに欠ける印象を受けたかなぁと。そんなワケで個人的
 にはジョン・グールドの方が好き。

2019年5月18日 (土)

僕たちは希望という名の列車に乗った

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 ドイツ
 ドラマ&伝記
 監督:ラース・クラウメ
 出演:レオナルト・シャイヒャー
     トム・グラメンツ
     ヨナス・ダスラー
     ロナルト・ツェアフェルト
 
 
【物語】     (シネマトゥデイ)
 1956年、東ドイツの高校生テオとクルトは列車に乗って訪問した西ベルリンの映画館でハンガリーの民衆蜂起のニュースを見る。
クラスの中心メンバーの彼らはクラスメートに声を掛け、ハンガリー市民に哀悼の意を表し、授業中に2分間の黙とうを実施した。
だがその行為は社会主義国家への謀反と見なされる。
 
 近代ドイツの歴史に関してナチス・ドイツを扱った作品をそれなりに観てきていることもあって、その辺ことはそれなりに知ってはいるけれど、これが戦後の東ドイツ時代のこととなるとホーネッカー書記長くらいの知識しか持ち合わせておらず。
そんなワケで、ゴリゴリの社会主義全盛の時代に若者が体制に抵抗しての実話を基にした本作は当時の東ドイツを知るイイ機会であること間違いなしということで、張り切って観に行ってきた。
 
 厳しい言論統制の下、反体制的な発言をすれば投獄、収容所送りが確実な東ドイツでハンガリー動乱(「君の涙ドナウに流れ ハンガリー1956」を観ておいてもイイかも)で犠牲になった人たちへの哀悼と、ソ連への抵抗も含めて2分間の黙祷を捧げたことが反抗姿勢と見なされ、約束された将来を質に事の首謀者の密告を迫られる中、互いに猜疑心に苛まれながらも自由と信念を貫くか? それとも保身で揺れる若者たちとその家族の姿、当時の東ドイツの在り方を細かく丁寧に描いていて、いろいろと考えさせらる見応えのある素晴らしい作品だった。
 信念も大事だけれど【嘘も方便】で丸く収めようとするテオに対して、尋問官の嘘に揺さぶり、連帯している集団のどこを突けば決壊するかを心得ているその手口のエグさたるや…さすが共産主義といった感じでマジで怖い。
本作はベルリンの壁ができる前の話しではあるけれど、東西ドイツを知る最後の世代として、自由を求め壁を越えようとして多くの人たちが命を落としたあの状況や壁の存在って一体何だったんだろうか?と思わざるを得ない。
 
 きっかけも沈黙ならば、最後も沈黙を守り通したことを思えば、原題通り「沈黙する教室」でヨカッタのでは?と思う反面、邦題に当初はストーリー関係なしに希望と欲望で韻を踏んでるから単純に「欲望という名の電車」をもじったものであろうと考えていたのだけれども、ラストを観ると意外と的を得たタイトル付けであって珍しく感心させられなくも。

2019年5月12日 (日)

クリムト展 ウィーンと日本 1900

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  上野の東京都美術館で開催されている「クリムト展 ウィーンと日本 1900」に行ってき
 た。今にして思えば10年くらい前に深作欣二監督の「里見八犬伝」で志穂美悦子と萩
 原流行が対峙するシーンの背景の絵がクリムトの「接吻」だったのを目にして後に「それ
 がクリムトの作品」と認識したことを記憶している。
 アートブックや近々では「黄金のアデーレ 名画の帰還」を観たりしてそれなりに受け入れ
 てはいるけれど、正直なところ先日のムンク同様にあまり好きとは言い難くある…。
 けど、これまた同様に観ておいてこれまた絶対的に損はない。
  代表作のひとつでもある有名な「ユディトⅠ」といった黄金様式と言われるクリムト特有
 の金彩画などを間近で目にすれば確かにその細密さに驚かされる。
 他にも「女の三世代」「ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)」「ベートーヴェン・フリーズ」の有名
 な作品が多数展示。ただ先の「接吻」や「アデーレの肖像」の展示は残念ながら無し。
 そんな中でいちばん印象に残ったのは黄金様式の作品ではなくごくごく普通の油彩画の
 「ヘレーネ・クリムトの肖像」で頭部と体でその対照的な筆致の違いがスゲェ印象的で、
 素直に「この絵、欲しい!」と。
 
  余談として先で述べた「里見八犬伝」の件で調べてみれば、残念なことに「接吻」では
 なく、あくまで【クリムトの「接吻」ぽい】絵ということ。
 何にせよあのふたりのシーンにクリムトの絵がマッチすることは間違いはねぇかなと。

2019年5月11日 (土)

ラ・ヨローナ ~泣く女~

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 アメリカ
 ホラー
 監督:マイケル・チャベス
 出演:リンダ・カーデリーニ
     マデリーン・マックグロウ
     ローマン・クリストウ
     レイモンド・クルツ
 
 
【物語】     (allcinema
 1970年代のロサンゼルス。ソーシャルワーカーのシングルマザーのアンナは、川で溺死した子どもたちの母親から「あなたの子どもたちも、あの女の泣き声を聞くでしょう」と謎の警告を受ける。まるで意味が分からないアンナだったが、ほどなくして子どもたちは本当にその泣き声を聞いてしまう。それは水のある場所ならどこにでも現われ、子どもたちの命を奪う“ヨローナ”の呪いだった。
子どもたちに魔の手が迫る中、教会に助けを求めるアンナだったが…。
 
 間違いなく理屈抜きで楽しめるであろう思われるJ・J・エイブラムス製作のホラー&アクションの「オーヴァーロード」に大きく惹かれるところも、本作のメキシコに古くから伝わる泣く女性の怨霊をモチーフとした民俗学的な要素、それに伴う古典ホラーの趣が前者の魅力を大きく上回りということで張り切って観に行ってきた。
 
 本作は興味を持つも1作目をスルーして以来、「何時かは観よう」と思いつつも今に至るまで未見のままとなっている「死霊館」シリーズの中の1作という位置づけらしく、何時もの如くその辺の情報を仕入れずオモシロそうということだけでチョイスしてしまった。
それでも有難いことにストーリーも単純で解りやすく、シリーズ関係なしに独立したひとつの作品として、それなりに怖オモシロく観ることができたけれども、過去の作品をきちんと観ていれば時系列や相関、因果関係の妙味も加わり、もっとオモシロく観られたであろうことに間違いなかろうかと。
 ラ・ヨローナはパンチ力に欠け気持ち物足りなさを感じなくもだけど、そこを補うかのような冒頭の長回しをはじめ、ビニール傘越しの演出、英語圏におけるスペイン語による呪いの言葉の不気味さと違和感はかなり目を惹く。
また、シリーズに登場していると思われる神父さんの存在と宗教観(ラ・ヨローナの怨念はキリスト教の川に入っての洗礼式での事故がきっかけが本当の理由かと思いきや、冒頭で述べられたようにまんま嫉妬から川で溺死させただけだった…)なんかはホラー帝王スティーヴン・キングの趣がなくもで好印象。
今秋に公開される「アナベル 死霊博物館」の予告を観たらすこぶる出来そうなんで今から勉強しておくとしよう。
 
 アンナ役のリンダ・カーデリーニなる女優さんは馴染みが薄いことからその経歴を調べてみたら「アベンジャーズ」等とオレがスルーしてきたヒット作品に引っ張りだこの売れっ子女優さんで、全然記憶にないのだけれども過去には「スクービー・ドゥー」にも出ていたこともあってか、本作で彼女の子供がテレビでアニメ版の「スクービー・ドゥー」を観ているシーンがあり、この辺の遊び心もイイ。

2019年5月 5日 (日)

映画 賭ケグルイ

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 日本
 学園&サスペンス&ギャンブル・博打
 監督:英勉
 出演:浜辺美波
     高杉真宙
     池田エライザ
     伊藤万理華
 
 
【物語】     (シネマトゥデイ)
 政財界有力者の子女が通っている私立百花王学園ではギャンブルの勝敗によって生徒たちの階級が決められていた。
そんな学園に、蛇喰夢子という少女が転入してくる。学園を支配する生徒会は、リスクを負うことで至上の喜びを得るギャンブル狂の彼女を警戒し、腕に覚えのあるギャンブラーを刺客として送るがことごとく倒されてしまう。
そこで生徒会は百花王学園史上最大のギャンブルバトルを開催する。
 
 中二病の人が喜びそうないかにもなキャラとネーミングのクセがかなり強いためにいまいちハマれずも、阿佐田哲也氏や福本伸行氏の作品ほどではないにしても【いかさまありきの勝負】は、確かにオモシロくはあるんで半ば惰性でアニメ版のみ1&2期と視聴。
何ゆえにこんな中途半端な心持ちで劇場に足を運ぶのかと問われれば、元乃木坂46で今でも推しの伊藤万理華と、現メンバーの松村沙友理のふたりを観るがため!そんなワケでこのふたり以外に期するところはなく冷やかし半分で観に行ってきた。
 
 先述の通りあくまで【乃木坂】目当てなんで、毛の先ほどに期待はしてはいなかったのだけれどもコレがなかなかどうして…。
総体的にそれなり程度であったのは確かなものの、失敗すると大参事になりかねない丸々のマンガ感が功を奏したのと、今が旬の若手&アイドル女優さんたちによる今までのイメージを払拭し、ここを機にステップアップも夢ではないハイテンションでぶっ飛んだ演技合戦は思いのほか以上に見応えがあり、一概に【アイドル映画】の一言で片づけるにはと思え、ここだけでも劇場に足を運んだ価値はあったと素直に思えるイイ意味で裏切られた作品。
 蛇喰夢子役の浜辺美波、仲間の早乙女芽亜里役の森川葵を筆頭に池田エライザ、三戸なつめと見事キャラにマッチしたキャストだなぁと感心されると同時にオリジナルキャラで登場した伊藤万理華らの存在感も抜群で取り分けて福原遥に関してはもはや【優勝!】の言葉以外ないといったところ。当初は数カットしか登場しないであろうと予想していた推しの万理華は意外にも主要キャラで露出も思った以上に多くファンとしてはウレシイ限り。まっちゅん(松村沙友理)の出番はTVドラマ版の方で大方終了していたようで賑やかし程度の出演でこちらはちょいガッカリ。片や鈴井役の高杉真宙は基本設定以上にウザい、矢本悠馬も空回り気味でさらにウザい…と若手俳優陣は女優さんたちの後塵を拝した印象。
 
 今まではコミックス&アニメの実写化否定派であったにもかかわらず、思いのほか出来のイイ作品が多いことからすっかり肯定派に宗旨替えしてまった今日この頃。「モブサイコ100」なんかオモシロかったんで実写化ありかなぁなんて思ってたらすでに放映されていた…しかも乃木坂の与田ちゃん出てるし…これは観ねば。
それならば「ハイスコアガール」を大野晶役は齋藤飛鳥、日高小春役を星野みなみで、乃木坂ちゃんの勢いを借りて実写化してくんねぇかなぁ。 「上野さんは不器用」なんかもオモシれぇかも、そうなりゃ絶対に観に行くんだけどね♪

2019年5月 1日 (水)

令和 Fiver!

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      「超絶かわいい まゆゆ 💛」 
 
  【平成最後の日】それとも【令和最初の日】どちらで勝負するか?
 まぁ普通に考えればこの2日間は間違いなく出ることと思われるけど、ここは敢えて
 二者択一でどちらかで勝負と考え、悩みに悩んだ結果【令和最初の日】に決定。
 
  ヒ~~ハ~~~ッ Bingo !!
 当初は「エヴァンゲリオン」のスロットをやるつもりでいたのだけれども、間際で目 に
 入って来たAKBのパチンコ台にそそられて「乃木坂ちゃん、浮気してゴメンよ」と詫び
 をいれつつ座っみれば3000円でいきなりのBIG BONUSを引き当て、その後もあれ
 よあれよと確変が続き何だかんだで久々の大勝利♪
 その後のスロットでも無双状態が続き、昼から夕方まで打った結果、懐具合はかなり
 【激熱】状態♪ 新元号初日から素晴らしい船出と相成った!
 
  これで後は乃木坂ちゃんの23rdシングル 「Sing Out!」 の発売記念ライブのチケ
 当選すれば文句なしなんだんけど、AKBに浮気しちゃったからねぇ…。
 神様、チケ当選しますよう何とぞヨロシクお願いします!

2019年4月27日 (土)

アガサ・クリスティー ねじれた家

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 イギリス
 ミステリー
 監督:ジル・パケ=ブランネール
 出演:グレン・クローズ
     テレンス・スタンプ
     マックス・アイアンズ
     ジリアン・アンダーソン
 
 
【物語】     (シネマトゥデイ)
 文なしから大富豪になったレオニデスが毒殺され、私立探偵のチャールズが捜査に乗り出す。
屋敷には愛人がいるらしい若い後妻、映画製作の資金が欲しい長男ら一族が勢ぞろいしており巨額の遺産をめぐって火花を散らしていた。捜査が進むにつれチャールズは、一族全員に動機があることに気が付く。
 
 作者のアガサ・クリスティが自身の作品のなかでもお気に入りのひとつと明言し、上梓されてから初の映画化という触れ込みに大きく惹かれたのと同時に、久々となるド直球のミステリー作品も「オリエント急行殺人事件」以来となるうえに同作者という偶然の縁の妙もあり楽しみにして作品だったんで、張り切って観に行ってきた。
 
【ネタバレ要注】
 有名なクリスティ作品は一通り目を通してはいるけど本作は未読ということもあって、犯人がダレなのか? 解っていないから「何がなんでも看破してやる!」と食い気味で鑑賞するも、クリスティらしく思わせぶりだけど中途半端感が否めない多くの登場人物とキーパーソンの存在にまんまと惑わされたうえに、中盤いまいち盛り上がらずもあって意気込みも空しく看破できず…。
犯人を知った今となって改めて思い返してみると予告の時点で犯人明かしてるじゃん! チクショ~ッ!
 本作での本ボシなんかを見ると今となっては手垢がかも知れないけれど、前述の「オリエント急行殺人事件」をはじめ、禁じ手の「アクロイド殺し」に「そして誰もいなくなった」同様に半世紀以上も前にこのような見事なオチを生み出したクリスティの先進性のスゴさを再確認させられただけでも劇場に足を運んだ価値は大きい。
ベントレーなのか? ジャガーなのか? はたまたアストンマーチンなのか?は解らんけれども、とにかく英国車であろうと思われるクラッシカーの数々は車に興味のないオレでも大きく惹かれるものが。
 
 一族を取り仕切るイーディス役のグレン・クローズの存在感といったらスゴい、圧倒的、さすがともう美辞麗句しか出てこない。また同じベテラン俳優のテレンス・スタンプも重要なファクターというワケではないもののミステリーには欠かせない狂言回し的な警察を出過ぎず引っ込み過ぎずでその存在感を示してるあたりはホントにスゴい!
探偵役のマックス・アイアンズなる俳優さんはジェレミー・アイアンズの息子なのね。この間のデンゼル・ワシントンの息子とか、なんかどこもかしこも二世ばっかだな…。

2019年4月20日 (土)

ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ

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 イタリア&フランス&ドイツ
 ドキュメンタリー
 監督:クラウディオ・ポリ
 出演:トニ・セルヴィッロ
     
     
     
 
 
 
【物語】     (シネマトゥデイ)
 1933年に政権を掌握したナチスドイツはピカソ、ゴッホ、シャガールらの作品を退廃芸術だとして、純粋なアーリア人による写実的で古典主義的な作品をよしとした。青年時代に画家を目指していたヒトラーは故郷に美術館を建設する野望を抱き、フランスなど周辺国の美術館やユダヤ人の富裕層から名品の略奪を繰り返す。
 
 ドキュメンタリーの中でもスポーツ&犯罪とならんで美術系は好きなジャンル。画家や作品、美術館の舞台裏を紹介した作品ももちろん好きだけれども、取り分けて贋作や盗難&略奪と【美術と犯罪】の組み合わせにスゲェ興味がある。
本作は戦時中、ナチス・ドイツがヨーロッパ各地から略奪した膨大な芸術品の奪還活動の歴史を追ったものと、いっちゃん興味あるところなんで、期するところもスゲェ大きく是が非でも観たい作品だったんで、張り切って観に行ってきた。
 
 ヒトラーを筆頭に美術品略奪による争奪戦をはじめ、彼らに追随したお抱えの美術商の闇、行方知れずの美術品を追跡する人たちの姿と今に続く美術品略奪の顛末を追った本作はNHK特集程度のものであったけれども、興味ある題材ということも手伝ってオモシロく観ることができた。また、「ミケランジェロ・プロジェクト」や近々では「黄金のアデーレ 名画の帰還」と幾度となくナチスによる美術品略奪を描いた作品を観てきているにもかかわらず、美術と【犯罪】をひと括りにすることはあっても【戦争】や【政治】と絡めて捉えることが今の今まで薄かっただけに新しい視点が開けたといった感じ。
 「壁にを飾るためだけに描くのではなく、絵は盾にも矛にもなる、戦うための手段」と自身が画家を目指したにもかかわらず、芸術を文化歴史としてではなく権力の象徴として捉えてしまったヒトラーの行為に対してピカソが残した言葉の重みたるや。
にしても興味ある題材と言いながらも何ゆえ【政治と芸術】に目が行かなかった?と我ながら、情けなくもあれば反省の念も…。
 
 パウル・クレーやカンディンスキーにシャガールといった非ドイツ主義の画家や作品は【退廃芸術】とされナチスから弾圧された(オレとしてはカンディンスキーはかなり好きだけどなぁ)や、大好きな大贋作者ハン・ファン・メーヘレン(「私はフェルメール 20世紀最大の贋作事件」お薦め)によるゲーリング騙しのエピも紹介されていて、この辺の知識を運良くインプットしていたこともあってかなり興味深くオモシロく観ることができたんで、劇場に足を運ぶのであれば多少の前知識を詰めてから行ったほうがイイかと。
【美術と犯罪】であれば「消えたフェルメールを探して 絵画探偵ハロルド・スミス」や「「盗まれた世界の名画」美術館」「FBI美術捜査官―奪われた名画を追え」がお薦め!

2019年4月14日 (日)

アンデッド / ブラインド 不死身の少女と盲目の少年

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 オーストリア
 ホラー&ファンタジー
 監督:ジャスティン・P・ラング
 出演:ナディア・アレクサンダー
     トビー・ニコルズ
     カール・マルコヴィクス
     マルガレーテ・ティーゼル
 
 
【物語】     (シネマトゥデイ)
母親が連れ込む男にひどい暴行を受けたミーナは森に捨てられるが、姿を変えて生き延び人間の肉を食べるようになる。
彼女が潜む森に入った者が生還しなかったため一帯はデビルズ・デン(悪魔の巣)と呼ばれ、誰も寄り付かなくなる。
あるとき、森に凶悪な指名手配犯が逃げ込み、犯人はミーナの餌食となるが人質として盲目の少年を連れていた。
 
 マニアックな作品を数多く公開してくれていた銀座のシネパトス、渋谷のシアターNといったマニアの殿堂が相次いで閉館してしまったことで、大好きなB級ホラーを劇場で観る機会がめっきり減った今日この頃にあってHTC渋谷が「未体験ゾーンの映画たち」と銘打って、先述の劇場の意思を継いでマニアックな作品を間断なく公開してくれることは実にありがたいことである。
そんな中、アンデッドの少女と盲目の少年の交流を描いた本作に大きく惹かれるところがあったんで張り切って観に行ってきた。
 
 ザックリ言っちゃうと「ぼくのエリ 200歳の少女」の詩情や深み驚きが薄い版といったところ。
ミーナがアンデッドになった経緯は描かれている一方、少年アレックスに到ってはナゼ誘拐されたのか? 誘拐犯に対して何かしらの信頼を置いているのはナゼか? そしてナゼ目を潰されたのか?が全く描かれておらずで、もう少しこの辺の説明が欲しい。
 また、ラストでミーナが人間に戻った行もおそらくアレックスとの交流を経て人の心を取り戻し、かつ呪われた森から抜け出たことで呪いが解けたからみてぇなもんなんだろうけど、もしかしたらある一定量の人の肉を喰ったからなのか?の説明もなし…まぁこの辺は手前ぇで感じるものであって全部が全部語っちゃうのも野暮ってぇところだろうけど、何かにつけて【ナゼ】が多く残る。
 
 アレックスが盲目であったことでミーナの醜い外見ではなく荒んだ奥にある本来のキレイな心を、ミーナは同じ境遇にあるアレックスに自分を重ね合わせてと互いの心を見合い、互いに心に変化を来たしのドラマをはじめ、設定も雰囲気もヨカッタだけに細かいところで中途半端感が否めなくあったことは実にもったいない…。

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