2019年3月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

2019年12月31日 (火)

19年劇場で観た作品タイトルIndex

14


 19年、劇場で観た作品のIndexです

» 続きを読む

2019年3月16日 (土)

ウトヤ島、7月22日

Utoya_22_juli
 ノルウェー
 ドラマ&サスペンス
 監督:エリック・ポッペ
 出演:アンドレア・ベルンツェン
     アレクサンデル・ホルメン
     ブレーデ・フリスタット
     エリー・リアンノン・ミューラー・オズボーン

                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 2011年7月22日午後3時17分、ノルウェーの首都オスロ政府庁舎爆破事件が起き、8人が死亡する。
さらに同日の午後5時過ぎ、オスロから40キロの距離にあるウトヤ島で銃乱射事件が発生し、32歳のノルウェー人アンネシュ・ベーリング・ブレイビクがサマーキャンプに参加していた10代の若者たちを次々と殺害する。

 10年ほど前にすでに「マジシャンズ」「PVC-1 余命85分」、最近では「カメラを止めるな」と、長時間にわたるワンカット撮影ものも今となっては手垢がついて目新しさ無いものの、コロンバイン高校の銃乱射事件を扱ったガス・ヴァン・サント監督の「エレファント」と実際に起きた事件の実録ものは緊張感も高くオモシロいこともあって大好物なんで張り切って観に行ってきた。

 冒頭のノルウェー政府機関庁舎爆破テロのことは当時「テロと無縁ぽい北欧でテロとはねぇ…」と、漠然とした恐怖を感じたことがあったんで、このテロ事件のことはちゃんと覚えていたのだけれども、ウトヤ島銃乱射事件に関しては全くもって記憶になく「こんなことがあったのか!」が正直なところ…。
 それはそれとして、事件発生直後の周りのパニックに感染しロッジに逃げ込むシーンや、遠目に見える人影程度しか見えない犯人の姿に響き渡る銃声と、見えてるのに聞こえているのに何が起きているのか解らない漠然とした恐怖感は半端なく終始緊張状態にあった感じ。当初はワンカットで撮る必要性がいまいち理解できなかったのだけれども、観てみればワンカットであるからこそこの臨場感が生まれたのであろうと。
 と思いのほか前のめり気味になるもそれも終盤での逃げ込んだ崖下での男の子との冗長とも思えるやり取りにダレを覚えもすれば、黄色いレインコートを着た少年の行なんかは「シンドラーのリスト」の赤い服を着た少女を、「ミスト」ぽいラストと徹底してリアルで押し出してるのに、ところどころで変にエンタメぽさを挟んできて、結果イイんだけど何かチョット…の心持ち。
まぁドキュメンターでないことは確かではある。
 
 にしても本作を観た1週間後にブラジルの小学校とニュージーランドのモスクで銃乱射事件が立て続けに発生て…。
マジで世の中どうなってんのよ…。

2019年3月 9日 (土)

マイ・ブックショップ

The_bookshop
 スペイン&イギリス&ドイツ
 ドラマ
 監督:イザベル・コイシェ
 出演:エミリー・モーティマー
     ビル・ナイ
     パトリシア・クラークソン
     ハンター・トレメイン


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 1959年、戦争で夫を亡くしたフローレンスは書店が1軒もないイギリスの田舎町で夫との夢だった書店を開こうとする。
しかし、保守的な町では女性の開業は珍しく、彼女の行動は住民たちから不評を買う。
ある日、40年以上も自宅に引きこもりひたすら読書していた老紳士と出会う。

 ホッコリ系の人情奮闘喜劇、保守的な時代のイギリスの片田舎、本屋そしてお気に入りの女優さんの一人であるエミリー・モーティマー主演と、これだけ最高の素材で作られた料理が不味かろうはずがないッ!
キャスティングも舞台もイギリスだからイギリス映画かと思いきや、以外にもスペイン映画とのこと…まぁ別にどこの国であろうが旨そうであることに変わりはねぇし、本国スペインでもゴヤ賞で作品賞をはじめ3部門を受賞とあらば期待値がさらに上昇ってぇことで張り切って観に行ってきた。

 派手さこそ無いものの出る杭は打たれるで周りの嫌がらせにもめげずに、自分の夢を叶えるために孤軍奮闘するフローレンスの姿に応援せずにはいらなかったし、レイ・ブラッドベリの「華氏451度」をはじめナボコフの「ロリータ」と本屋の物語らしいエピもありで本好きにとっては見応えがある。
ただ、町を仕切る鼻持ちならねぇマガート夫人を筆頭に嫌な奴らの何と多いことかなうえに、フローレンスが受ける嫌がらせのもかなりドギツイものばかりで、もうチョイ軽めのものかと思っていただけに思いのほかメンタルを削られる…。
 マガート夫人の妨害の理由も保守&封建的といった時代の風潮云々ではなくただの自己顕示によるものとその人間性たるやで、そのうえ金も政治力もあれば何かにつけて言うことを聞くおもねる連中もいてと、フローレンスにどんなに情熱や勇気があっても勝てるワケがなし…久々に強烈な憎まれ役だったんじゃなねぇかと。
だけにフローレンスの人間性に惹かれ協力する小さな相棒クリスティーン、世捨て人のブランディッシュの損得勘定なしの関係が際立ち、またフローレンスの想いを引き継いだクリスティーンの自分が今ここでなにをすべきか知っている聡明さと、それ実行に移せる勇気(裏を返せば蛮勇)は観ていてとても気持ちがイイ。

 妙な色気と落ち着いた感じ、時に晩熟感を漂わせるエミリー・モーティマーはやっぱりイイ 💛
まぁそういう役柄を多く目にするだけのことなんだろうけど、何かにつけて応援したくなる女優さんだ。
英国紳士然としたビル・ナイもヨカッタ。

2019年3月 3日 (日)

天国でまた会おう

Au_revoir_lahaut
 フランス
 ドラマ&犯罪&コメディ
 監督:アルベール・デュポンテル
 出演:ナウエル・ペレス・ビスカヤール
     アルベール・デュポンテル
     ロラン・ラフィット
     ニエル・アレストリュプ


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 1918年、御曹司のエドゥアールは、戦場で生き埋めにされたアルベールを助け出した際、顔に大けがをしてしまう。
戦後パリに戻った二人は、戦没者をたたえる一方で戻ってきた兵士には冷淡な世間を目の当たりにする。
戦争で何もかも失った二人は人生を取り戻すため、国を相手に前代未聞の詐欺を企てる。

 ストーリーもさることながら醸し出される世界観は100%間違いなくオレ好み。
それに本国フランスでの大ヒット、17年のセザール賞で多数部門受賞という付加価値のほかにジャン=ピエール・ジュネ監督を筆頭にテリー・ギリアム監督、ティム・バートン監督と敬愛してやまない映画監督さんたちを彷彿させられと、さらに期待値を爆上げさせるとどめの殺し文句に「是が非でも観に行かねぇワケにいかねぇッ!」ってぇことで張り切って観に行ってきた。

 戦争に翻弄された面々による復讐劇と再生劇であると同時に親子のすれ違いをも描いていて、日常の中にある異世界といった独特の世界観でありながら決してファンタジック一辺倒なもので終わるのではなく現実の厳しさや鼻に突かない程度の風刺とすべてが程よいバランスで、それぞれの感情や思惑が最後に一本に縒り合う巧さ、そして切なさとホッコリのWパンチのラストの余韻は素晴らしい。世界観はもちろんのことジュネ監督の「ミックマック」ギリアム監督の「バロン」、そして帰還兵とマスクに親子の確執ということで横溝正史の「犬神家の一族」の趣が感じられなくもで確かに謳い文句にあった通り。
 冒頭の最前線の悲惨極まりない現実とエドゥアールが手掛ける数々のアートフルな仮面の美しさの美醜、親子の愛憎といった各所での対比もさることながら、エドゥアールが振り回されるというか全てにおいて流れに流されてしまっていたマイヤールのお人よしぶりがともてオモシロく好印象。
そんなワケで正直なところ好き嫌いがハッキリと分かれるところかも知れねぇけどオレとしてはかなり好みの作品。

 マイヤール役のアルベール・デュポンテルってジュネ監督の「ロング・エンゲージメント」をはじめお気に入りの女優さんのカトリーヌ・フロ主演の「地上5センチの恋心」や「モンテーニュ通りのカフェ」とかに出演してて幾度となく目にしてたのか。
余談になるけど、第一次世界大戦後のフランスを舞台にした作品が個人的にツボ、これが海を渡ったイギリスとなると第二次世界大戦中&後の田舎を舞台にしたのがツボだったりするんだけど、手前ぇでもこの違いがよく解らない…。

2019年3月 2日 (土)

移動都市 / モータル・エンジン

Mortal_engines_2
 アメリカ
 SF&アクション&アドベンチャー
 監督:クリスチャン・リヴァーズ
 出演:ヘラ・ヒルマー
     ヒューゴ・ウィーヴィング
     ロバート・シーアン
     ジヘ


                                                                                      【物語】     (シネマトゥデイ)
 60分戦争と呼ばれる戦いから1700年が経過した地球。
人々は荒廃した大地をはうようにして進む巨大移動都市に暮らし、ほかの移動都市を取り込み資源を奪いながら生活していた。
そんな中、少女ヘスターはある目的を果たすために移動都市のロンドンへと潜入しトムという青年と出会う。 

 毎回新たなキャラが登場しては名前を覚える前にバッタバッタと容赦なく死んでいくという17年秋シーズンに放映された深夜の鬱アニメ「クジラの子らは砂上に歌う」と【移動する都市】と同様の設定に何となく興味を惹かれ、同じ高確率でのハズレを覚悟するなら「アリータ : バトル・エンジェル 」よりこっちかなぁってぇことでとりあえず観に行ってきた。

 大好物のスチームパンクの世界観、そして冒頭のチェイス劇はまるで洋上のクジラを狩るかのような趣と迫力に「こりゃ、イイ意味で裏切られたかッ!」と食い気味になるも、その高揚感は開始からわずか10分程度の間のことであって後はもう思った通り映像だけに特化した作品。
 いくつかのエピで細かいの説明がないままに展開(後々になってこういう経緯はありましたと説明が入るのだけれども)する故の唐突感と、ヘスターをつけ狙う機械人間に天空要塞とエピの詰め込み過ぎでまとまりに欠ける印象は拭えず…。
似てもいれば似てもいなかった前述の「クジラの子らは砂上に歌う」の方が【移動都市】の設定に深みなり奥行きがあるかなぁといった感じだし、全体的にジブリ感が強い。
 ただの勧善懲悪なのか解らんけれども移動都市の民はユダヤ人、敵対する静止都市は中東諸国、築かれた壁はイスラエル西岸地区の分離壁と中東問題を描いているのかなぁと思えなくも…まぁ終盤はアジア圏だったから邪推だわな。
何にせよオチを観るとアレですんなり終わるとも思えずで、もしシリーズ化を狙っているとするならば【メイズランナー化】する危険性はかなり大かと。

 そんなワケなんで誰一人して印象に残る俳優さんが見当たらず…まぁヨカッタといえば移動都市のトラファルガー広場のライオン像やセントポール寺院を搭載した要塞都市ロンドンと荒野の二人組が搭乗していたゾイド旧キットのモルガを彷彿させるマシンの造形美くれぇかな。

2019年2月24日 (日)

パペット大騒査線 追憶の紫影 (パープル・シャドー)

The_happytime_murders
 アメリカ
 コメディ&ミステリー
 監督:ブライアン・ヘンソン
 出演:メリッサ・マッカーシー
     ビル・バレッタ
     マーヤ・ルドルフ
     ジョエル・マクヘイル


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 ロサンゼルス市警初のパペット刑事フィル・フィリップスはある事件で失職し、現在は私立探偵として活動している。
ある日、依頼された調査のためアダルトショップを訪ねると、店にいたパペットが全員殺されていた。
市警時代の相棒コニー刑事が捜査をすることになり、フィルも共に真相の究明に乗り出す。

 コレといって観たい作品が見当たらなかったんで、何かイイのはねぇかと調べていると、敬愛する映画人のひとりで「セサミストリート」のキャラの生みの親であるジム・ヘンソン氏特有のお馴染みのデザインのパペットが登場する人間とのバディものの本作が目に付き、キャスティング等を見てみると監督がなんと、そのジム・ヘンソン氏の息子とありバカバカしい設定も手伝って急に興味が湧いてきたんで、それならばということで張り切って観に行ってきた。

 名匠ジム・ヘンソン氏の息子のブライアン・ヘンソン監督…ヘンソン印なのにその金看板を惜しげもなく汚しちゃってるしで、きっとオヤジさんは草葉の陰で泣いてると思うぜ…それでも期待した通りのお下劣で心底くだらなく、18年のラジー賞で多数ノミネートされたのも大きくうなずける愛すべきおバカ映画でオレは大好きだ。
銃で撃たれて飛び散る血肉…綿、お下劣極まりない下ネタの数々、そしてパペットとオバちゃん刑事のコンビとふざけた設定なのにミステリーのパートは思いのほか大マジメで、雰囲気も「チャイナタウン」ぽさがなくもない探偵ハードボイルドな作り。
変にマジメな作りゆえに同系の04年の「チーム★アメリカ / ワールドポリス」みたいに振り切ったオモシロさが欠けた印象は拭えずで後もう1~2発強烈なパンチがあればといったところ。
 オマケに差別や麻薬にセックス産業と社会を風刺もしていて、その風刺がオモシロいんだけど笑うに笑えないというか…脱色して肌の色が青から白に変色したパペット刑事フィルの兄貴ってどうみてもマイケルが元ネタだろうし、穿ち過ぎた見かたかもだけどいとこ婚した友人の子供のビジュルに至ってはもう心底から困惑…。
まぁなんにせよオモシロかったし、あと2~3作シリーズ化しても間違いなく劇場に足を運ぶかなぁと。

 先述であったようにメリッサ・マッカーシーは本作で今年のラジー賞にノミネートされている一方で「ある女流作家の罪と罰」でアカデミー賞主演女優賞にノミネート。コメディ畑出身の俳優さんはどんな役演っても巧いからねぇ。
それはそれとして、ここ10年くらいで大作と集客が望める作品が中心のシネコンが増えてきたことで以前からあった劇場が軒並み姿を消した背景もあってか本作のような小中規模作品の公開の機会がめっきり減った気がする。
銀座ならマニアの殿堂銀座シネパトス、新宿だったら新宿ヲデオンとか東亜興行チェーンといいオモシロい劇場がいっぱいあったんだけどねぇ…寂しいよ…。

2019年2月23日 (土)

THE GUILTY / ギルティ

Den_skyldige
 デンマーク
 サスペンス&ドラマ
 監督:グスタフ・モーラー
 出演:ヤコブ・セーダーグレン
     イェシカ・ディナウエ
     ヨハン・オルセン
     オマール・シャガウィー


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 警察官のアスガー・ホルムはある事件を機に現場を離れ、緊急通報司令室のオペレーターとして勤務していた。
交通事故の緊急搬送手配などをこなす毎日を送っていたある日、誘拐されている最中の女性から通報を受ける。

 本来ならばこの土日の2日間、乃木坂46の「7YEAR BIRTHDAY LIVE」および「西野七瀬卒業コンサート」に参加するために大阪にいるはずだったのに武運つたなく、すべての抽選にハズレてしまいチケット入手叶わず(まぁ去年の全ツ&6thバスラの2days当選の超ラッキーを思えば±0ってぇ感じかな)となり、今週もいつも通りの週末となった…。
悔しくてしかたねぇけどここは乃木ヲタから映画好きモードにビシっと切り替え、公開前から何かと評判が高く気になっていた北欧サスペンスの本作を張り切って観に行ってきた。

【ネタばれ要注】
 緊急オペレーターによるワンシチュエーションのサスペンス劇がオモシロいことは13年に公開されたハル・ベリー主演の「ザ・コール [緊急通報指令室]」で既に実証済みといったところだけれども主人公、展開ともども【動】であった前者と比べると本作は密室のひとり劇といった【静】の趣でこの辺はいかにも欧州的、取り分けて鬱々感は北欧的で同じシチュエーションでもハリウッドには無いまたひと味違ったオモシロ味が。
 アスガーの独断専行気味の性格を巧く活かしたミスリードに見事に引っかかり、オチを読み切れなかったこともあってアスガーが先入観による早とちりから最悪のヤラかしをしたときは同様に瞬間的に血の気が引く思いでその冷たい怖気はかなりのもの。
いろいろ踏まえての「ギルティ」ねぇ~この辺もなかなか巧いタイトル付けだ。

 アスガー役のヤコブ・セーダーグレンって以前観たTVシリーズの「THE KILLING / キリング」に主演してたのか…。
まぁ北欧の俳優さんは馴染みも薄くあるところへもってきて、このドラマ自体簡単な事件のワリには必要以上の容疑者が出てきてで、おそらくそのうちの一人だろうから覚えてねぇのムリねぇわなぁ。

2019年2月16日 (土)

ファースト・マン

First_man
 アメリカ
 ドラマ&伝記
 監督:デイミアン・チャゼル
 出演:ライアン・ゴズリング
     ジェイソン・クラーク
     クレア・フォイ
     カイル・チャンドラー


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 幼い娘を亡くした空軍のテストパイロット、ニール・アームストロングは、NASAの宇宙飛行士に応募し選抜される。
彼は家族と一緒にヒューストンに移り住み、有人宇宙センターで訓練を受ける。指揮官のディーク・スレイトンは当時の宇宙計画において圧倒的優位にあったソ連も成し得ていない月への着陸を目指すと宣言する。

 子供のころから何かつけていろいろなものに興味を持っては調べたり集めたりする、いわゆる多趣味ってぇやつなんだけれども、ナゼか宇宙&天体に関してはまったく興味がわいたことがなく、何とか流星群だとか日蝕だと大きな天体ショーがあっても何時も「そうなのか」程度…だもんだから月面着陸がスゴイことは解ってはいても、どれほどスゴイことなか?となるとこの歳になってもよく解っていないのが実情で、そのスゴさを知るにイイ機会でもあるんで張り切って観に行ってきた。

 他の作品ならば人類初の月面着陸までの経緯を政治的&機器トラブルを織り交ぜてもっとドラマチックに描くところを本作はアームストロング船長の人となりと成功までの経緯を淡々と語り、結果も「おかえり、はやぶさ」同様に既に誰しもが知るところだからそれほどに緊迫させられることもなく、8ミリぽい映像とあわせてドキュメトを観ているようなつくり。
そんなこんなで普通に伝記を読んでるといった感じだったんだけれどもプロジェクトの壮大さ、監督の手腕と確かにいろいろとスゴさが解り、思いのほか前のめりでの鑑賞となった。
 月面着陸成功までにいく人もの犠牲者があったことはもちろんとして、以前「世にも奇妙な人体実験の歴史」を読んだおかげで飛行機で音速超え、脱出噴出装置開発、どこまで重力に耐えられるか?といった必要不可欠な要項、つまりプロジェクトの準備段階にも多くの犠牲者と技術の進歩があったことを思い出し、これら全てがあったからこそ月面着陸に成功したんだなぁとようやくそのスゴさが解ったような気がする。
また、ロケットの軋みや月面でハッチを開いた後の静寂と本作も音の演出が巧く感じられ、時おりアップなるリベット、油じみなのか? 汚れているセレクターやトグルスイッチといった計器の数々の何気なくリアルさがとても素晴らしい。

 はいッ、ようやく顔と名前を覚えました! エド役のジェイソン・クラーク。
この俳優さんは幾度となく目にしてるのになかなか記憶に留めておくことができなかったけど、「ナチス第三の男」とさすがに今年に入って立て続けに目にすればさすがに覚えられようというもの。そういうこともあってか今回はかなり好印象。

2019年2月10日 (日)

ちいさな独裁者

Der_hauptmann
 ドイツ&フランス&ポーランド
 サスペンス&戦争
 監督:ロベルト・シュヴェンケ
 出演:マックス・フーバッヒャー
     フレデリック・ラウ
     ミラン・ペシェル
     アレクサンダー・フェーリング


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 1945年4月。兵士の軍規違反が頻発するドイツで部隊から逃げてきたヘロルトは廃棄された車両の中で将校の軍服を見つけ、それを身に着け大尉に成り済ました彼は出会った兵士たちを次々と服従させて「へロルト親衛隊」のリーダーになる。
彼の振る舞いはエスカレートし、やがて大量殺りくに向かっていく。

 フェイクナチスものの「劇場版 幼女戦記」に対して本作はリアルナチスもの。
第2次大戦末期のナチス・ドイツで実際に起きた一兵卒による階級詐称事件と捕虜虐殺行為の出来事の顛末を描いたもので、今までにナチス関連作品をそれなりに観てきてはいるけど脱走兵や戦争犯罪を描いたものとなるとだし、何より実話という興味深く後学のためにもということで張り切って観に行ってきた。

 イギリスのミステリー作家のピーター・ラヴゼイの作品で死んだ兵士の軍服を盗んで身分を偽ってという短編があったけれど、戦争も末期になれば実際に生きて帰るために別階級や敵兵の軍服、普通の服を盗むなんてことはごくごく当たり前にあったことなんだろうね。そういうこともあって何となくその偽りに気づいている奴が出てきたりと何時バレのか?と実話とは言え思いのほかサスペンスチックな作り。
 盗んだ軍服の威を借りて権力者となり、その偽りの威を守るために嘘に嘘を重ね、同類嫌悪から脱走兵への暴虐劇は根底に生きたいという誰しもが願う想いがあったとしても許されるものではなく胸クソが悪く、偽りの威がここまで人を変えるのか?と。
またヘロルトに無条件で盲従する者もいれば、ニセ者と知りながらも生き残れもすれば美味い汁も吸えるからと追従する者といった取り巻き連中の集団心理状態、嘘や虐殺が生きるために仕方なくではなく何時しかレクリエーションに変わっている異常さがとても怖い。 ただ収容所以降のエピが長く感じられたのが残念。

 毎度毎度こういうことを言っちゃ~いけねぇのは重々承知してるんだけど、やっぱり好きだから言わずにはいられない。
ヘロルトが乗るメルセデスベンツG4スタッフカーをはじめキューベルワーゲン、「劇場版 幼女戦記」に登場した大好きなユンカースJu52輸送機とナチスの軍用輸送車輛&機のカッコよさたるや。またプラモ再開すっかなぁ。

2019年2月 9日 (土)

劇場版 幼女戦記

066125_youjosenki_poster
 日本
 アニメ&ファンタジー&戦争
 監督:上村泰
 出演:(声の出演)
     悠木碧
     早見沙織
     戸松遥


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 統一暦1926年。南方大陸を舞台にした共和国軍残党との戦いを終えた帝国軍第二〇三航空魔導大隊を率いるターニャ・フォン・デグレチャフ少佐は本国に帰還する。
凱旋休暇をもらえると考えていた隊員たちだったが、参謀本部から新しい特命を下され、連邦国境付近へと向かう中、連邦内部に連合王国主導の多国籍義勇軍が入ってくる。

 日本人の厚顔不遜なエリートサラリーマンが人の怨みを買ったことで殺されるも幼い女の子として異世界転生し一兵士として大戦に参加して云々と原作ともども17年冬アニメ放映でヒットした「幼女戦記」の劇場版。
TVアニメ版では大国の連邦が帝国に対し参戦、敵対姿勢を示しとイイところで終了し「第2クールは何時?」と続きを楽しみしていれば昨今はやりの劇場版にてときた…どっちにせよ是が非でも続きは観たいところなんで張り切って観に行ってきた。

 ヨーロッパ大戦時に似たパラレルワールドだし、軍装こそナチスだけどナチスともドイツとも言ってはいない、主人公のターニャも少女でいわば少年兵だけれども中身は中年サラリーマンだからとある程度の言い訳はたつにしても本作は深夜枠とはいえかなりギリギリのところを攻めた作品と感心させられる。 ED曲(「Los! Los! Los!」)の歌詞なんてほぼ軍歌だよ。
過去に「キン肉マン」のブロッケンJrもドイツ出身の超人ということで原作ではハーケンクロイツ&ドクロの徽章を身につけていたけれど、アニメ放映される際に国外に対する配慮と不謹慎の理由からデザイン変更をされた経緯があったりしたからねぇ。
何にせせよ不謹慎、コンプライアンスと、とかく耳新しい横文字で口やかましくなった風潮の中にあって振り切った作品が少なくなって来ている昨今にあってこのようなギリギリのところを攻めた作品を観られることは実にありがたい。
 それはそれとして本作はフランソワ共和国との北アフリカ戦線(?)からはじまり宣戦布告したルーシー連邦との東部戦線を舞台にターニャを親の仇とし義勇軍に身を投じ、激しい憎悪から魔導師として大覚醒するメアリーとの一騎打ちは迫力があってオモシロくあったけれどもコレといった捻りも無くTVアニメ版の延長戦といったところ…。
劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」のようにイジらずにいつも通りでこそのオモシロさもあるし、パラレルワールドとはいえ元ネタは丸々大戦時のヨーロッパ戦線と史実系だから大きくイジることもできねぇしでムズいところだわなぁ。
何にせよオモシロかったことに変わりはないんで問題なし!

 正直なところターニャ役の悠木碧はあまり得意ではない…逆に副官ヴィーシャ役の早見沙織の癒しボイスは好き。
他にメアリー役の戸松遥と今のアニメ界を牽引する人気若手女性声優さんが顔を揃える中、シュワ氏の声でお馴染みの玄田哲章氏、そしてご贔屓の大塚芳忠氏と男性ベテラン声優さんがレギュラー出演しているバランスは最高。

«ジュリアン