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2018年12月31日 (月)

18年劇場で観た作品タイトルIndex

Iggy_2


 18年、劇場で観た作品のIndexです。

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2018年4月21日 (土)

心と体と

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 ハンガリー
 ドラマ&ロマンス&ファンタジー
 監督:イルディコー・エニェディ
 出演:アレクサンドラ・ボルベーイ
     ゲーザ・モルチャーニ
     レーカ・テンキ
     エルヴィンン・ナジ


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 ブダペスト郊外にある食肉処理場の代理職員マーリアは、人とのコミュニケーションが苦手で、同僚たちになじめずにいた。
そんな彼女を、片手が不自由な上司エンドレが気遣うが、うまくいかない。
ある日、牛用の交尾薬を盗んだ犯人を捜しだすために、従業員全員が精神分析医のカウンセリングを受けることになる。
それを機に、マーリアとエンドレが同じ夢を見ていて、その世界で鹿として交流していたことがわかる。

 「心と体と」のタイトルと夢の共有の設定に心理学を感じさせ、きっと難解で睡魔との戦いになることは目に見えているも本作は17年のベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したうえに今年のアカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされたとあっては劇場に足を運ぶ価値は十分以上にあるであろうってぇことで張り切って観に行ってきた。

 先に述べたように心理学、さらに突っ込めば哲学、スピリチュアルな物語できっと難解であろうの先入観と、冒頭での舞台となる精肉処理場での屠殺シーンの異様な緊張感に気持ち構え気味で観ていたのだけれども、これが大違いでリアルさとファンタジーが混在した幾度となくフフッ♪ととさせられるアキ・カウリスマキ監督作品風味のロマコメぼ趣だったをことに驚き。
終盤やや飽きを覚えたりで、世間の評価ほどに心を掴まれることはなかったけれども老境のオッサンとコミュニケーション障害の女性のふたりの関係が恋に発展するまでを時間をかけて淡々と描いたあたりは好感がもてる。
 夢の中に出てくる冬の森にいるふたりを分身でもある2頭の鹿の映像は幻想的な美しさに対して屠場で死を待つばかりの牛たちの何とも言えない目の(観ていてかなりキツい)現実感の対比はかなりのもの。また 窓から差し込む陽の光や幾度となく映し出されるランプシェードなんかは女性監督らしく温かみや可愛さというものが感じられた。

 例年ならば年に1本公開されれば御の字といった感だったハンガリー映画だけれども経済成長にともなう好景気を象徴するかのように先日の「ジュピターズ・ムーン」と今年に入って早くも2本目が公開。ハンガリーは初めて足を踏み入れた欧州の地ということもあってなにかと思い入れが強いこともあって実によろこばしい。

2018年4月14日 (土)

パシフィック・リム : アップライジング

Pacific_rim_uprising
 アメリカ
 アクション&SF&アドベンチャー
 監督:スティーヴン・S・デナイト
 出演:ジョン・ボイエガ
     菊地凛子
     スコット・イーストウッド
     ケイリー・スピーニー


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 巨大兵器イェーガーを駆使する人類とKAIJUたちとの激闘から10年。今は亡き英雄ペントコストの息子でイェーガー・パイロットとしての活躍を期待されていたジェイクは、環太平洋防衛軍(PPDC)を去って違法なイェーガーのパーツ売買を行っていた。
だが、戦地からイェーガーのパーツを盗んでいたアマーラと共に逮捕され、PPDCのパイロット養成施設へ送られる。
そこで彼は義姉のマコに命じられ、イェーガー・パイロットの候補生の教官を務めることになる。

 敬愛する映画監督で日本の特撮&アニメヲタでも有名なギレルモ・デル・トロ監督が手がけたロボット映画「パシフィック・リム」が公開されたのが5年前であったことに「いつの間に!?」の驚きを禁じ得ない…。
それはそれとして、前作がオモシロかっただけに本来ならばその続編に大きく期待がかかるところも今回はあまり期待させる要素が全然なうえにスカされそうな気配が強くあったんで、正直なところスルーしてもヨカッタのだけれども何時ものように話題作だしということで、とりあえず観に行ってきた。

 前作のドラマ性や暗さみたいなものが薄まったことで軽さだけが目に付き思った通りスカされたといったところ…。
日本のヲタ文化を愛する者としてはフューチャーしてくれるのは実によろこばしく思うも、諸々観ていると怪獣がロボを身に纏うあたりなんかは「機動警察パトレイバー」の「廃棄物13号」だし、その造形と雰囲気は「新世紀エヴァンゲリオン」、そして最後の怪獣の進化なんかは「デジモン」といった趣がしなくも、オマケにガンダムの巨像も姿を見せたりで、途中から「どんだけ【バンダイ】なんだよッ!」で、オリジナル性というものはあまり感じられず。
 どのように怪獣同士が合体進化したのかがよく観えなかった、完全解決と平和な時期が10年もあったから解らんでもないけど、パイロット養成をしていたことを思えば何ゆえにイェーガーの目だった強化、ヴァージョンアップをしてこなかったのだろうか?等の疑問とツッコミは目をつむるとして、人物描写の希薄さだけがどうも…それなりに偉大なる親父の存在に苦悩したりが描かれてはいたけど、それだってそれほど濃くもなかったし、何より次世代パイロットたちのキャラの薄さといったらで何の印象にも残らずですべてにおいて残念な結果となった。なんかまた続編あるようだけれども、おそらく殲滅戦だからバトルに特化たもので、ドラマの方はさらに希薄になりそうな気配だからもうイイかな。

 前作では主役のひとりだった菊地凛子は早々に退場するわ、体を作ってまで挑んでいたであろう期待の新田真剣佑もほっとんど魅せ場なしで日本人俳優陣は残念な結果に。
片や同じアジア圏の中国勢は大活躍で、チュアン司令官役のマックス・チャンを拝めたことと、ゴットリーブ博士といいコンビになりそうな意外と可愛げのあるシャオ社長役のジン・ティエンの存在が本作での一番の収穫かなと。

2018年4月 8日 (日)

ワンダーストラック

Wonderstruck
 アメリカ
 ドラマ&ファミリー
 監督:トッド・ヘインズ
 出演:オークス・フェグリー
     ミリセント・シモンズ
     ジュリアン・ムーア
     ミシェル・ウィリアムズ


                                                                                      【物語】     (シネマトゥデイ)
 1977年ミネソタで、母親を事故で失いおばに引き取られた少年ベンは、母の遺品の中に実父につながる手掛かりを発見する。
その50年前の1927年ニュージャージーで、視覚障害のローズは両親の離婚後、厳しい父親と暮らしていた。
いつも一人ぼっちの彼女は、憧れの女優の記事をひそかに集めており…。

 当初はそれほど興味を惹かれることはなかったのだけれども劇場で予告を観た際に過去と現在の違う時間軸が交差し並行してのファンタジックな作りにどことなくフィリパ・ピアス著の大好きな児童文学「トムは真夜中の庭で」ぽさを感じたことと、何でも17年のカンヌ映画祭でパルム・ドールにノミネートされたことを知り急に観たくなったということで張り切って観に行ってきた。

 先に述べた「トムは真夜中の庭で」のように違う時間軸の不思議な出会いとつながり云々ではなく50年の時を超えて1冊の本によって引き寄せられていくふたりの人生の物語といったもので当初思い描いていた印象とは違ったものであったけれども全体的にやさしい雰囲気が漂い、物語の良さも然ることながら27年と77年の時代背景、舞台となる博物館、美術館に古書店、そして停電に雷にジオラマ、家出という小さな冒険と個人的に超ど真ん中で惹かれるものばかりでグイグイ惹き込まれた。
77年のパートでジェイミーがベンを匿う博物館内にある部屋が剥製や標本が所狭しと置かれている準備室で、展示室とはまた違った例えるならパリにある自然科学&博物学の店「デロール」を思わせる趣の魅力は半端なく、この手のものが好きなオレは胸の高鳴りと羨望を覚えずにはいられなかった。
 27&77年のふたつのパートとも耳が不自由な子が主人公ということで、全体的に【音】に対してとても繊細に気が配られていて取り分けてモノクロ映像ということも手伝ってサイレント映画風の27年のパートが最高。また77年のデヴィッド・ボウイの「スペイス・オディティ」や「2001年宇宙の旅」のテーマ曲の使われ方と選曲がこれまたイイ。
ベンの耳はどうなった?といくつか思うところはあれど、家族愛、友情と取り立てて捻りも大きな盛り上がりはなく、静かなテンポながらも終始温かい目線で綴られていて観ていてホントに心地がヨカッタ。
ラストも静かな余韻が残ってとすべてにおいて好みの一言。

De
 フランス&日本&蝋人形と並んで【剥製】は正直なところあまり得意ではないけれども、先で紹介した自然科学&博物学の店「デロール」の内観の画像なんかを観るとマジで胸がときめく。
この店は剥製だけではなく植物、昆虫(確か天体も扱ってたのかな?)も揃えていて、取り分けてに大好きな鉱物コーナーなんて羨ましくて仕方がない。
というワケで紹介がてら公式サイト&Youtubeでの紹介映像を参照してもらえれば幸いかと。
 (←) 「好奇心の部屋 デロール」 (たくさんのふしぎ傑作集) amazonにて購入可

2018年4月 7日 (土)

ジュマンジ / ウェルカム・トゥ・ジャングル

Jumanji
 アメリカ
 アドベンチャー&ファンタジー&コメディ
 監督:ジェイク・カスダン
 出演:ドウェイン・ジョンソン
     ジャック・ブラック
     ケヴィン・ハート
     カレン・ギラン


                                                                                                                                                           【物語】     (シネマトゥデイ)
 高校の地下室で居残りを命じられた4人の少年少女は、そこでジュマンジという古いビデオゲームを見つける。
プレイしようとキャラクターを選んだ瞬間、彼らは選んだ人物に変身し、ゲーム内の世界であるジャングルへと移動してしまう。
現実とは全く違うキャラクターになった彼らは、カバ、ジャガー、ゾウ、サイの群れなど、次から次へ野生動物と遭遇。危険にさらされながら、何とかゲームをクリアして現実世界に戻ろうとするが…。

 95年公開の第1作目をリアルタイムで観てワクワク、ドキドキさせられた世代だし、大好きな作品でもあるんで、20年の月日が経ちいま一度あのスリルと興奮と味わえるのかと思うとウレシさを禁じ得ない。
ただ、惜しむらくは今はもう前任者のロビン・ウィリアムズの姿を拝めないこと…今回はそこをジャック・ブラックが持ち前の芸達者ぶりで魅せてくれであろうの期待も込めて張り切って観に行ってきた。

 双六というアナログなボードゲームではなく、デジタル化しアバター化したことで現実世界との見た目と4人の関係性の逆転はなるほど巧く現代風にアレンジしてあり、その逆転と普段なら交わることのない4人が危機を脱するために互いを信頼し行動を共にすることで見えてくる自分の弱点=性格のメッセージ性が盛り込まれていて思った以上にオモシロく観ることができた。
 その反面、双六のサイコロを振って出た目のマス目に止まり、そこで起こる数々のトラブルの何が出るかな♪のドキドキ感やワクワク感はかなり薄まってしまっていたように感じられたし、登坂、操縦のスキルを持つ個々のキャラ設定がしっかりしているのはテレビゲームらしくてイイけど、劇中で幾たびとなく繰り返されるNPCの決められたセリフにもあったようにデジタル=プログラムなワケだから襲ってくる敵にしろ動物にしろ決してプログラム外の行動はとらないワケで、その辺がまだ曖昧なボードゲームのほうがまだ好き勝手にトラブルを起こせただろうし、頭を利かせりゃもっと要領よくクリアできたんじゃぁねぇかなぁと…。
まぁコレを言っちゃ~野暮極まりねぇわな。
 各キャラどことなくジョーンズ博士、ララ・クロフトと有名冒険家の感が無きにしもだし、エンディングのガンズ&ローゼズの「ウェルカム・トゥ・ジャングル」もスッゲぇ懐かしく、久々に頭をカラッポにして理屈抜きに楽しめた作品であったことに間違いはない。

 ロック様のキメ顔、マッチョな肉体とは裏腹に心はヲタ&ヘタレ、さすがは芸達者と思わされるジャック・ブラックの見た目はデブのオヤジ、心はモテ女子とギャップ萌する役どころが観ていてオモシロい。
にしてもスペンサーとマーサはいくら互いに初めてのチュウとはいえアレはなぁ…観ていてマジでキモかった…。

2018年3月31日 (土)

ウィンストン・チャーチル / ヒトラーから世界を救った男

Darkest_hour
 イギリス
 ドラマ&伝記&戦争
 監督:ジョー・ライト
 出演:ゲイリー・オールドマン
     リリー・ジェームズ
     ベン・メンデルソーン
     クリスティン・スコット・トーマス


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 第2次世界大戦勃発後、ナチスドイツの勢いはとどまることを知らず、フランスの陥落も近いとうわさされる中、英国にもドイツ軍侵攻の危機が迫っていた。ダンケルクで連合軍が苦戦を強いられている最中に、英国首相に着任したばかりのウィンストン・チャーチルがヨーロッパの命運を握ることになる。彼はヒトラーとの和平か徹底抗戦かという難問を突き付けられ…。

 去年だか一昨年だか忘れてしまったけれども「チャーチル・ファクター」という本作の主人公である英国の首相チャーチルを扱った書籍が大手書店あたりで平積みになっているのを目にして、ちょうどその頃にかけてフランスの大統領ド・ゴールとともに興味があった人物だったこともあって、そのうちこの本を読もうと思っているうちに今に至る…。
そんなワケで、ちょうどイイ具合にチャーチルの人物像を描いた本作が公開となり、それならば活字よりもまずは手っ取り早く映像の方で知識を詰め込んどけってぇことで張り切って観に行ってきた。

 その太々しい風貌と連合軍勝利の立役者ということからゴリゴリのやり手の根っからの政治家であり、強いリーダーというイメージを抱いていたチャーチルだけれども、意外にも英国議会では嫌われ者であったり、戦時下の国家存亡の危機下にあって抗戦か?降伏か?の決断を迫られ葛藤し苦悩したりと政治家としてだけではなく、ひとりの人間として描いていたあたりは「ヒトラー ~最期の12日間~」を思い起こさせるものがあり、英雄にしろ狂人にしろそれをそれとしてではなく、ひとりの人間としての作りが好きなこともあってとてもオモシロく観ることができた。
また、チャーチルの良き理解者ジョージ6世の「英国王のスピーチ」と、本作でも描かれているダンケルク撤退戦を描いた「ダンケルク」と同国同時系列の作品と併せて観るとより一層オモシロく観ることが出来ることと思う。
 チャーチルは戦闘機や戦車ではなく愛国心に訴えかけた言葉で英国を鼓舞し勝利に導き、その【言葉を武器に変えた】の行に「ペンは剣よりも強し」の意味を強く感じた(結果的に勝ったからで、もしチャーチルの取った作戦が失敗していたら無能の烙印を押されたところなんだろうから何んとも言えないところだけれども)れ、偶然とは言え森友学園改ざん文書で国会に証人喚問された佐川氏に対する「指示はありませんでしたね?」の「ね?」と「か?」のたった一文字違いで、国民の心証をさらに悪化させた自民党の丸川珠代女史と、悪い意味で言葉巧みに真実から逃げる日本のリーダー連のバカまる出しの対照的な姿が重なり心底から情けなくと同時に言葉って大事だなぁと。

 目こそゲイリー・オールドマンだったけど、今年のアカデミー賞でメイクアップ&ヘア部門で受賞した辻一弘氏の特殊メイクによって見事チャーチルになりきったゲイリー・オールドマンのどんだけ守備範囲広いんだよ!と感心させられる演技に主演男優賞も納得。出番こそ少なかったけどチャーチルを支える気丈な奥さん役のクリスティン・スコット・トーマスのどっしりとした存在とレイトン役のリリー・ジェームズかわいくて見応えあり。
余談だけどオープニングの実際の映像で「ガルパン」でもお馴染みの大量のドイツ軍のⅣ号戦車の姿に大興奮。

2018年3月25日 (日)

修道士は沈黙する

Le_confessioni
 イタリア&フランス
 ドラマ&ミステリー&サスペンス
 監督:ロベルト・アンドー
 出演:トニ・セルヴィッロ
     ダニエル・オートゥイユ
     コニー・ニールセン
     マリ=ジョゼ・クローズ


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 G8財務相会議の開催を明日に控えたドイツの高級リゾートホテルで、国際通貨基金の専務理事であるロシェの誕生日を祝う夕食会が開かれ、カルトジオ会の修道士サルスが招かれる。和やかな夕食会の後、サルスはロシェに呼び出されて告解をしたいと告げられる。その翌朝、ビニール袋をかぶって亡くなっているロシェが発見される。捜査が開始されサルスに疑いの目が向けられるが、彼は戒律に従ってロシェの告解の内容について話すことを頑なに拒む。

 ろくに内容も確かめもせずただタイトルだけに釣られたといったところだけれども、キリスト教には詳しくはないけれどもキリスト教が絡んだサスペンス&ミステリ-劇の組み合わせ、しかも舞台が欧州となれば理屈抜きに魅力的でオモシロそうなんで、取りあえず観ておけってぇことで張り切って観に行ってきた。

 G8財務相会議の議長であり死体で見つかったIMF専務理事長のロシェから、この会議にゲストとして参加することとなったサルス修道士が世界が一変する金融政策の内容の告解を受けたことから、世界の経済システムを仕切る各国の権力者たちのパワーゲームに巻き込まれてと、本作は宗教サスペンス劇ではなく、会議に参加したサルス修道士の前歴と懺悔告解における守秘義務とキリスト教のシステムを利用した経済サスペンス劇であったことに、事前に何の予備知識を入れていかなかったこともあって、その【金と神】の構図は興味深く、それ故の【欲と心】に深く考えさせられる作品だった。
 と概ね好評も話が思うほど進まず、宗教と経済の特殊で高尚な組み合わせに少なからず構えてしまったこともあってかセリフのひとつひとつが難解に思え、途中オチそうになったり観終わった後に若干の疲れを覚えたりもしたんで、残念ながら合格点にはやや足りずといったところ…今までの静謐でシリアスな展開とは裏腹に皮肉たっぷりでホッコリする最後の修道士とワンコのエピは微笑ましくあるんで観る価値はありかと。

 半ばIMFのロシェ専務理事役のダニエル・オートゥイユ目当てで劇場に足を運んだといったところでもある。
イギリス以外の欧州系のなかでもお気に入りの俳優さんとしていたんだけれども、これが意外にも彼が出演している作品を観るのは07年の「画家と庭師とカンパーニュ」以来実に10年ぶりであったことに驚いた…なんだかんだで結構観てる気がしたんだけどなぁ。こちらも久々の拝顔となったモーリッツ・ブライブトロイ。着実にキャリアを積んでるようで何より。

2018年3月24日 (土)

シルク・ドゥ・ソレイユ 「キュリオス」

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 前回の「トーテム」以来2年ぶりとなるシルク・ドゥ・ソレイユ創設30周年記念の演目となる「キュリオス」を観に行ってきた。
今回の演目のコンセプトは欧米では偶然が重なり合う11時11分から12分までの1分間の不思議な世界、そして時代背景は19世紀の産業革命のスチームパンクと超大好物の世界観。しかも音楽もスウィングジャズとこちらも超大好物なサウンドでオープニングからテンションが上がりまくり、「アレグリアⅡ」「コルテオ」に比肩する仕上がりで創設30周年記念作品に相応しい最高のショウだった。


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 各演目は何時ものごとくボリショイあたりと何ら変わりはないけれども、毎度見せ方に工夫が凝らされていて毎度新鮮味を感じられて観ていてホントに楽しい。
お薦めの演目だったのは本公演で唯一の日本人パフォーマーの「ヨーヨー」と、気球を模したスクリーンに映し出されるアーティストの指だけで演じられる今までのサーカスでは見られない「シアター・オブ・ハンズ」、ファンタジックな演出が光った「バランシング・オン・チェア」。
他にもアクロバットから軟体バランス系とシルク安定の演目ももちろんお薦め。
願わくば会場を交通の便があまり良くないお台場ではなく、以前の原宿に戻して欲しいものである。

    シルク・ドゥ・ソレイユ 「キュリオス


2018年3月18日 (日)

ちはやふる -結び-

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 日本
 青春&ドラマ
 監督:小泉徳宏
 出演:広瀬すず
     野村周平
     新田真剣佑
     上白石萌音


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 瑞沢高校競技かるた部員の綾瀬千早と若宮詩暢が、全国大会で激闘を繰り広げてから2年。
真島太一、綿谷新らと共に名人・クイーン戦に挑む千早だったが、詩暢と戦えない自分の実力不足を痛感する。
そんな中、千早たちの師匠・原田秀雄が史上最強の名人とされる周防久志に敗れてしまい、新が彼に挑戦状をたたきつける。
その後3年生になった千早は、高校最後の全国大会に向けて動くが…。

 16年に競技カルタに青春賭ける高校生たちの姿を描いた人気コミックスを実写化した「ちはやふる -上の句--下の句-」の完結編。前2作に関してはいろいろと細かく思うこともあるけれども、コミックス&アニメの実写版としてはよく出来ていて概ね好印象だったし、団体戦で全国制覇を成し遂げる2年生編も1年生編同様に熱くオモシロくあったエピだから期するところが大きく公開を楽しみにして作品だったんで、張り切って観に行ってきた。

 進級して新戦力を加え、そして全国制覇と2年生編のエピをそのまま引用するも、映画版は本作をもって【完結】とするワケだから全てにおいて中途半端に2年生で終えるよりも学年を3年生としたことで、すべてをおさめるところにおさめて大団円とかなりビシっとスッキリ終れたといった感じ。何より前2作のように千早を含めたカルタ部部員たちの成長劇や千早&新&太一の三角関係にではなく太一と周防の新たな師弟関係に重点を置いて、過去と今、そして未来をつなぐはまさに【結ぶ】で、余計かなぁと思えるエピや演出がなくもだけど、その辺を差っ引いても【結び】にふさわしく思えたし、新の「水沢の3年間に負けた」の満足げな負け姿、その新の姿を羨む若宮詩暢の表情と感情のシーンは時間こそ短いけれども、きっちりと詩暢の心の変化も描かれかなり見応えのあるシーンとなっていて前作を上回る素晴らしい作品だった。
 ただ前作同様に三人の色恋沙汰をもうチョイ削ってカルタ戦に時間を割いてもヨカッタように思えてならない。何時ものごとく原作は未読だからどこまで踏み込まれているの解らんけれども、アニメ版を観る限りじゃそれほど色濃く描かれていなかったように見受けられたし、基本的にカルタ勝負が主役なワケで、同じ熱くなるなら色恋沙汰よりカルタ勝負ってところだからねぇ。
自分の卑小さが情けなくて反省したことで成長した新入部員の花野のエピが描かれていたけれども、欲を言えばオリジナルにあった対戦相手に手加減されたことで本気スイッチが入りと花野が成長していく諸々のエピが観たくもあった。

 本作は周防役の賀来賢人がすっげぇヨカッタの印象しかない。
優希美青&清原果耶のまた新キャラ二人組も存在感があったし美少女で好印象。
惜しくらむはクィーン若宮詩暢の試合での他を圧倒する異様感がそれほど出て無かったの残念とといったところ。

2018年3月11日 (日)

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア

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 イギリス&アイルランド
 ミステリー&サスペンス&ドラマ
 監督:ヨルゴス・ランティモス
 出演:コリン・ファレル
     ニコール・キッドマン
     バリー・キオガン
     ラフィー・キャシディ


                                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 心臓外科医のスティーブンは、美しい妻と二人の子供と一緒に郊外の豪邸に住んでいた。
しかしある少年を家に招いたことをきっかけに、子供たちが突然歩けなくなり目から赤い血を流すなど、異変が起こり始める。
スティーブンは、究極の選択を強いられることになり…。

 どこか退廃的な独特の世界観と谷崎潤一郎作品を思わせるオチがオモシロく、16年の個人的ベスト10で惜しくも10位以内にランクインすることはなかったけれども次点とした「ロブスター」のヨルゴス・ランティモス監督の最新作で、その才能を証明するかのように去年のカンヌ映画祭で脚本賞を受賞したことで、お気に入りの映画監督さんのひとりにの経緯もあって公開を楽しみにしてたんで張り切って観に行ってきた。

 現在を舞台にしているのにどこか近い未来を描いているようなどこか退廃的な世界観と映像は健在。
どうしてこうなったの説明を一切する気のないつくり(潔くもあるし、納得もできちゃうからスゲェ)にモヤモヤ感やもどかしさを覚えるも本作は解らないこそゆえの恐怖、さらに不穏なBGMで緊張感を煽り、終始一貫してイヤ~な心持ちにした挙句に後味の悪いオチ…だけれどもこれが前作に劣らず、と言うより遥かにオモシロかった。
同監督の「籠の中の乙女」は未見だからそうだとは言い切れないけれども、前作と本作に共通して言えることは【選択】というキーワードにあり、その【選択】の吉と出るか?凶と出るか?の緊張感の高さをあらためて思い出させてくれた。
 タイトルの「聖なる鹿殺し」にどのような意味合いがあるのかと思い観ていたのだけれども、観た限りではその辺を意味するものは見当たらなsかった(まぁ、気づけなかった公算が大きくもあるのは否めず)んで、調べてみるとなんでも「聖なる鹿殺し」とは家族のひとりを生贄に捧げなければ家族全員が殺されてしまうというギリシア神話から着想を得ているようで、なるほど本作も全くその通りのストーリーで、この辺を知っていれば今以上にオモシロく観られたのかもと。
本作のギリシア神話、前作の谷崎潤一郎の「春琴抄」の趣と同監督の文学テイストのミステリー&サスペンスにこれからも期待。

 前作同様に人生を大きく左右する選択を迫られ追い詰められていく役のコリン・ファレルの最後の何が出るかな?ルーレットでの鬼気迫る焦燥感はかなりのもの。その妻役のニコール・キッドマンも思いのほか自分本位の役柄で控え目ながら存在感は抜群。さすがは主役級&オスカー女優といったところ。
キーパーソンのマーティン役のバリー・キオガンの不気味極まりない圧倒的な存在感は半端なく、ベテランふたりを遥かに上回っていて今後要チェックの俳優さんに。そのマーティンがフォークをカチャカチャさせながらパスタを喰うシーンは「ゲット・アウト」を彷彿させれたことを思うとやっぱりそういう手口なんかなぁと。

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