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2017年12月31日 (日)

17年劇場で観た作品タイトルIndex

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 17年、劇場で観た作品のIndexです。


     

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2017年9月24日 (日)

三度目の殺人

Sandome
 日本
 サスペンス
 監督:是枝裕和
 出演:福山雅治
     役所広司
     広瀬すず
     斉藤由貴


                                                                                  【物語】     (シネマトゥデイ)
 勝つことを第一目標に掲げる弁護士の重盛は、殺人の前科がある三隅の弁護を渋々引き受ける。
クビになった工場の社長を手にかけ、さらに死体に火を付けた容疑で起訴され犯行も自供しており、ほぼ死刑が確定しているような裁判だった。しかし、三隅と顔を合わせるうちに重盛の考えは変化していく。
三隅の犯行動機への疑念を一つ一つひもとく重盛だったが…。

 今までに映画はおろかテレビドラマですら福山雅治の演技を観たことがないうえに、是枝監督作品も10年ほど前に「花よりもなほ」の1タイトルを観ただけなんで、今さら観に行くのも気が引けなくもあったんだけれども重厚感漂うサスペンスの趣に大きく惹かれ、これも福山雅治と是枝監督に触れるイイ機会でもあったんで、遅ればせながら張り切って観に行ってきた。

 虚偽の証言を繰り返す殺人犯の三隅とそれに振り回される弁護士の重盛による真実をめぐる心理サスペンスかと思っていたのだけれども、謎解きでもなければ法廷劇でもなく、日本の司法制度の矛盾というかあり方の提起と勝ちにこだわり携わった案件に感情を持ち込まないドライな弁護士重盛が人間重盛へと移ろい、その狭間で苦悩する姿とそれぞれの心の機微を重厚に丁寧に描いた人間ドラマで思った以上に見応えの作品だった。また、真相は?も「藪の中」や「ドグラマグラ」の趣がなしなくもで、サスペンス要素も趣もイイ感じにあり、観る人の感性にまかせたモヤモヤ感の残るつくりもヨカッタ。
 「三度目の殺人」とは、法を犯した人間に適切な処分を下す裁判所、法制度によって…ということでヨカッタのだろうか?
また丸くおさめるため真実を明らかにせずの妥協、そのために本心や感情を抑える、つまり自分を殺すといったニュアンスも含まれるのか?と、オレにはちょい難解すぎる作品でもあったのも事実。
 正直なところ難解すぎて感想を語りたくとも適切な言葉も出てこなけりゃ、文章にまとめ上げるのも難儀…簡潔にまとめりゃ強烈に惹き込まれたし、いろいろ考えさせられもして素直に観てヨカッタ。今シーズンのベストにも間違いなく入るといったところ。
それとこれを機に是枝監督の他の作品にも触れてみようにも。

 福山雅治の演技をはじめて目にしたんでイイのか悪いのか正直なところよく解らずも決してキライじゃないなぁと。ただ気になるのはいくら同期とはいえ目上の人に対して呼び捨て、タメ口は如何なものか?と。
役所広司の周りを弄ぶかのように証言を二転三転させる三隅の狂気感や虚無感の演技の迫力には圧倒されるし、広瀬すずちゃんも「怒り」同様に心に暗く深い傷を負う役どころで若いのに守備範囲広いなぁと感心。
陰のあるキャラが多い中にあって常に希望、明るい面をみようとする川島役の満島真之介の存在感が光る。

2017年9月23日 (土)

あさひなぐ

Asahinagu
 日本
 青春
 監督:英勉
 出演:西野七瀬
     白石麻衣
     生田絵梨花
     伊藤万理華


                                                                                  【物語】     (シネマトゥデイ)
 二ツ坂高校に通う1年生、東島旭。中学校では美術部員だった彼女だが、なぎなた部のキャッチコピーに興味を抱き、入部することにする。練習に打ち込む旭は、剣道経験者の八十村将子、背が高いことにコンプレックスを抱く紺野さくら、高い実力を持つ先輩の宮路真春らと一丸となって、インターハイの全国大会を目標に日々鍛錬を重ねる。


乃木坂ちゃんが観たいッ!!

ただその想いひとつのみ! そんなワケで張り切って観に行ってきた。

 そもそも原作ありきだし、女の子とはいえスポ根ものだからよほどアホな演出をしない限り大きくハズれることもないところなんで、決して良くはないけどただただ乃木坂ちゃんを、取りわけて推しのまりか(伊藤万理華)、生ちゃん(生田絵梨花)、ゆったん(斉藤優里)にまっちゅん(松村沙友理)のカワイイ姿が拝めればそれだけでもう十分なんで映画の良し悪しはどうでもイイ。
 てなワケで今回は無条件で評価も大甘になりがちだけれども、そこは乃木坂ファンであるまえに映画ファンとしてきちんと評価せねばなぁと…冒頭での露出狂の兄さんや寺院の尼僧やスパルタ特訓のエピ等とチョイチョイ狙い過ぎを感じて、いささか興ざめを覚えなくも。まぁそれでも一人の絶対的エースの挫折によって個々の意識改革とチーム内の結束が生まれ、それにより成長し強くなっていき、エースともども一段階高みに上るあたりなんかは一つのことに賭ける青春って感じで気持ちヨカッタし、ライバルとの対決での勝利も全国大会とかの大きなものではなく練習試合でってぇところにグっと来る。
 強くあるのに弱気先行の旭をなぁちゃん(西野七瀬)、リーダー的存在の真春をまいやん(白石麻衣)、縁の下の力持ち的役割で部長の野上をここまで3列目&アンダーで乃木坂を支えてきたまりか(伊藤万理華)と、今回のキャスティングとキャラがマッチングしているのか否かは原作は未読なんで知りようがないところなんだけれど、乃木坂内での役割と重なるところがあって適材適所の印象は強くあって乃木坂ファンとして、まりかの良さとカワイイ丸顔も堪能できてまりか推しとしてもかなり好印象。
思いのほか出番の少なかったライバルの一堂寧々役の生ちゃん(生田絵梨花)も凛々しくて申し分なし。
生ちゃんの先輩役の樋口柚子って子はひなちま(樋口日奈)に似てるなぁと思ったら実のねぇちゃんだった。

 薙刀の演技は猛特訓したとのことで、それらしくは観えたけれどもやっぱ付け焼刃であることに変わりはなく、合気道ではあるけれど10年近く武道の末席に身を置いてる者としては残心や打ち込みの甘さ等はまだ仕方のないことと見ても、構えた時の腰の位置が高い、つまり棒立ちなところが気になって気になって仕方がなくと細かいところに目がいってしまう…なにかしら武道をたしなんでいればまた違ったんだろうけどこればっかりはね…。
演技の方は生ちゃんやまりか、玲香なんかは乃木坂内での定期公演のほかに他での舞台経験も豊富なだけにアイドルとしては巧いほうだったのではと贔屓目に見てみる。
まぁそんなこんなで、乃木ヲタのための作品といったところで、乃木坂ファンとしては大満足であります。

【余談】
11月の東京ドームでの2日間のコンサートのチケット1次選考受付ハズレてしまった…。
2次選考に賭けるんで、当たるよう祈ってやってください。ホントよろしくお願いします。

2017年9月17日 (日)

エイリアン : コヴェナント

Aliencovenant
 アメリカ
 SF&ホラー
 監督:リドリー・スコット
 出演:マイケル・ファスベンダー
     キャサリン・ウォーターストン
     ビリー・クラダップ
     ダニー・マクブライド


                                                                                  【物語】     (シネマトゥデイ)
 宇宙移住計画を遂行するため、コールドスリープ中の男女2,000人を乗せた宇宙船コヴェナント号は、植民地の惑星に向かって宇宙を航行する。最新型アンドロイドのウォルターが船の管理を任されていたが、途中で事故が発生。
乗組員たちは必死で修復作業に取り組み…。                                         

 前作「プロメテウス」から5年その続編ということにもかかわらず失念…めんどクセェを理由に復習を怠ったまま挑むことに。
そんなワケで忘れてしまっているところも多々あれど、そうそう大きく新展開なんてものはないだろうし、取り合えずエイリアンの怖さと巨匠リドリー監督の重厚な作風を楽しめればそれで十分ってぇ心持ちのなか張り切って観に行ってきた。

 1作目をなぞりながらロボットアームを彷彿させるクレーンや動態反応レーダー等と2~4作目の諸演出のイイ所どりだったんで、オールドファンとしてはそれなりに楽しめたといった言いたいところだけど、エイリアンの起源について語りながらもどちらかと言うとアンドロイドの自我、葛藤に焦点が置かれていたような印象を受けた…まぁ、過去のシリーズでもアンドロイドが常に鍵を握っていなくもあったから問題なしも「エイリアン」というよりかは同氏の「ブレードランナー」ぽくあったかなぁと思えなくも。
 エイリアンの形成過程の第一段階が菌類の胞子的なものが体内に侵入し寄生して云々をはじめ、たしか「4」で人とエイリアンのハイブリッド種を作り出そうとしてたけど、本作の時点でそれに近いものが誕生していたりと「何か違うんだよなぁ…エイリアンってなんかもっとこう…」と、いまいち納得いかないところが多々あったような思いが無きにしも。
終盤でウォルターとデヴィッドは入れ替わったのだろうか? ダニエルズがデヴィッドのアゴ下にクギを差し込んだのにそのキズ跡が見当たらなかったことを思えば、ウォルターがデヴィッドの意思を引き継いだのだろうか?とも取れモヤモヤが残る。
何にせよ、同じ顔なのだからデヴィッドか否かの確認を怠ったダニエルズのあまりの不用意さはいかんともしがたい。
そのアンドロイドのデヴィッドが冒頭で創造主に名前を聞かれダビデ像を見上げなかがら「デヴィッド」と答えたところで「なるほど、ダビデの英語読みがデヴィッドなのか!」と勉強になり本作でいちばん興味深いパートだった。
 そんなこんなで、それなりにオモシロくはあったけれども世間の評価ほどにはといったところ。エイリアンの生態や誕生の秘密はそれなりに解明されるも、それほど話は進んでおらずだし、続編までまた数年待たされた挙句、おなじような展開だとさすがにイイ加減もうイイかなぁという気にならなくもないんで、手を変え品を変えの工夫とスパンをあけずの公開を望む。

 ダニエルズ役のキャサリン・ウォーターストンって「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」 のヒロインの女優さんだったのか。まぁ「ファンタスティック~」でも正直なところあまりピンとくるものがなかったから覚えてないのもムリねぇかなぁと…。
前作の「プロメテウス」のノオミ・ラパスといい前シリーズのシガニー・ウィーバーのリプリーの壁を越えられないのがね。
ちなみに一人二役でがんばっていたマイケル・ファスベンダーは個人的に「アサシン クリード」と併せて2連敗。

2017年9月16日 (土)

オン・ザ・ミルキー・ロード

Otmr
 セルビア&イギリス&アメリカ
 コメディ&ロマンス&ファンタジー
 監督:エミール・クストリッツァ
 出演:モニカ・ベルッチ
     エミール・クストリッツァ
     ミキ・マノイロヴィッチ
     スロボダ・ミチャロビッチ


                                                                                  【物語】     (シネマトゥデイ)
 戦時中のある国で、銃弾を横目にしながらロバに乗って、兵士たちがいる前線までミルクを届けているコスタ。
コスタは、村の英雄ザガの花嫁になるミステリアスな美女と出会い、恋仲になる。
しかし、彼女のある過去のために村が襲撃され、二人は村を飛び出す。

 敬愛する映画監督のひとりであるエミール・クストリッツァ監督の「ウェディング・ベルを鳴らせ!」以来(「マラドーナ」もあったけどこちらはドキュメンタリーなんで除外)約10年ぶりとなる新作。しかも珍しくモニカ・ベルッチと世界的に名の通った女優さんをキャスティングとあったりで、いちファンとしては久々もあって期するところが大きくあったんで張り切って観に行ってきた。

 戦争、動物、ロマンス、音楽、結婚式と祝祭で彩った寓話的世界観はクストリッツァ節健在といったところで、その辺は満足いくものではあったけれども、中盤以降から牧歌的な雰囲気は一気に薄れ、やたらと人と動物が無暗に殺されていくシーンが目につき、過去の作品でもシニカルさこそあれここまで暴力的な描写(この辺は戦争における犠牲云々の諸々を語ってるんだろうけど)を観た記憶がないだけにいつもとは違う作風に戸惑いというか、馴染めずで中盤以降はしんどさが先行した感じ…個人的には「アンダーグラウンド」の一大叙事詩的な作風よりも、近々の作品のドリフを彷彿とさせるドタバタ大団円や観終わったあとのホッコリ感が好みなうえに期待していただけにチョイ残念といったところ。
 音楽のリズムにあわせて体を動かす主人公の心情を表したハヤブサ、ロバ、クマ、ヘビ、観るのがつらくあったヒツジの群れと本作でも動物たちの活躍は目覚ましいものがあった。ヘビはやむなくCGになってしまったけれどもそれ以外はすべて本物というからスゴイ。ホント毎度毎度クストリッツァ監督の動物の描き方は観ていてとても楽しくあるのは間違いないところ。
今でこそセルビアもクロアチアも平和になり観光立国になってるけど、10年ほど前までは互いに殺し合うことが日常であったりしたからこそ、クストリッツァ監督は平和を意味する結婚式や祝祭に対して特別な感情を持っているのかもなぁと本作を観てあらためて感じさせられた。

 ヒロインの花嫁役のモニカ・ベルッチはイタリアの宝石と称されただけあって50代になっても確かにキレイだとは思うけど、世間で誉めそやかされるほどイイとは思えず…同じ50代なら贔屓なこともあってコン・リー様の方が断然あり。
そんなワケで主人公コスタに恋するでもう一人のヒロインのミレナ役のスロボダ・ミチャロヴィッチの方に目が行ったかなぁと。

2017年9月10日 (日)

ダンケルク

Dunkirk
 イギリス&アメリカ&フランス
 戦争
 監督:クリストファー・ノーラン
 出演:フィオン・ホワイトヘッド
     トム・グリン=カーニー
     ジャック・ロウデン
     ケネス・ブラナー


                                                                                【物語】     (シネマトゥデイ)
 1940年、連合軍の兵士40万人が、ドイツ軍によってドーバー海峡に面したフランス北端の港町ダンケルクに追い詰められる。
ドイツ軍の猛攻にさらされる中、トミーら若い兵士たちは生き延びようとさまざまな策を講じる。
一方のイギリスでは民間船も動員した救出作戦が始動し、民間船の船長ミスター・ドーソンは息子らと一緒にダンケルクへ向かうことを決意。さらにイギリス空軍パイロットのファリアが、数的に不利ながらも出撃する。

 戦場を舞台とした作品はあまり得意でないんだけれども、緻密な作りでヒット連発し40代にして巨匠と称されるクリストファー・ノーラン監督だから絶対的に間違いないところだろうし、欧州における第二次世界大戦時の大規模な戦闘といえばノルマンディー上陸作戦とスターリングラード攻防戦くらいしか知らず、ダンケルクの戦いなんぞは本作の公開まで全然知らなかったんで、観ておけば後学にもなるべと思い張り切って観に行ってきた。

 敵に完全包囲され撤退のための救出部隊の到着を待つ兵士、救出輸送船の援護をするため出撃する英国空軍、そして徴用された船舶で救出に向かう非戦闘員の人たちと三者三様の立場と陸海空とそそれぞれの視点と時間軸で描かれた本作は今までの戦争映画とは違った趣を感じたし、戦争映画というと一気呵成の電撃戦や一進一退の攻防戦が多く目につく中にあって撤退戦というシチュエーションも目新しく感じられた。
 また、情報らしい情報がなく観たまんまを情報とするだけに主人公をはじめ救出をただじっと待つ兵士と同じ状況に置かれることで緊迫感と臨場感の度合いが半端なく、時を刻む秒針か鼓動を思わせる切羽詰まるBGMの効果はさらに緊迫感を煽るかのようでその効果は抜群。そして何より陸海空から徐々に包囲の輪を縮めてくるドイツ兵の姿が全く出てこない、なのにドイツに攻め立てられている演出はスゴイの一言と、物語どうこうではなく演出の妙や映像美で楽しませてもらえた作品といったところで、難を挙げるとすれば時間軸が行ったり戻ったりなのでついて行くのがチョイ難儀だったことくらい。
 勇気ある非戦闘員の人たちの行動で多くの兵士の命(人的資源)の損失を免れたことは紛れもない事実で、このことをイギリス人が誇りに思っていることもわかるけど、この辺は3.11の震災で取るもの取らずに即被災地にはいったボランティアの人たちとおなじで「今、自分に出来ることをやるだけ」の精神で、これを勇気ある行為と無条件に美談として捉えないように気をつけねばなぁと捻くれてみたりみなかったり。それでもミスター・ドーソンの子供を戦争に巻き込んだのは大人の責任のセリフには大感銘。

 ダンケルクの救出作戦の指揮を執るボルトン中佐役のご贔屓のケネス・ブラナーが渋かったし、死を覚悟して最後まで戦地に残る様は指揮官の鑑で「中佐殿、自分もお供します!」と言いたくなる(まぁ実際、遠慮なく逃げさせてもらうけどね)くらいカッコイイ。本作とは関係ねぇけど年末公開の氏監督の「オリエンタル急行殺人事件」が楽しみでならない。
戦車好きであまり戦闘機には興味ないんだけど、英国機スピットファイアと独機メッサーシュミットによるドッグファイトには興奮させられ、戦車ばかりではなくたまには戦闘機のプラモでも作ってみるかなぁという気にならなくも。

2017年8月26日 (土)

関ヶ原

Sekigahara
 日本
 時代劇
 監督:原田眞人
 出演:岡田准一
     役所広司
     有村架純
     東出昌大


                                                                                  【物語】     (シネマトゥデイ)
 豊臣秀吉の死後、豊臣家への忠義を貫く石田三成は、天下取りの野望に燃える徳川家康と対立を深めていく。
そして1600年10月21日、長きにわたった戦国時代に終止符を打った歴史的合戦「関ヶ原の戦い」は、早々に決着がついた。
有利と思われた三成率いる西軍は、なぜ家康率いる東軍に敗れたのか…?

 武将を筆頭に文化人、商人に僧侶に姫といままでに200人以上の人物を扱った小説を読んできてライフワーク(趣味)のひとつにしている戦国時代。他の戦国時代好きの人はどうだか知らないけれど、個人的に【関ケ原】は数ある合戦のなかでも取り分けてオモシロく興味深いパートだから、かつて角川映画が海音寺潮五郎氏の武田、上杉の「第四次川中島の戦い」を描いた「天と地と」を大々的に映画化したようにいつか【関ヶ原の戦い】もと思い続けていたんで、絶対的に見逃すワケにはいかねぇってぇことで張り切って観に行ってきた。

 「功名が辻」をはじめ「箱根の坂」「播磨灘物語」に「尻喰らえ孫市」「戦雲の夢」「夏草の賦」と司馬遼太郎氏の戦国時代を扱った作品を読んでいるうえに、いちばん興味があると言いながらも関ケ原までに命と家名を保てた人物を読めばかならず関ケ原に関わるだけにここをクローズアップした本作を読まなくてもの思いから原作は未読。
だもんだから比べようもないし、史実だからそう変な脚色を加えることもねぇだろうから素直に人馬入り乱れての合戦の迫力と、決戦前の自陣取り込み作戦の政争の妙味を楽しみながら鑑賞。
 と、行きたかったのだけれども関ヶ原の戦いでいちばんオモシロいと思われる決戦に至るまでの家康と三成の確執と狡知に長けた家康の練りに練られた数々の事前工作の行が気持ち薄く感じられたし、家康に対してあまりイイ感情を抱いていない司馬氏だから承知してはいたけれど、すべてが三成目線で描かれていることで逆に大のアンチ秀吉&三成で家康のその政治力に惹かれるオレとしては家康があまりいいイメージで描かれていないこともあって微妙なイライラ感が募ったかなぁと。
 まぁそれは逆もまた然りだから仕方のないこととして、寝返りを躊躇する小早川秀秋に対して家康が秀秋の陣にむけて威嚇射撃(諸説あり)をしたエピをはじめ、三成が七将の襲撃から女装して家康の下へ逃げた、処刑直前に警護に水を頼むもなく、かわりに差し出された柿をみて「柿は胆の毒ゆえ食わぬ」と断ったこと、そして小山評定、島津による敵陣中央突破の退き戦といった数々の見せ場となる逸話が省かれていたり、何より解せないのは弩弓(ボウガン)を使っていたことで、日本において中世以前ならいざ知らずこの時代に弩弓は使われてはいないし、大砲も砲弾がただ落ちてくるだけ、もしくは打ち砕くだけで爆発はしなかったのに爆発するわ、それに大谷刑部を介錯し首を隠し埋めた湯浅五助を紹介しながらも島左近の最期は変に脚色したりと史実に副わないと思わる演出は解らなくもないけど、いち戦国好きとしてはどうしても…。
そんなこんなで良くもなく悪くもなく…で、きっと原作はビシっと決まるくらいにオモシロいんだろうなぁと。

 歳のせいなのか? 早口の台詞まわしが聞き取りにくいったらありゃしない。だもんだから最近では風格が出つつある岡田君だったのになんかもったいと思わなくも。そんな中にあって家康の役所広司と利家の西岡徳馬は聞き取れるからさすがといったところ。また島津義弘役は麿赤兒しかいねぇだろと思っていただけに案の定だったからウレシさも一入。
まぁ、多くの歴史小説に架空の忍びキャラが登場し、ときとして物語の盛り上がりに一役買っているから必要なのも解らんでもねぇけど、個人的にはあまり必要ではなし…だもんで、有村架純とか必要なかったかなぁと。

2017年8月20日 (日)

ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦

Anthropoid_2
 チェコ&イギリス&フランス
 サスペンス&戦争&ドラマ
 監督:ショーン・エリス
 出演:キリアン・マーフィ
     ジェイミー・ドーナン
     トビー・ジョーンズ
     シャルロット・ル・ボン


                                                                                【物語】     (シネマトゥデイ)
 第2次世界大戦下、ナチスの実力者ラインハルト・ハイドリヒは、“金髪の野獣”と恐れられていた。
彼の暗殺を企てたイギリス政府とチェコスロバキア亡命政府の指令を受け、ヨゼフやヤンら7人の暗殺部隊がチェコ領内に潜入する。現地のレジスタンスの協力を得て襲撃計画は実行されるが、ナチスは壮絶な報復に乗り出し…。

 ナチス高官アドルフ・アイヒマン、ドイツ国内にも抵抗運動をした市井の人たちの存在、そして連合諸国の経済に混乱を来すために展開された贋札ばら撒きを旨としたベルンハルト作戦(「ヒトラーの贋札」)とこれまでに多くのナチスドイツ関係の作品を観てきたことでいろいろと知り得ることが出来てきたけれども、それでもまだまだ知り得ないことが多くあるようで、本作のチェコスロバキアで起こった同国軍と英軍共同のナチス高官暗殺とした「エンスラポイド作戦」もそのひとつ。
そんなワケで後学のためにもと思い張り切って観に行ってきた。

  ラストのナチスとの大々的な教会での籠城戦においては多少の演出が施されていたようだけれども、プラハ市内に潜入する暗殺部隊による隠密裏の行動や会議の日々の活動内容をはじめ、容赦ない拷問シーンで行われたその手口と内容、そして自決と諸々のエピは鑑賞後wikiで調べた限りではありのままを描いているようで、終始半端ない緊張感を余儀なくされた。
 自分可愛さと家族のため、高額の懸賞金に目が眩み味方から密告者へと落ちていく者、協力者として捕まり拷問を受けその暴力にやむを得ず屈して(恐怖のあまり失禁するシーンはとてもリアル)いってしまう者、大義や信念のために敵の前に膝を屈することなく最後まで戦い自決していく者と暗殺計画に関わった人たちそれぞれのあり方はどれも臨場感があり共感できる。
また終盤の籠城戦で頼り無さげなヤンがヨゼフから教わったテンパった心を落ち着かせる方法を仲間に施すヤンの姿に成長と覚悟決めた者の強さを観た思い。ただ、ヨゼフが最後に見た光景のなかに想いを寄せていたレンカが出てくるんだけど、劇中2人のロマンスはほとんど語らることがなかっただけに何故にここで?の印象は拭えず。
 大規模な報復を受けることを解っていながらもナチスの№3でありチェコ統括者のハイドリヒの暗殺せずには納まらない恨みで膨れ上がったチェコ人たちの心持も解らんでもねぇけど、幹部ひとり殺したたところでだし、5000人ちかいチェコ人が犠牲になったことや共同作戦をはった英国がドイツと結んだ条約を破棄させ、かつ臨戦態勢にはいる大義名分を与えるためだけの裏がある作戦と思えなくもだから、グっと堪えるなり他にも手があったのはと思えなくも…正解がないだけにムズかしい問題だ。

 ヨゼフ役のキリアン・マーフィは長く骨ばった顔ということもあって往年のチェコスロバキア人プロテニスプレーヤーのイワン・レンドルに似てなくもなんで、アイルランド人だけれども東欧系と言われてもさほど違和感なし。
また粒子の粗い映像が当時のプラハの雰囲気を出していたように思えた。

草原に黄色い花を見つける

Yellow
 ベトナム
 ドラマ&青春&ロマンス
 監督:ヴィクター・ヴー
 出演:ティン・ヴィン
     チョン・カン
     タイン・ミー
     マイ・テー・ヒエップ                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                   


                                                                                   【物語】     (シネマトゥデイ)
 ティエウとトゥオン兄弟はいつも仲良く遊んでいたが、そろそろ思春期に差し掛かる12歳の兄は幼友達のムーンのことが気になって仕方がない。ある晩、火事が起きてムーンの家が焼けてしまったため、しばらくの間兄弟の家で彼女を預かることになる。もやもやした気持ちを消化し切れないティエウは、ムーンが弟とばかり遊ぶ様子を見て嫉妬心を抱き…。

 最近では日本でも「ザ・レイド」のヒットでインドネシアやシンガポールあたりの作品も観られるようにはなったもののオモシロい、良作をコンスタントに世に送り出しているタイが引っ張っているのが実状の東南アジア映画。
そんな中にあって本国ベトナムで大日イットを記録したという本作が公開。個人的にベトナム映画は20年ほど前に観たトラン・アン・ユン監督の「シクロ」以来(ベトナム映画かと思いきやフランス映画だった…。)だし、大好物の郷愁を誘う胸キュン青春ものでもあるしで、観るにはイイ機会ってぇことで張り切って観に行ってきた。

  80年代末期のベトナムの田舎の村を舞台に民間伝承の寓話を織り交ぜつつ繊細で頭はイイけどチョいとおバカな行動をとりがちな思春期を迎えた兄ティエウと聡明で快活な弟トゥオンを中心に初恋、貧困、家族のエピをベトナムのキレイな景色とともに詩情ゆたかに綴られた本作は確かに良くはあったけど、後半にかけての盛り込み過ぎ感にしつこさを感じてしまい、もろ手を挙げてヨカッタとは言い難く…といったところ。最後の盛り込み過ぎがなければかなりの高評価だった気がしないでも。
 想いを寄せるムーンと彼女と自分以上に仲よくする弟トゥオンに対する兄ティエウの嫉妬心、その嫉妬心が引き起こす取り返しのつかない出来事への後悔、取り分けて弟トゥオンが可愛がっていたペットのカエルの顛末を知っていながら内緒にし、カエルが連れ去られるのを止めもせず黙認した裏には弟に対する意地悪な感情があったことに対する自己嫌悪、そして大人ぶっていても怖い話を聞いたことで夜の暗闇や物音を怖がったりと思春期を迎えた少年の複雑で繊細な心の描かれ方は見事。
 詩を綴ったラブレターが盗作の…引用のまた引用だったラストは微笑ましく、クレジット時の劇中でも語られる寓話の「カエルとお姫さま」のアニメは思った以上に素晴らしい出来ばえで、可愛らしくもあるんでここだけでも一見の価値は大いにあり。
と、かなり好印象であるのも関わらず先の理由からチョいと残念な結果となってしまった…。

 兄ティエウ役のティン・ヴィンは本郷奏多に似ていてイケメン君、弟のトゥオンとヒロインのムーン役の子たちもカワイイ。
ベトナムの豊かな自然が子供たちの溌溂さをさらに引き出していたように思える。

2017年8月13日 (日)

スパイダーマン : ホームカミング

Spi0002
 アメリカ
 アクション&ヒーロー&青春
 監督:ジョン・ワッツ
 出演:トム・ホランド
     マイケル・キートン
     ゼンデイヤ
     ジョン・ファヴロー


                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 15歳の高校生ピーター・パーカは、まるで部活動のようなテンションでスパイダーマンとして活動していた。
まだ若い彼の才能に気付いたアイアンマンことトニー・スタークは、ピーターを真のヒーローとして育てようとする。
スタークに新しいスーツを新調してもらったピーターは、意気揚々と街へ乗り出し…。

 2ndシーズンの「アメイジング」がシリーズ半ばでありながら、「アベンジャーズ」との絡みもあって心機一転して3rdシーズン突入にもはや「アベンジャーズ」とその派生作品に対してあまりイイ感情を抱いてないこともあって何だかなぁの心持ちだったんで、当初はスルーするべと思うもそれでもやっぱり好きなシリーズなんで、とりあえず観てから切り捨てるか否かを決めようと思い気合いを入れて観に行ってきた。

 スパイダーマンとアイアンマンが常に行動を共にするのではなく、アイアンマンは要所要所で力を貸す程度でピーターがヒーローとして、少年から大人への独り立ちを見守る後見役に徹し「アベンジャーズ」と絡んではいるものの一線引いたつくりにアイアンマンがどのくらい絡み、且つ「アベンジャーズ」色が濃くあれば切り捨てることも考えていただけに一先ずひと安心。
 ピーターがスパイダーマンになるまでの経緯、ベンおじさんが死ぬエピが端折られてはいた(同じ行を3回観るもこれはこれでキツいものあり)けれども、前2シリーズ同様に悩める思春期ヒーロー、決して根っからの悪ではない敵、地球や宇宙に神の世界レベルではないご近所界隈での正義譚とらしさがきちんと踏襲されていて「スパイダーマン」としてしっかりした作品だった。
何より15歳ゆえの正義感と、大人や周りの人に認められたいという欲からの先走り、逆に色恋沙汰に関してはおくてと青春まっただ中感の思春期の心模様がバランスがよく描けていたように思えたし、その若者をスタークが本作では登場しないベンおじさんに代わって手綱を握り諭していくあたりにスタークのオレ様キャラとは違った新しい一面が観られてかなり好印象。
 敵のバルチャーも先に述べたように決して根っからの悪ではない敵で、確かに間違った行為ではあるものの彼が背負う家族と仲間への責任、純粋に悪いことはダメの大人と子供たがいの正義vs正義の構図もなかなか見事だったんじゃないかと。
そのバルチャー役のマイケル・キートンだけど誰しもが復活作の「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 」を彷彿させられたことと思うし、心憎い遊び心に感慨深くもありオモシロくもある。
そんなワケで、当初の杞憂もどこへやら?の満足以上とあいなったし、次回作への期待も大いに持てる結果となった。

 ピーター役のトム・ホランドは設定の高校生とは思えない鍛えられた肉体はたいしたものだと思うものの、まぁ可もなく不可もなくといった印象かなぁと。椅子の男となる気の良いネッド、聡明でありかつピーターに気があるも皆から一歩引いて斜に構えるミシェルと周りの魅力ある友人たちの存在が光る。観ていてそれほどカワイイとは思えなかったミシェル役のゼンデイヤだけど、画像をみるとけっこうカワイくある。おそらくブスメイクってやつで磨けば光るの方向性なんだろうね。

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