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2017年12月31日 (日)

17年劇場で観た作品タイトルIndex

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 17年、劇場で観た作品のIndexです。

                                                                                         
     

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2017年10月22日 (日)

我は神なり

Thefake
 韓国
 アニメ&サスペンス&ドラマ
 監督:ヨン・サンホ
 出演:(声の出演)
     ヤン・イクチュン
     クォン・ヘヒョ
     オ・ジョンセ


                                                                                  【物語】     (シネマトゥデイ)
 ダムの建設が決定し、水の底に沈む予定の小さな田舎の村に、乱暴者で村人たちに煙たがられているキム・ミンチョルが久々に戻ってくる。彼の妻をはじめ隣近所の人たちはこぞって新たに村に建てられた教会に通い、若きカリスマ牧師ソン・チョルを崇め立てていた。ある日、ミンチョルは警察で指名手配犯のポスターに教会の長老といわれるチェ・ギョンソクが写っているのを目にし…。

 宗教に関しては無神論者でもないし、困ったときの神だのみのその場限りの信仰心しか持ち合わせていないクセに人がどういった理由で信仰に目覚め、のめり込んでいくか?のプロセスと新興宗教の信者獲得の手口に興味がある。本作はまさに持てこいだし、韓国産のアニメという珍しさも手伝って公開を楽しみにしていた作品だったんで張り切って観に行ってきた。

【ネタバレ気味注意】
 全てが狂ってる、歪んでる、卑しく誰ひとりとして好感が持てない…だけど、その衝撃は半端なく大傑作の一言!
真実を語りながらもその唯我独尊、厚顔無恥ゆえ誰からも信じてもらえない家族はもちろん他人からも嫌われる男、神の名を騙り嘘を信じ込ませて金を吸い上げる詐欺師、神の教えを忠実であろうとするがゆえに無自覚の悪に陥る牧師、そして疑うことをせず盲信する村人を軸に対立、信仰とは?を問い、そして宗教でありながら救われない憎しみやもどかしさに満ちた作りは凄まじいまでにエグい。コレがアニメではなく実写だったらどんな具合になってたのだろうか?
 儒教の国でありながら大半がキリスト教徒であり、風土に合わせた独特の進化を遂げ、振興キリスト教が多く派生した韓国ならではの宗教事情の歪み(信仰宗教ならこの辺の歪みは世界共通だろうけどね)を観させられたといった感じで心底スゲェ作品を観たという思いでいっぱい。また終盤からラストにかけてのミンチョルの娘の希望を撃ち砕く引き金となった「運命だから」のセリフと、自分が招いた結果に後悔し赦しをを乞うため神にすがる自業自得とはいえその救われなき痛々しい姿に心が重くなった。
 だいぶ前に観た「ぼくのおばあちゃん」でも同様な印象をうけたのだけれども、韓国の田舎って未だに整備されていないところが多くあるように見受けられる。こういった辺りは格差が厳しい韓国の都市部と田舎の格差の姿なのかなぁとも。
とにもかくにもスゴイ作品で、今シーズンのベスト作品の上位の上にくること間違いなし!

 公開中の「ソウル・ステーション / パンデミック」「新感染 ファイナル・エクスプレス」ともにすこぶる高評価のヨン・サンホ監督。
そんなワケだから観に劇場に足を運んでみようかなぁと思うも、本作を観た今となっては本作以上の衝撃は得られそうにもねぇし、この昂ぶりを大事にしてぇという思いもありでどうするか思案中…何にせよ要チェックの人物であることに変わりはない。

女神の見えざる手

Miss_sloane
 フランス&アメリカ
 ドラマ&サスペンス
 監督:ジョン・マッデン
 出演:ジェシカ・チャステイン
     マーク・ストロング
     ググ・ンバータ=ロー
     ジョン・リスゴー


                                                                                  【物語】     (シネマトゥデイ)
 敏腕ロビイスト、エリザベス・スローンは、銃所持を後押しする仕事を断って、大会社から銃規制派の小さな会社に移る。
卓越したアイデアと決断力で、困難と思われていた仕事がうまくいく可能性が見えてきたが、彼女のプライベートが暴露され、さらに思いも寄らぬ事件が起こり…。

  ご贔屓のトムさん主演の最新作「バリー・シール」を観るつもりも、いくら大好きな実録犯罪ものとはいえコメディタッチのものよりも、先日のラスベガスでの銃乱射事件とリンクするかのようなアメリカの銃社会と銃規制に関するロビイストを扱った政治サスペンス劇の本作の方が魅力度も社会性の度合いも大きくあったんで、間際になってトムさんに背を向けることに決定。
これも敏腕ロビイストに説きおとされたものと思って許してくれと、心の中でトムさんに謝りつつ、張り切って観に行ってきた。

 敵陣営の人物を盗撮盗聴し弱みを握っての抱き込み、銃による被害者のメディア利用と目的達成のために汚いことこの上ない数々の手口を仕掛けるエリザベスは常軌を逸した感が半端なく、主人公としては共感するには難のあるキャラクターではあったけれども、莫大な資金と支持者を持つ大きな組織、伝統的な風潮を相手に勝利を収めんとするならば徹底して人間性捨て去る姿に圧倒させられ、当初は仲間すら信用せず利用するものであったエリザベスが最後に頼りとしたものが仲間に至った姿も爽快と、期待を遥かに上回る出来でかなり見応えのあるオモシロい作品だった。
 観ているとおそらくレーガン大統領暗殺未遂事件の後日譚やコロンバイン銃乱射事件等の出来事が随所でモチーフになていることが窺え、それと同時に前半部での仲間同士のミーティングでの会話の内容も統計やら事例、判例が多々登場しその圧倒的な情報量ゆえについてい行くのに疲労感を覚えたのと、エリザベスが窮地に陥りながらも勝ちに勝るものなしだけが理由で勝ち目の低い戦いに身を投じ、戦い抜いたとは思い難く…ほかに突き動かす【何か】があったように思えてならないし、相手が出した切り札より強力な切り札が何なのか?が即わかりしてしまうあたりはもったいなく、この辺が難といえば難だったかなぁと。
 ロビイストってざっくり言って折衝役程度のものとして見てなかったけど、どこまでが本当なのかは「?」として本作を観る限りじゃ、優秀なロビイストとバックに資金をもった組織があれば法案の良し悪しは関係なくのように見えなくも…つまるところ政治を動かしているのは政治家ではなくで何とも…といったところ。

 「ゼロ・ダーク・サーティ」のイメージが強いこともあってジェシカ・チャステインは特異な職業の役柄が似合う。
個人的に本作は派手さはないものの雇い主のロドルフォ・シュミット役のマーク・ストロングに目が行った。
ホントこの俳優さんも守備範囲広いよなぁと感心。

2017年10月14日 (土)

猿の惑星 : 聖戦記 (グレート・ウォー)

Wftpota
 アメリカ
 アクション&アドベンチャー&ドラマ
 監督:マット・リーヴス
 出演:アンディ・サーキス
     ウディ・ハレルソン
     スティーヴ・ザーン
     アミア・ミラー


                                                                                  【物語】     (シネマトゥデイ)
猿と人類の全面戦争が始まってから2年が経ち、シーザーが率いる猿の群れは、森の奥深くのとりでに姿を隠していた。
ある日、奇襲によってシーザーの妻と息子の命が奪われ、シーザーは人類の軍隊のリーダーである大佐に復讐するため、オランウータンのモーリスらと共に旅立つ。

 昨今の多々ある名作の前日譚のシリーズものは同じことの繰り返しで遅々として辿り着くべきところに辿り着かない風潮にいささか辟易しているところに、本作も予告を観た限りじゃ少なからず同様の印象を受け、正直なところ「もぅイイかなぁ…。」の心持になりスルーを考えるも、本シリーズも本作をもって完結であることを思い出し、そうとなれば是が非でもどのように1作目に帰結するのか?を観ておかねばと言うことで張り切って観に行ってきた。

 絶滅寸前であるにもかかわらず強硬派と穏健派に分かれての「人間VS人間」、そして激情に駆られたシーザーと良しにつけ悪しきにつけ大義を掲げる大佐による「個VS個」の戦いと、勝手な思い込みで「人間VSサル」の大規模な最終武力闘争かと思っていただけに意外なほどにしっかりした作りにイイ意味で裏切られたと言ったところ。今になってよくよく思い返してみれば1作目では「人間VSサル」、2作目では「サルVSサル」と流れてきての今回と多用な対立形態を描いていて、ホント良く出来たシリーズであったのだとあたらめて気づかれされた。
 新天地を求めての旅も「出エジプト記」がモチーフになってるようだし、収容所はまるでアウシュヴィッツの様相だったことを思うとサル=ユダヤ人であったのかと。そう考えれば敵対することとなる人間のなかで育てられたシーザーはエジプト人に育てられたモーセと見立てことができるし、サルが人間に代わってもユダヤ人が世界を牛耳るあたりにもつながらなくもで、今さらながらにすべてが腑に落ちたというか、なるほどといった感じ。
 また、言語能力を失った少女ノバは前シリーズに登場した奴隷化した人間の女性の名前になるし、シーザーが仲間と共に馬に乗って海岸線を走るところは、やはり前シリーズでチャートン・ヘストンが自由の女神像を発見する海岸線を彷彿させたりと前シリーズをオマージュと帰結に高評価。だけにクレジット後に宇宙船が不時着するエピをブッ込んで欲しかったかなぁと。

 本シリーズは人間側にもサル側のどちらにも肩入れできないのが正直なところ…。
そんな中で過激思想ではあるけれど、その主張は至極まっとうだった大佐役のウディ・ハレルソンだけど「ハンガーゲーム」や「グランド・イリュージョン」と個人的にここんところイイ人役が目立った印象にあっただけに久々の悪役にとても新鮮味を覚えた。
幼いころのダコタ・ファニングに似てなくもないノバ役のアミア・ミラーって「ライト/オフ」に出演してたのか…全然記憶にねぇ。

2017年10月 7日 (土)

アウトレイジ 最終章

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 日本
 犯罪&アクション&任侠・ヤクザ
 監督:北野武
 出演:ビートたけし
     西田敏行
     大森南朋
     ピエール瀧


                                                                                  【物語】     (シネマトゥデイ)
 関東の山王会と関西の花菱会の間で起きたし烈な権力闘争の後、大友は韓国に拠点を移す。
彼は日本と韓国の裏社会で暗躍する実力者張会長の下にいたが、ある時、韓国に出張中の花菱会の花田が騒ぎを起こし、張会長の部下を殺害してしまう。この事件を発端に張会長と花菱会の関係は険悪になり…。

 時世もあるんだろうけど、切った張ったの任侠&ヤクザ映画が劇場で公開されることは昔ほどに目にしなくなった気がしなくもなうえにVシネあたりでしか楽しめない当世に世界の北野というネームバリューもあってもちろん規制はかかっているものの本シリーズが普通にシネコンあたりで公開されることは少なからずこの手の作品が好きな者としては実にありがたい。
そんなこんなで本シリーズも最終章ということで張り切って観に行ってきた。

【後半ネタバレやや気味につき注意】
 大友の行動に納得しかねるものがあったものの、今までのように暴力で解決(まぁ万事そうなんだけど)に特化したものではなく利や保身、取り込みに裏切りの政争にウェイトを置いてと前2作とは違ったつくりで、暴力闘争を経ての政争の作りが好きなこともあって概ね満足。とにもかくにもヤクザの世界も結局は暴力ではなく政治力とビジネスに長けた奴、巧く立ち回れる奴が勝つってぇところやヤクザの大友、警察の繁田と組織の中で抗う個、所詮一介のサラリーマンと変わらずの描写はリアル。
 政争劇がオモシロかった反面、的にかけられる面々の殺られ方の暴力描写と殺るか殺られるかの緊張感は気持ちパワーダウンの印象、なのにパーティー会場での乱射騒ぎはあまりにも感が強くありでドンパチの行のバランスがどうも…と、その辺を楽しみにしてもいたんで満足と物足りなさ(もしくは微妙)半分半分といったところ。
 結局のところクセ者の西野がクセ者を多く抱き込んで会長の座に就いたのはその手腕によるところだから納得も個人的には何だかんだで山王会の白山&五味のポンコツコンビが生き残ってを期待したんだけど、まさかああいったことになるとは…実に惜しい2人なだけに北野監督にこの2人でコメディタッチの【外伝】を撮ってほしい気がしないでも。

 前2作での風貌と凄味のあった演技は本物と思わせられただけに花菱会若頭補佐中田役の塩見三省の大きな病気のあとの弱々しい姿を観るのがつらいし残念。花菱会若頭西野役の西田敏行も同様に病み上がりとのことで以前ほどに覇気は感じられず。それでもそれなりに凄味を感じさせるんだからスゴイとしか言いようがない。
「凶悪」と本作ですっかりヤクザ役が板についた感の出てきたピエール瀧、エリート俄かヤクザの大杉漣、刑事の松重豊、やっぱり食えない役どころの岸部一徳の存在は観ていてホント楽しかった。

2017年9月30日 (土)

笑う故郷

Ecii
 アルゼンチン&スペイン
 コメディ&ドラマ
 監督:マリアノ・コーン&ガストン・ドゥプラット
 出演:オスカル・マルティネス
     ダディ・ブリエバ
     アンドレア・フリヘリオ
     ノラ・ナバス


                                                                                  【物語】     (シネマトゥデイ)
スペインを拠点に活躍するアルゼンチン人作家ダニエル・マントバーニは、ノーベル文学賞を受賞する。
その後5年間、彼は新作を発表することもなくバルセロナの豪邸に引きこもっていた。
ある日、彼は自分の故郷であるアルゼンチンのサラスという町から、名誉市民の称号を贈りたいという手紙を受け取る。

 単館系の作品を積極的に観るようになってからだいぶ経ち、いろいろな劇場に足を運び同時にそれなりの経験値も積んできたという自負があり、ましてやコアな映画ファンが集うってぇワケでもねぇにもかかわらず、その作品選びと格式の高さから未だ気おくれを感じてしまう単館系の老舗の岩波ホール。普段ならばシリアスな作品が多いその岩波ホールで珍しくほっこり感漂うコメディ作品に興味を惹かれ、コアな映画通を気取って張り切って観に行ってきた。

 ノーベル文学賞を受賞した作家が捨てたはずの故郷に40年ぶりに帰郷し、幼馴染と旧交を温めたりと地元の英雄(名誉市民)として当初はチヤホヤされるも、ダニエルの傲慢な性格と表現者としての高い矜持に次第に閉鎖的な考え方と妬み嫉みが絡んで地元の人たちのあいだに居心地の悪い空気が漂いはじめ、終盤は意外にもサスペンスな展開になり、そして最後の主人公の不敵な笑み…と、ほっこりどころかかなりシニカルでアイロニカルなブラックな作品でパンチの効いたオモシロイ作品だった。
 額面通りに受け取れもするれば、ラストで帰郷での出来事を綴った新作の発表のときに見せた主人公の笑いの意味は?といろいろ考えるにそのうちの一つの考えとして、もしかしたら小説の内容を語っただけとも受け取れなくとも…。
普段ならばこのようなモヤモヤは気持ちのワルいところなんだけど、本作に限っては後者なら後者でそれもアリだなぁと。
また、2人の監督さん自身が撮影も兼ねているようで、舞台となる町に住む一般の人たちが多く映っていることで随所でドキュメンタリーを観ているような感覚になり演出の妙、映像の妙を楽しませてもらった感じ。

 おそらく市庁舎だったと思うんだけれども、壁にファン・ペロン大統領とエバ・ペロンの肖像画が飾ってあり、その2人とならんでマラドーナ(最近ではそこにメッシが加わるみたいだ)も英雄、省庁として今もって敬われているのが知れた。
ホント、アルゼンチン人って【何かにつけてマラドーナ】の気がするわ。

2017年9月24日 (日)

三度目の殺人

Sandome
 日本
 サスペンス
 監督:是枝裕和
 出演:福山雅治
     役所広司
     広瀬すず
     斉藤由貴


                                                                                  【物語】     (シネマトゥデイ)
 勝つことを第一目標に掲げる弁護士の重盛は、殺人の前科がある三隅の弁護を渋々引き受ける。
クビになった工場の社長を手にかけ、さらに死体に火を付けた容疑で起訴され犯行も自供しており、ほぼ死刑が確定しているような裁判だった。しかし、三隅と顔を合わせるうちに重盛の考えは変化していく。
三隅の犯行動機への疑念を一つ一つひもとく重盛だったが…。

 今までに映画はおろかテレビドラマですら福山雅治の演技を観たことがないうえに、是枝監督作品も10年ほど前に「花よりもなほ」の1タイトルを観ただけなんで、今さら観に行くのも気が引けなくもあったんだけれども重厚感漂うサスペンスの趣に大きく惹かれ、これも福山雅治と是枝監督に触れるイイ機会でもあったんで、遅ればせながら張り切って観に行ってきた。

 虚偽の証言を繰り返す殺人犯の三隅とそれに振り回される弁護士の重盛による真実をめぐる心理サスペンスかと思っていたのだけれども、謎解きでもなければ法廷劇でもなく、日本の司法制度の矛盾というかあり方の提起と勝ちにこだわり携わった案件に感情を持ち込まないドライな弁護士重盛が人間重盛へと移ろい、その狭間で苦悩する姿とそれぞれの心の機微を重厚に丁寧に描いた人間ドラマで思った以上に見応えの作品だった。また、真相は?も「藪の中」や「ドグラマグラ」の趣がなくもで、サスペンス要素も趣もイイ感じにあり、観る人の感性にまかせたモヤモヤ感の残るつくりもヨカッタ。
 「三度目の殺人」とは、法を犯した人間に適切な処分を下す裁判所、法制度によって…ということでヨカッタのだろうか?
また丸くおさめるため真実を明らかにせずの妥協、そのために本心や感情を抑える、つまり自分を殺すといったニュアンスも含まれるのか?と、オレにはちょい難解すぎる作品でもあったのも事実。
 正直なところ難解すぎて感想を語りたくとも適切な言葉も出てこなけりゃ、文章にまとめ上げるのも難儀…簡潔にまとめりゃ強烈に惹き込まれたし、いろいろ考えさせられもして素直に観てヨカッタ。今シーズンのベストにも間違いなく入るといったところ。
それとこれを機に是枝監督の他の作品にも触れてみようにも。

 福山雅治の演技をはじめて目にしたんでイイのか悪いのか正直なところよく解らずも決してキライじゃないなぁと。ただ気になるのはいくら同期とはいえ目上の人に対して呼び捨て、タメ口は如何なものか?と。
役所広司の周りを弄ぶかのように証言を二転三転させる三隅の狂気感や虚無感の演技の迫力には圧倒されるし、広瀬すずちゃんも「怒り」同様に心に暗く深い傷を負う役どころで若いのに守備範囲広いなぁと感心。
陰のあるキャラが多い中にあって常に希望、明るい面をみようとする川島役の満島真之介の存在感が光る。

2017年9月23日 (土)

あさひなぐ

Asahinagu
 日本
 青春
 監督:英勉
 出演:西野七瀬
     白石麻衣
     生田絵梨花
     伊藤万理華


                                                                                  【物語】     (シネマトゥデイ)
 二ツ坂高校に通う1年生、東島旭。中学校では美術部員だった彼女だが、なぎなた部のキャッチコピーに興味を抱き、入部することにする。練習に打ち込む旭は、剣道経験者の八十村将子、背が高いことにコンプレックスを抱く紺野さくら、高い実力を持つ先輩の宮路真春らと一丸となって、インターハイの全国大会を目標に日々鍛錬を重ねる。


乃木坂ちゃんが観たいッ!!

ただその想いひとつのみ! そんなワケで張り切って観に行ってきた。

 そもそも原作ありきだし、女の子とはいえスポ根ものだからよほどアホな演出をしない限り大きくハズれることもないところなんで、決して良くはないけどただただ乃木坂ちゃんを、取りわけて推しのまりか(伊藤万理華)、生ちゃん(生田絵梨花)、ゆったん(斉藤優里)にまっちゅん(松村沙友理)のカワイイ姿が拝めればそれだけでもう十分なんで映画の良し悪しはどうでもイイ。
 てなワケで今回は無条件で評価も大甘になりがちだけれども、そこは乃木坂ファンであるまえに映画ファンとしてきちんと評価せねばなぁと…冒頭での露出狂の兄さんや寺院の尼僧やスパルタ特訓のエピ等とチョイチョイ狙い過ぎを感じて、いささか興ざめを覚えなくも。まぁそれでも一人の絶対的エースの挫折によって個々の意識改革とチーム内の結束が生まれ、それにより成長し強くなっていき、エースともども一段階高みに上るあたりなんかは一つのことに賭ける青春って感じで気持ちヨカッタし、ライバルとの対決での勝利も全国大会とかの大きなものではなく練習試合でってぇところにグっと来る。
 強くあるのに弱気先行の旭をなぁちゃん(西野七瀬)、リーダー的存在の真春をまいやん(白石麻衣)、縁の下の力持ち的役割で部長の野上をここまで3列目&アンダーで乃木坂を支えてきたまりか(伊藤万理華)と、今回のキャスティングとキャラがマッチングしているのか否かは原作は未読なんで知りようがないところなんだけれど、乃木坂内での役割と重なるところがあって適材適所の印象は強くあって乃木坂ファンとして、まりかの良さとカワイイ丸顔も堪能できてまりか推しとしてもかなり好印象。
思いのほか出番の少なかったライバルの一堂寧々役の生ちゃん(生田絵梨花)も凛々しくて申し分なし。
生ちゃんの先輩役の樋口柚子って子はひなちま(樋口日奈)に似てるなぁと思ったら実のねぇちゃんだった。

 薙刀の演技は猛特訓したとのことで、それらしくは観えたけれどもやっぱ付け焼刃であることに変わりはなく、合気道ではあるけれど10年近く武道の末席に身を置いてる者としては残心や打ち込みの甘さ等はまだ仕方のないことと見ても、構えた時の腰の位置が高い、つまり棒立ちなところが気になって気になって仕方がなくと細かいところに目がいってしまう…なにかしら武道をたしなんでいればまた違ったんだろうけどこればっかりはね…。
演技の方は生ちゃんやまりか、玲香なんかは乃木坂内での定期公演のほかに他での舞台経験も豊富なだけにアイドルとしては巧いほうだったのではと贔屓目に見てみる。
まぁそんなこんなで、乃木ヲタのための作品といったところで、乃木坂ファンとしては大満足であります。

【余談】
11月の東京ドームでの2日間のコンサートのチケット1次選考受付ハズレてしまった…。
2次選考に賭けるんで、当たるよう祈ってやってください。ホントよろしくお願いします。

2017年9月17日 (日)

エイリアン : コヴェナント

Aliencovenant
 アメリカ
 SF&ホラー
 監督:リドリー・スコット
 出演:マイケル・ファスベンダー
     キャサリン・ウォーターストン
     ビリー・クラダップ
     ダニー・マクブライド


                                                                                  【物語】     (シネマトゥデイ)
 宇宙移住計画を遂行するため、コールドスリープ中の男女2,000人を乗せた宇宙船コヴェナント号は、植民地の惑星に向かって宇宙を航行する。最新型アンドロイドのウォルターが船の管理を任されていたが、途中で事故が発生。
乗組員たちは必死で修復作業に取り組み…。                                         

 前作「プロメテウス」から5年その続編ということにもかかわらず失念…めんどクセェを理由に復習を怠ったまま挑むことに。
そんなワケで忘れてしまっているところも多々あれど、そうそう大きく新展開なんてものはないだろうし、取り合えずエイリアンの怖さと巨匠リドリー監督の重厚な作風を楽しめればそれで十分ってぇ心持ちのなか張り切って観に行ってきた。

 1作目をなぞりながらロボットアームを彷彿させるクレーンや動態反応レーダー等と2~4作目の諸演出のイイ所どりだったんで、オールドファンとしてはそれなりに楽しめたといった言いたいところだけど、エイリアンの起源について語りながらもどちらかと言うとアンドロイドの自我、葛藤に焦点が置かれていたような印象を受けた…まぁ、過去のシリーズでもアンドロイドが常に鍵を握っていなくもあったから問題なしも「エイリアン」というよりかは同氏の「ブレードランナー」ぽくあったかなぁと思えなくも。
 エイリアンの形成過程の第一段階が菌類の胞子的なものが体内に侵入し寄生して云々をはじめ、たしか「4」で人とエイリアンのハイブリッド種を作り出そうとしてたけど、本作の時点でそれに近いものが誕生していたりと「何か違うんだよなぁ…エイリアンってなんかもっとこう…」と、いまいち納得いかないところが多々あったような思いが無きにしも。
終盤でウォルターとデヴィッドは入れ替わったのだろうか? ダニエルズがデヴィッドのアゴ下にクギを差し込んだのにそのキズ跡が見当たらなかったことを思えば、ウォルターがデヴィッドの意思を引き継いだのだろうか?とも取れモヤモヤが残る。
何にせよ、同じ顔なのだからデヴィッドか否かの確認を怠ったダニエルズのあまりの不用意さはいかんともしがたい。
そのアンドロイドのデヴィッドが冒頭で創造主に名前を聞かれダビデ像を見上げなかがら「デヴィッド」と答えたところで「なるほど、ダビデの英語読みがデヴィッドなのか!」と勉強になり本作でいちばん興味深いパートだった。
 そんなこんなで、それなりにオモシロくはあったけれども世間の評価ほどにはといったところ。エイリアンの生態や誕生の秘密はそれなりに解明されるも、それほど話は進んでおらずだし、続編までまた数年待たされた挙句、おなじような展開だとさすがにイイ加減もうイイかなぁという気にならなくもないんで、手を変え品を変えの工夫とスパンをあけずの公開を望む。

 ダニエルズ役のキャサリン・ウォーターストンって「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」 のヒロインの女優さんだったのか。まぁ「ファンタスティック~」でも正直なところあまりピンとくるものがなかったから覚えてないのもムリねぇかなぁと…。
前作の「プロメテウス」のノオミ・ラパスといい前シリーズのシガニー・ウィーバーのリプリーの壁を越えられないのがね。
ちなみに一人二役でがんばっていたマイケル・ファスベンダーは個人的に「アサシン クリード」と併せて2連敗。

2017年9月16日 (土)

オン・ザ・ミルキー・ロード

Otmr
 セルビア&イギリス&アメリカ
 コメディ&ロマンス&ファンタジー
 監督:エミール・クストリッツァ
 出演:モニカ・ベルッチ
     エミール・クストリッツァ
     ミキ・マノイロヴィッチ
     スロボダ・ミチャロビッチ


                                                                                  【物語】     (シネマトゥデイ)
 戦時中のある国で、銃弾を横目にしながらロバに乗って、兵士たちがいる前線までミルクを届けているコスタ。
コスタは、村の英雄ザガの花嫁になるミステリアスな美女と出会い、恋仲になる。
しかし、彼女のある過去のために村が襲撃され、二人は村を飛び出す。

 敬愛する映画監督のひとりであるエミール・クストリッツァ監督の「ウェディング・ベルを鳴らせ!」以来(「マラドーナ」もあったけどこちらはドキュメンタリーなんで除外)約10年ぶりとなる新作。しかも珍しくモニカ・ベルッチと世界的に名の通った女優さんをキャスティングとあったりで、いちファンとしては久々もあって期するところが大きくあったんで張り切って観に行ってきた。

 戦争、動物、ロマンス、音楽、結婚式と祝祭で彩った寓話的世界観はクストリッツァ節健在といったところで、その辺は満足いくものではあったけれども、中盤以降から牧歌的な雰囲気は一気に薄れ、やたらと人と動物が無暗に殺されていくシーンが目につき、過去の作品でもシニカルさこそあれここまで暴力的な描写(この辺は戦争における犠牲云々の諸々を語ってるんだろうけど)を観た記憶がないだけにいつもとは違う作風に戸惑いというか、馴染めずで中盤以降はしんどさが先行した感じ…個人的には「アンダーグラウンド」の一大叙事詩的な作風よりも、近々の作品のドリフを彷彿とさせるドタバタ大団円や観終わったあとのホッコリ感が好みなうえに期待していただけにチョイ残念といったところ。
 音楽のリズムにあわせて体を動かす主人公の心情を表したハヤブサ、ロバ、クマ、ヘビ、観るのがつらくあったヒツジの群れと本作でも動物たちの活躍は目覚ましいものがあった。ヘビはやむなくCGになってしまったけれどもそれ以外はすべて本物というからスゴイ。ホント毎度毎度クストリッツァ監督の動物の描き方は観ていてとても楽しくあるのは間違いないところ。
今でこそセルビアもクロアチアも平和になり観光立国になってるけど、10年ほど前までは互いに殺し合うことが日常であったりしたからこそ、クストリッツァ監督は平和を意味する結婚式や祝祭に対して特別な感情を持っているのかもなぁと本作を観てあらためて感じさせられた。

 ヒロインの花嫁役のモニカ・ベルッチはイタリアの宝石と称されただけあって50代になっても確かにキレイだとは思うけど、世間で誉めそやかされるほどイイとは思えず…同じ50代なら贔屓なこともあってコン・リー様の方が断然あり。
そんなワケで主人公コスタに恋するでもう一人のヒロインのミレナ役のスロボダ・ミチャロヴィッチの方に目が行ったかなぁと。

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