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2017年8月31日 (木)

17年劇場で観た作品タイトルIndex

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 17年、劇場で観た作品のIndexです。


     

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2017年8月20日 (日)

ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦

Anthropoid_2
 チェコ&イギリス&フランス
 サスペンス&戦争&ドラマ
 監督:ショーン・エリス
 出演:キリアン・マーフィ
     ジェイミー・ドーナン
     トビー・ジョーンズ
     シャルロット・ル・ボン


                                                                                【物語】     (シネマトゥデイ)
 第2次世界大戦下、ナチスの実力者ラインハルト・ハイドリヒは、“金髪の野獣”と恐れられていた。
彼の暗殺を企てたイギリス政府とチェコスロバキア亡命政府の指令を受け、ヨゼフやヤンら7人の暗殺部隊がチェコ領内に潜入する。現地のレジスタンスの協力を得て襲撃計画は実行されるが、ナチスは壮絶な報復に乗り出し…。

 ナチス高官アドルフ・アイヒマン、ドイツ国内にも抵抗運動をした市井の人たちの存在、そして連合諸国の経済に混乱を来すために展開された贋札ばら撒きを旨としたベルンハルト作戦(「ヒトラーの贋札」)とこれまでに多くのナチスドイツ関係の作品を観てきたことでいろいろと知り得ることが出来てきたけれども、それでもまだまだ知り得ないことが多くあるようで、本作のチェコスロバキアで起こった同国軍と英軍共同のナチス高官暗殺とした「エンスラポイド作戦」もそのひとつ。
そんなワケで後学のためにもと思い張り切って観に行ってきた。

  ラストのナチスとの大々的な教会での籠城戦においては多少の演出が施されていたようだけれども、プラハ市内に潜入する暗殺部隊による隠密裏の行動や会議の日々の活動内容をはじめ、容赦ない拷問シーンで行われたその手口と内容、そして自決と諸々のエピは鑑賞後wikiで調べた限りではありのままを描いているようで、終始半端ない緊張感を余儀なくされた。
 自分可愛さと家族のため、高額の懸賞金に目が眩み味方から密告者へと落ちていく者、協力者として捕まり拷問を受けその暴力にやむを得ず屈して(恐怖のあまり失禁するシーンはとてもリアル)いってしまう者、大義や信念のために敵の前に膝を屈することなく最後まで戦い自決していく者と暗殺計画に関わった人たちそれぞれのあり方はどれも臨場感があり共感できる。
また終盤の籠城戦で頼り無さげなヤンがヨゼフから教わったテンパった心を落ち着かせる方法を仲間に施すヤンの姿に成長と覚悟決めた者の強さを観た思い。ただ、ヨゼフが最後に見た光景のなかに想いを寄せていたレンカが出てくるんだけど、劇中2人のロマンスはほとんど語らることがなかっただけに何故にここで?の印象は拭えず。
 大規模な報復を受けることを解っていながらもナチスの№3でありチェコ統括者のハイドリヒの暗殺せずには納まらない恨みで膨れ上がったチェコ人たちの心持も解らんでもねぇけど、幹部ひとり殺したたところでだし、5000人ちかいチェコ人が犠牲になったことや共同作戦をはった英国がドイツと結んだ条約を破棄させ、かつ臨戦態勢にはいる大義名分を与えるためだけの裏がある作戦と思えなくもだから、グっと堪えるなり他にも手があったのはと思えなくも…正解がないだけにムズかしい問題だ。

 ヨゼフ役のキリアン・マーフィは長く骨ばった顔ということもあって往年のチェコスロバキア人プロテニスプレーヤーのイワン・レンドルに似てなくもなんで、アイルランド人だけれども東欧系と言われてもさほど違和感なし。
また粒子の粗い映像が当時のプラハの雰囲気を出していたように思えた。

草原に黄色い花を見つける

Yellow
 ベトナム
 ドラマ&青春&ロマンス
 監督:ヴィクター・ヴー
 出演:ティン・ヴィン
     チョン・カン
     タイン・ミー
     マイ・テー・ヒエップ                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                   


                                                                                   【物語】     (シネマトゥデイ)
 ティエウとトゥオン兄弟はいつも仲良く遊んでいたが、そろそろ思春期に差し掛かる12歳の兄は幼友達のムーンのことが気になって仕方がない。ある晩、火事が起きてムーンの家が焼けてしまったため、しばらくの間兄弟の家で彼女を預かることになる。もやもやした気持ちを消化し切れないティエウは、ムーンが弟とばかり遊ぶ様子を見て嫉妬心を抱き…。

 最近では日本でも「ザ・レイド」のヒットでインドネシアやシンガポールあたりの作品も観られるようにはなったもののオモシロい、良作をコンスタントに世に送り出しているタイが引っ張っているのが実状の東南アジア映画。
そんな中にあって本国ベトナムで大日イットを記録したという本作が公開。個人的にベトナム映画は20年ほど前に観たトラン・アン・ユン監督の「シクロ」以来(ベトナム映画かと思いきやフランス映画だった…。)だし、大好物の郷愁を誘う胸キュン青春ものでもあるしで、観るにはイイ機会ってぇことで張り切って観に行ってきた。

  80年代末期のベトナムの田舎の村を舞台に民間伝承の寓話を織り交ぜつつ繊細で頭はイイけどチョいとおバカな行動をとりがちな思春期を迎えた兄ティエウと聡明で快活な弟トゥオンを中心に初恋、貧困、家族のエピをベトナムのキレイな景色とともに詩情ゆたかに綴られた本作は確かに良くはあったけど、後半にかけての盛り込み過ぎ感にしつこさを感じてしまい、もろ手を挙げてヨカッタとは言い難く…といったところ。最後の盛り込み過ぎがなければかなりの高評価だった気がしないでも。
 想いを寄せるムーンと彼女と自分以上に仲よくする弟トゥオンに対する兄ティエウの嫉妬心、その嫉妬心が引き起こす取り返しのつかない出来事への後悔、取り分けて弟トゥオンが可愛がっていたペットのカエルの顛末を知っていながら内緒にし、カエルが連れ去られるのを止めもせず黙認した裏には弟に対する意地悪な感情があったことに対する自己嫌悪、そして大人ぶっていても怖い話を聞いたことで夜の暗闇や物音を怖がったりと思春期を迎えた少年の複雑で繊細な心の描かれ方は見事。
 詩を綴ったラブレターが盗作の…引用のまた引用だったラストは微笑ましく、クレジット時の劇中でも語られる寓話の「カエルとお姫さま」のアニメは思った以上に素晴らしい出来ばえで、可愛らしくもあるんでここだけでも一見の価値は大いにあり。
と、かなり好印象であるのも関わらず先の理由からチョいと残念な結果となってしまった…。

 兄ティエウ役のティン・ヴィンは本郷奏多に似ていてイケメン君、弟のトゥオンとヒロインのムーン役の子たちもカワイイ。
ベトナムの豊かな自然が子供たちの溌溂さをさらに引き出していたように思える。

2017年8月13日 (日)

スパイダーマン : ホームカミング

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 アメリカ
 アクション&ヒーロー&青春
 監督:ジョン・ワッツ
 出演:トム・ホランド
     マイケル・キートン
     ゼンデイヤ
     ジョン・ファヴロー


                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 15歳の高校生ピーター・パーカは、まるで部活動のようなテンションでスパイダーマンとして活動していた。
まだ若い彼の才能に気付いたアイアンマンことトニー・スタークは、ピーターを真のヒーローとして育てようとする。
スタークに新しいスーツを新調してもらったピーターは、意気揚々と街へ乗り出し…。

 2ndシーズンの「アメイジング」がシリーズ半ばでありながら、「アベンジャーズ」との絡みもあって心機一転して3rdシーズン突入にもはや「アベンジャーズ」とその派生作品に対してあまりイイ感情を抱いてないこともあって何だかなぁの心持ちだったんで、当初はスルーするべと思うもそれでもやっぱり好きなシリーズなんで、とりあえず観てから切り捨てるか否かを決めようと思い気合いを入れて観に行ってきた。

 スパイダーマンとアイアンマンが常に行動を共にするのではなく、アイアンマンは要所要所で力を貸す程度でピーターがヒーローとして、少年から大人への独り立ちを見守る後見役に徹し「アベンジャーズ」と絡んではいるものの一線引いたつくりにアイアンマンがどのくらい絡み、且つ「アベンジャーズ」色が濃くあれば切り捨てることも考えていただけに一先ずひと安心。
 ピーターがスパイダーマンになるまでの経緯、ベンおじさんが死ぬエピが端折られてはいた(同じ行を3回観るもこれはこれでキツいものあり)けれども、前2シリーズ同様に悩める思春期ヒーロー、決して根っからの悪ではない敵、地球や宇宙に神の世界レベルではないご近所界隈での正義譚とらしさがきちんと踏襲されていて「スパイダーマン」としてしっかりした作品だった。
何より15歳ゆえの正義感と、大人や周りの人に認められたいという欲からの先走り、逆に色恋沙汰に関してはおくてと青春まっただ中感の思春期の心模様がバランスがよく描けていたように思えたし、その若者をスタークが本作では登場しないベンおじさんに代わって手綱を握り諭していくあたりにスタークのオレ様キャラとは違った新しい一面が観られてかなり好印象。
 敵のバルチャーも先に述べたように決して根っからの悪ではない敵で、確かに間違った行為ではあるものの彼が背負う家族と仲間への責任、純粋に悪いことはダメの大人と子供たがいの正義vs正義の構図もなかなか見事だったんじゃないかと。
そのバルチャー役のマイケル・キートンだけど誰しもが復活作の「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 」を彷彿させられたことと思うし、心憎い遊び心に感慨深くもありオモシロくもある。
そんなワケで、当初の杞憂もどこへやら?の満足以上とあいなったし、次回作への期待も大いに持てる結果となった。

 ピーター役のトム・ホランドは設定の高校生とは思えない鍛えられた肉体はたいしたものだと思うものの、まぁ可もなく不可もなくといった印象かなぁと。椅子の男となる気の良いネッド、聡明でありかつピーターに気があるも皆から一歩引いて斜に構えるミシェルと周りの魅力ある友人たちの存在が光る。観ていてそれほどカワイイとは思えなかったミシェル役のゼンデイヤだけど、画像をみるとけっこうカワイくある。おそらくブスメイクってやつで磨けば光るの方向性なんだろうね。

2017年8月 6日 (日)

ロスト・イン・パリ

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 フランス&ベルギー
 コメディ
 監督:ドミニク・アベル
 出演:フィオナ・ゴードン
     ドミニク・アベル
     エマニュエル・リヴァ
     ピエール・リシャール


                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 司書として働くフィオナは、カナダの小さな村で代わり映えのない毎日を過ごしていた。
ある日、パリ在住のおばマーサから助けてほしいという内容の手紙が届き、気の小さい彼女は自身を鼓舞してパリに向かう。
フィオナは、無事パリに到着したもののマーサの姿はなく、セーヌ川に落ちて所持品をなくしてしまい…。

 パントマイムの道化師夫妻による監督主演ということもあって、パントマイムの要素を取り込んだロマコメはおそらくチャップリン的なものになるでろうけど、それを現代風にアレンジしたら一体どんな感じになるのだろうか?と大きく惹かれるものがあったので、張り切って観に行ってきた。

 冒頭の吹雪くカナダの田舎の村と図書館のポップで箱庭、絵本的な映像は敬愛するウェス・アンダーソン監督を彷彿させ出だしは上々、パリの街を舞台に繰り広げられるポップなロマンス冒険譚もこれまた敬愛するジャン・ピエール・ジュネ監督の「アメリ」といった趣があり、コミカルでオモシロくあって嫌う要素は何ひとつとして無いにもかかわらず、いちばん興味のあったパントマイム要素の【独特の間】にうまく馴染めず、何となく座り心地の悪さを…。
 自作自演だから仕方のねぇところなんだけど、ポップ感あふれるロマンスを繰り広げる2人が初老にちかい中年で、男性側が厚顔無恥の気があるホームレスというところもあざと過ぎてと…これが普通に20代前半の若者ならばまた違ったのかもだけど、それはそれでオモシロ味に欠けるってぇやつだしね。
 それでも馴染めなかったパントマイムの独特の間で魅せたダンスシーンはかなり見応えがあったし、ラストのエッフェル塔での冒険譚はCG感が半端なかったけど、まるでお伽話のようにロマンチックなムード満点で、ここだけは観ていて心地がヨカッタ。
そんなこんなでオモシロいし決してキライな作風じゃあねぇけど何かダメという残念な結果となった。

 フィオナ・ゴードン&ドミニク・アベル夫妻の存在をはじめて知ったのだけれど、どことなく敬愛するアキ・カウリスマキ監督作品の常連俳優のカティ・オウティネンとマッティ・ペロンパーに似てなくも。そうやって観れば急に2人に興味がわかなくもなんで、機会があれば「ルンバ!」「アイスバーグ!」の監督主演作を観てみようかなと。

2017年8月 5日 (土)

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章

Jojo
 日本
 アクション
 監督:三池崇史
 出演:山崎賢人
     神木隆之介
     小松菜奈
     新田真剣佑


【物語】     (シネマトゥデイ)
 美しい海に臨む杜王町で暮らす東方仗助は、心優しい高校生だった。彼はスタンドという特殊能力の保持者で、触れただけで壊れたものを修復し、他人のけがを治すことができた。杜王町では変死事件をはじめとする奇怪な出来事が続発するようになる。やがてそれらが連続殺人犯アンジェロこと片桐安十郎ら、ほかのスタンド保持者による犯行だと判明。町を守るため、スタンドを駆使して彼らとの戦いに挑む仗助だが…。

 コミックスの映画実写化が流行っている昨今。数あるマンガのなかにあってその独特の世界観から「ジョジョの奇妙な冒険」は「ドラゴンボール」や「進撃の巨人」以上に手を出したらヤバい作品、言わば【聖域】なだけに今回の実写化には正直なところ【不安】の一言しかない!その反面、ジョジョの実写化は長年夢見てきたことでもあったし、ようやく実写化に至った特別なウレシさがあることもまた事実。そんなワケで期待半分、不安半分のこころ持ちもなか張り切って観に行ってきた。

ドララララララララーーッ!! グレートだぜ!
 映画版なんで多少のストーリーと設定の変更は見受けられたけれども8割ちかくとほぼ原作通り、名言名セリフもきちんと入ってもいれば、肝の幽波紋も思った以上によく再現されてたし、何より不安要素のひとつでもあった三池崇史監督のおふざけも全くなくで思った以上に出来がよく大満足以上! 形兆&億泰のエピの終盤に第二章の敵であろうレッド・ホット・チリ・ペッパー(音石明)の登場をワクワクしがら待つも、映像は出現先のコンセントではなくサーモグラフィーに…まさかのレッチリ切り! まぁ三部作であることを思えば、次は康一vs山岸由花子(ラブデラックス)と3人組vs岸部露伴(ヘヴンズドアー)、そして露伴&杉本鈴美のエピになるであろうからレッチリ切りはしかたのねぇところかも。にしてもあそこらどうやって吉良吉影のエピにつなげるのかが気になるところ。ここはきちんと納得できる設定でないとエラいことになること必至だと思う。
 アンジェロのアクアネックレスはいまいちピンと来ずだったけれども、形兆兄貴のバッドカンパニー、億泰のザ・ハンド、そして康一のエコーズact1が卵から還るシーンはカッコよく、数いる幽波紋と幽波紋使いのなかでもとりわけて億泰が大のお気に入りなもだんからザ・ハンドが指先を下に手のひら見せながら登場するシーンに大興奮。また、バッドカンパニーのヘリコからミニ兵士が仗助にむかって機関銃を撃つシーンでのバッドカンパニー目線のアングルは原作になかったアングルだけにとても新鮮味が。
 舞台となる杜旺町はまるでアメリカのリッチな郊外の街並みだから海外で撮ったことに当初は杜旺町のあるM県S市は実際のところ宮城県仙台市なのだし、原作者の荒木飛呂彦自身がその仙台市出身なのだから、石巻等と震災にあった沿岸地域にオープンセットでも組んで撮影すれば、金はかかれど復興の一環になるじゃんと思ったりもしたし、日本に寄せようとポスターを張ってみたりの努力も感じられもしたけれど、そのせいでハリウッド映画でよくみるなんちゃって日本感がでてしまい逆に日本感がうすれたしまったような気がしないでも…それでも虹村邸等シーンによっては隙間なくピタっとはまるところもありで、良くもあり悪くもありといったところ。

 第4部連載当時、実写化にするならで、仗助(長瀬智也)、億泰(松岡昌宏)、康一(伊藤淳史)、承太郎(阿部寛)、由花子(柴咲コウ)と理想とする個人的キャストを思えば、今回の映画化は遅きに失した感があってキャスト面ですげぇ心配だったんだけれども、神木隆之介(康一)、小松菜奈(由花子)、新田真剣佑(億泰)、観月ありさ(東方朋子)と驚くほどにピッタリとはまる人が多くまったくの杞憂に終わった。特に当初は男前すぎる感があった新田真剣佑がアニメ版の声優さん高木渉氏を意識した演技と、啖呵&凄みをだすところで親父さん似の声と喋り方で見事な億泰ぷりと感心。

ファンとしてひとまず安心&大満足であるけれど、とにもかくにもファン限定の作品であることも確かかなぁと。

2017年7月30日 (日)

ボン・ボヤージュ ~家族旅行は大暴走~

A_fond
 フランス
 コメディ&アクション
 監督:ニコラ・ブナム
 出演:ジョゼ・ガルシア
     アンドレ・デュソリエ
     カロリーヌ・ヴィニョ
     ジョゼフィーヌ・カリエ


                                                                     【物語】     (シネマトゥデイ)
 整形外科医のトムは夏休みを迎え、家族でバカンスに出掛ける。最新テクノロジーが搭載されているという真紅の新車に、妊娠中の妻ジュリア、9歳の娘リゾン、やんちゃな7歳の息子ノエを乗せて出発する。
意気揚々とハイウェイを進むトムだったが、突如として車のブレーキが利かなくなって時速160キロメートルで暴走。さらに、役立たずな警官や追走してくる男との遭遇、後部座席に潜む謎の存在によって一家は大混乱に陥っていく。

 ポスター、チラシの趣から「リトル・ミス・サンシャイン」のうように雰囲気が感じられ、ほのぼの&ホッコリのコメディロードムービーは大好物なうえにそう大きくハズレることもないし、それに穏やかそうな顔立ちとは裏腹に硬の役柄もハマるご贔屓のフランス人俳優のアンドレ・デュソリエ出演とあって期待するところが大きくあったので張り切って観に行ってきた。

 周りの迷惑を顧みない傍若無人のじぃさんさんを中心にバラバラだった家族がドライブ旅行中、紆余曲折を経て絆を再確認して云々の設定は「リトル・ミス・サンシャイン」と変わらないものの、ほのぼの&ホッコリ感は皆無…あるのは車の自動速度制御装置とブレーキが故障し、高速道路を時速160kmで大爆走する緊張感と車内で繰り広げられる悲喜こもごも…バカまる出しの人間ドラマのユルさと緩急の差が激しいながらも絶妙なバランス感。そして雪だるま式に状況が悪化していく様はおかしく、期待したものと違った作品だったけれどもこういうおバカなコメディ作品も大好物なんで、イイ意味で裏切られたオモシロイ作品だった。
 家族とはまったく関係ないのに騒動に巻き込まれた挙句、意味もなく最大の被害を被ったBMWの持ち主と、交通警察の卓球好きの女性上司の傲岸不遜ぶりがこれまた最高。また、実際に高速道路で160kmのスピードで撮影したというからスゴイ。なので監督を覚えておこうと思い調べてみれば、先日観た「世界の果てまでヒャッハー!」の監督さんだった。
最近ではこう言うおバカなドタバタコメディ映画は以前より公開される機会が少なくなったような気もするし、上映館数こそ少ないけど立て続けに公開されているんで、今後とも注目して行こうかと。

 本作での傍若無人のじぃさんから、お人よし、そしてイヤらしい役までと改めてその守備範囲の広さに感心させられたアンドレ・デュソリエが抜群の存在感をしめしていた。ロバート・ダウニー・Jr似のパパさん役のジョゼ・ガルシアは一見まもとに見えるもその実、じぃさんばりにぶっ飛んでる役でオモシロかった。

2017年7月29日 (土)

ザ・マミー / 呪われた砂漠の王女

The_mummy
 アメリカ
 アドベンチャー&ホラー
 監督:アレックス・カーツマン
 出演:トム・クルーズ
     ソフィア・ブテラ
     アナベル・ウォーリス
     ラッセル・クロウ


 【物語】     (シネマトゥデイ)
 中東で、古代エジプトの文字が刻まれた石棺が発見される。その発掘に居合わせたアメリカ軍関係者のニックは、考古学者のジェニーらと共に調査のために石棺をイギリスに運ぶ飛行機に乗り込む。
だが、フライト中に思いも寄らぬアクシデントが起きて、ニックをはじめとする軍関係者を乗せたまま輸送機はロンドン郊外に墜落し、石棺の所在もわからなくなってしまう。

 これと言った理由は見当たらないもののミイラは狼男、フランケンシュタインに次いで好きな西洋モンスターにランクイン。
にも関わらずミイラに関しての小説はおろか映画でみても「ハムナプトラ」シリーズは別として、10年ほど前に観た「プレスリーvsミイラ男」とミイラものとして正道というよりかは脇にそれたものばかり。街中で大々的に暴れるシーンに「何かなぁ…」と思わなくもだけど、ミイラには大きく惹かれるところだし、主演もご贔屓のトムさんとあってはってぇことで張り切って観に行ってきた。

 ほほう、本作はユニバーサル・ピクチャーズが掲げる西洋モンスター映画たちを「1つのシリーズ」とした「ダーク・ユニバース」なる企画の記念すべき打ち初め作品とのこと。映画好きだけれども諸々の情報にはあまり興味がないこともあって全力で疎いだけに「ダーク・ユニバース」の企画を知ったときは心底からウレシく思えた。しかも今後は「フランケンシュタインの花嫁」や「大アマゾンの半魚人」と大好きな古典ホラーの名作を予定しているらしくウレシさもさらに倍ってぇところ♪
日本映画界もコミックス原作の実写化ばかりじゃなく、「怪談雪女郎」「四谷怪談」や「耳なし芳一」等の昔の怪談物を夏休みに公開くらいのことぐらいはやってみてもいい気がするし、欲しくもある。
 それはそれとして本作は1932年の「ミイラ再生」のリブートとのことらしく、先に述べたようにオリジナルは未見なんで比べようもなくその辺は残念といったところ。一応は古代エジプトの抹消された黒歴史に登場した狂女が現代に蘇って云々はまだミイラ感ありも手下の皆さんはミイラというりかはゾンビの趣(確かにミイラは動く死人なワケだから決して間違いではないんだけど…。)に近いうえにウェイトがアクションに寄ってるためホラーとしてはいささかといったところ。
 それでもトムさんがミイラの特性を取り込み?モンスター化して敵を倒し、モンスターによるモンスターハンターとして新たな冒険のスタートに出た流れとラストに満足、そして何より…と言っても名前で正体が即解りだけど、当初は灰色の人物と思っていたヘンリー氏がジキル&ハイド氏で、トムさんの後ろ盾として控えての設定は2作目に大きな期待抱かさせものがあって最高!
ただ何故にエジプトの女王をわざわざ中東地域に持ち出し、そこで銃撃戦、爆撃を展開したのかということで、そんなつもりがなかったとしても、昨今のアメリカと中東の関係なんかを鑑みるとであまりイイ気持ちはしない。

 トムさんは今回も走ったり、潜ったりと大活躍で申し分なしだし、ラッセル・クロウの存在感も抜群。
アマネット役のソフィア・ブテラってどっか観たことあんだよなぁと記憶の糸を手繰り寄せながらの鑑賞。どうしても思い出せないので調べてみれば「キングスマン」でブレード付きの義足を付けた殺し屋ガゼル役の女優さんだった。

2017年7月23日 (日)

ウィッチ

The_witch
 アメリカ
 ホラー
 監督:ロバート・エガース
 出演:アニヤ・テイラー=ジョイ
     ラルフ・アイネソン
     ケイト・ディッキー
     ハービー・スクリムショウ


【物語】     (シネマトゥデイ)
 1630年のアメリカ・ニューイングランド。信仰心のあついキリスト教徒の一家が村外れの森の近くに移り住んでくる。
ある日、生後間もない赤ん坊が突如姿を消す。一家に不穏な空気が流れる中、父ウィリアムは、まな娘のトマシンが魔女ではないかと疑い…。

 今年に入って個人的に目ぼしいホラー作品が見当たらなかったところにあって「スプリット」に出演していてチョイ気になる存在となったアニャ・テイラー=ジョイ主演の古典ホラーの趣に触手が反応。なによりクーラーの利いた劇場で物理的な涼はもちろんとして、ホラー作品でも観て精神的に内側から涼しくなるのも暑さ対策の一環ということで張り切って観に行ってきた。

 魔女や狼にまつわる民間伝承を織り交ぜながら良くいえば敬虔、悪くいえば盲信による教義的視野から生じる疑念と神に祈るも救いを得られず瓦解していく皮肉なプロセスと宗教観、観てる側にストレスをあたえる集団ヒステリーの演出は派手なビビらせ演出はほぼ皆無ながらも静謐で暗いトーンの空気と相まって思った以上にズシンとくる怖さが。
 家族から魔女の疑いをかけられ追い詰められた主人公の少女トマシンがその苦しみから逃れるため、そしてトマシンに性的な魅力を感じていいなくもない弟を森の中で弟を誘惑した魔女らしき女性は実はトマシンであったと「パンズラビリンス」のように自分が作り上げた世界の住人といったものとして観ていたんだけど、ラストに出てくる森に潜む女性たちの姿を観るとやっぱり魔女は実在し、トマシンを心身ともに捕えたのであったのかなぁと思えたり思えなかったりで、概ね高評価ながらもどう捉えてイイのかよくわかってないのが正直なところ…それでもこういう【静】の恐怖はかなり好き。

 暗いトーン、黒ヤギと対をなすかのように主人公トマシン役のアニヤ・テイラー=ジョイの衣装と肌の効果も手伝って白い存在感が抜群にヨカッタし、先日の「スプリット」より2年前の作品ということもあって、まだ幼さがあって「スプリット」と比べると断然本作の方がカワイイ。終始不快の原因をつくる幼い双子の存在はなかなか。

2017年7月16日 (日)

パワーレンジャー

Power_rangers
 アメリカ&カナダ
 アクション&ヒーロー&特撮
 監督:ディーン・イズラライト
 出演:デイカー・モンゴメリー
     ナオミ・スコット
     RJ・サイラー
     ベッキー・G


【物語】     (シネマトゥデイ)
 紀元前の地球。世界の運命を決める戦いが起こり、地球はある5人の戦士によって危機を脱した。
そして現代、小さな町“エンジェル・グローブ”に暮らす5人の平凡な高校生たちは、運命に導かれるように出会い、驚異的な力を身に付ける。やがて彼らは、地球に迫る脅威に立ち向かうことになるのだった。

 95年に映画化されたハリウッド版、ケイン・コスギが出演していたTV版ともどもアメリカの「パワーレンジャー」は未見。
正直なところ何故にここに来て戦隊ものなんだろ?と思わなくもだけど、マーベルシリーズも一部のシリーズを除いた、そして海賊に変形ロボットシリーズも個人的に切り捨てちゃってるんで、新たなヒーローもの探しの意味合いと諸々興味ありってぇ感じなんで、張り切って観に行ってきた。

 後にチームに新メンバーとして加入することとなったブラックバイソンは問題ないとしても「グリーンサイ!」の「サイ」が日本語だったことに子供ながらに心底ガッカリさせられた「超獣戦隊ライブマン」と、戦うトレンディドラマとして傑作の誉れ高い「鳥人戦隊ジェットマン」あたりを最後に卒業して以来、今日にいたるまで戦隊ものは何ひとつとして観ていないし、特別に詳しいワケでもねぇんで、あまりエラそうなことを言えた身分じゃねぇのも、本作が日本向けに撮られたものでないことも十分に承知してはいるとはいえ、正直なところなところどれだけ戦隊ものを理解してるのか不安の心持ちだったのが本音。
 ところがそんな杞憂も何処へやら?で、採石場での戦いをはじめ、金を得るために宝飾店を襲ったりと小さいことをコツコツやるボス敵と見た目とは裏腹に弱い戦闘員の皆さん、そして各マシンが合体して巨大ロボにと戦隊ものに必要不可欠な要素やお約束をきちんと取り込んでいて「ゴジラ」のように「そうじゃないんだよなぁ…。」ではなく、戦隊ものに一家言ある日本人も納得できうるつくりだったんじゃないかなぁと。また、商戦を意識したのか? バンブルビー潰しネタや「ジョジョの奇妙な冒険 第2部」のカーズの行を彷彿させる決着のシーンなんかはオモシロく大満足以上。
 とは言え、思うところも多々あり…ロボはあんなスマートな代物ではなく、ゴツ過ぎて関節が曲がらないうえに動きもおそろしく鈍いメカメカ感が半端ない見てくれ、最後は剣による必殺技、そして各マシン一体一体が足、腕、胴へと変形して最後に頭と合体する様をキチンと描いて欲しくあった。5人それぞれの背景なども描かれていたけれどもメカに強い、記憶力がイイ、身体能力に優れてる等の特性はそれほど活かされてはおらずだったのが残念かなぁと…まぁ、戦隊ものなんで作り込みすぎてもそれはそれでオモシロくなくなるだろうから、これで正解だったのかもね。

 グリーンの新規加入って端から続編ありきたったのね。新メンバー加入ってぇのもいかにも戦隊ものらしくてイイね。
最近ではゴールドやらシルバーなんてのもいるけど、あと増やしてもホワイトかパープルまでが限界だな。
何せよ、マーベルシリーズのようにゴチャゴチャさせたり、ヘタにド派手破壊アクションにしたりしないで、「タイムボカン」シリーズ同様に【タイトル変われど中身変わらず】のイイ感じにユル~く続けていってほしくある。

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